肺がんのステージ分類と5年生存率

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2016.12.25

この記事の監修者

江戸川病院 呼吸器内科部長 兼 腫瘍血液内科医長 南方 邦彦

肺がんのステージ

肺がんのステージ分類

肺がんのステージ分類には、国際的な「TNM分類」がよく用いられています。T(腫瘍の進展度)とN(リンパ節転移の有無)、M(遠隔転移の有無)の3つを合わせてステージを決定する分類法です。

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Ⅰ期

Ⅰ期のステージ分類
Ⅰ期 ⅠA期 リンパ節転移や遠隔転移がなく、腫瘍の最大径が3センチ以下
ⅠB期 リンパ節転移や遠隔転移がなく、腫瘍の最大径が 3~5センチ以下
腫瘍の最大径が3センチ以下で、臓側胸膜(肺に密着した内側の胸膜)に浸潤している

Ⅰ期は上記の2段階に分かれますが、いずれにしても肺がんのステージでは初期の段階にあたり、ほとんどは手術が可能です。

Ⅱ期

Ⅱ期のステージ分類
Ⅱ期 ⅡA期 腫瘍の最大径が3センチ以下で、気管支周囲や肺門リンパ節に転移がある
腫瘍の最大径が3~5センチで、気管支周囲や肺門リンパ節に転移がある
腫瘍の最大径が3センチ以下で臓側胸膜に浸潤しており、気管支周囲や肺門リンパ節に転移がある
腫瘍の最大径が5~7センチで、リンパ節転移や遠隔転移がない
ⅡB期 腫瘍の最大径が3~5センチ、もしくは3センチ以下で臓側胸膜に浸潤しており、気管支周囲や肺門リンパ節に転移がある
リンパ節転移や遠隔転移はないが、腫瘍の最大径が7センチを超え、胸壁・胸膜・横隔膜・心膜などに広がっている

Ⅱ期は、いずれの場合も手術の適応になることが多く、必要に応じて術後化学療法が行われます。

Ⅲ期

Ⅲ期のステージ分類
Ⅲ期 ⅢA期 腫瘍の最大径が3センチ以下で、縦隔リンパ節に転移している
腫瘍の最大径が5~7センチ以下で、縦隔リンパ節に転移している
腫瘍の最大径が 7センチを超え、胸壁や胸膜・横隔膜・心膜などに広がっており、かつ気管支周囲や肺門、縦隔リンパ節などに転移している
縦隔・心臓・大血管・気管などに広がっているが、リンパ節に転移してない、もしくは気管支周囲や肺門リンパ節への転移にとどまっている
ⅢB期 腫瘍のサイズに関わらず、首の付け根のリンパ節や、反対側の肺のリンパ節に転移している
縦隔・心臓・大血管・気管などに広がっており、縦隔リンパ節にも転移している

ⅢA期は手術の対象になることもありますが、ⅢB期は基本的に放射線や化学療法が中心になります。

Ⅳ期

肝臓や脳などの遠く離れた臓器や、肺の別の場所に転移が見られる状態はすべてⅣ期になります。

また、がん細胞の混ざった悪性胸水や、がん細胞が胸膜に散らばったように広がる胸膜播種などが見られる段階も、Ⅳ期です。

Ⅳ期になると積極的な治療は難しく、緩和ケアもしくは化学療法が中心となります。

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肺がんの5年生存率

一覧表を見る前の予備知識

※ ステージとは、「がんの進行度合」という意味です。詳しくはこちらがんのステージ・病期・進行度

※ 5年実測生存率とは、「がんの治療を始めた人の中で5年後に生存している人の割合」という意味です。詳しくはこちらがんでよく使う5年生存率とは

※ 5年相対生存率とは、 「がんの人とがんではない性別と年齢が同じ人の5年後の生存率を比べた割合」という意味です。詳しくはこちら5年相対生存率とは

がんの種類 ステージ 5年実測生存率(%) 5年相対生存率(%)
肺腺がん I


IV
不明
80.3
44.0
21.5
5.9
58.5
48.6
88.2
49.0
23.9
6.4
65.5
53.5
肺扁平上皮がん I


IV
不明
58.7
44.0
18.1
2.5
26.2
32.2
70.1
51.2
20.7
2.9
32.4
37.5
肺小細胞がん I


IV
不明
50.0
29.4
17.5
2.6
20.0
16.4
58.1
33.7
19.8
3.0
24.4
18.7
・気管 I


IV
不明
73.9
42.3
19.7
4.4
45.5
39.1
82.9
48.2
22.2
5.0
53.2
43.9

※ 公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計'15」全国がん(成人病)センター協議会加盟施設における5年生存率(2004~2007年診断例)より引用

肺がんの5年生存率は、全がん(全種類のがん)の平均よりも下回っておりますので、平均よりは予後(今後の見通し)が悪いがんであるということがいえます。

肺がんは日本のがんで亡くなる人の死因のNO.1となっております。

肺がんになる、分かっている原因としては、喫煙が挙げられます。

肺がんはリンパ節へ転移することが多く、脳や骨髄へも転移しやすいので、治療が難しくなるケースが多いためです。

予後が悪い肺がんステージⅢ以降の主な治療法

肺がんは上記のとおりステージが進むに連れて予後が急速に悪化します。

特にステージⅢ以降の予後は悪いため、検討し得る様々な療法を組み合わせて病状に応じた最適な治療が行われます。

ステージⅠやⅡでは、外科(手術)療法により病巣を切除した後、術後化学療法として抗がん剤を投与することがあります。

もし、手術が適さない病状の場合は放射線療法を第一に行います。

ステージⅢの治療では、手術に耐えうる体力が残っており、がん組織を切除することが可能である場合は第一に外科療法が選択されます。

そして、その後の転移予防のために抗がん剤を投与する術後化学療法が行われます。

もし、手術に耐えられそうにない状態やリンパ節転移が進んで手術に適さない場合は、化学療法と放射線療法を併用した治療(化学放射線療法)が検討されます。

ただし、化学放射線療法は効果が高い分、副作用も強く出る傾向があるため、体力と病状から判断して化学療法、または放射線療法が単独で行われることもあります。

ステージⅣの治療では抗がん剤による治療も行われますが、現在の医学では完治させることはほぼ不可能です。

そのため、抗がん剤治療によってがんをなるべく抑えつつ、同時に緩和ケアも行われます。

緩和ケアでは、がんによる身体上の苦痛をモルヒネなどによって抑え、さらに精神科医や臨床心理士等の専門家によって精神的な苦痛も除去されます。

また、呼吸困難に対しては在宅酸素療法も検討されます。

なお、化学療法を進める上で抗がん剤の副作用が強すぎ全身に大きく負担がかかってしまう場合もあります。

そのような場合は、抗がん剤を使用しない方法で治療が進められます。

参考文献

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス | 肺がん
  2. 書籍 国立がん研究センターのがんの本「肺がん」
  3. 公益財団法人 日本医療機能評価機構 Minds | 患者さんのためのガイドブック よくわかる肺がんQ&A
  4. がん研有明病院 がんに関する情報 肺がん
  5. 慶應義塾大学病院 KOMPAS | 肺がん
  6. 国立がん研究センター がんの統計’15
  7. その他

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