モルヒネ(医療用麻薬)

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2017.5.19

点滴

モルヒネは医療用麻薬のことで、がんの治療では痛みや苦痛が強い時の鎮痛薬として用いられます。

がんの治療で用いる鎮痛薬はさまざまありますが、その中でもモルヒネは鎮痛効果が強い部類に入りますので、末期がんの患者にも用いられます。

よく「麻薬中毒になるのではないか?」とか、「モルヒネを使うということは死が近いのではないか?」というような不安がある方が多いようですが、医療現場で使うモルヒネは普通の麻薬とは違います。

医師の処方に従って使用していれば、麻薬中毒になってしまったり死期が近くなるようなことはありません!

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がんに使われるモルヒネの種類・副作用など

医療用モルヒネは、「オピオイド」と呼ばれる強い鎮痛剤の一つです。鎮痛剤は、効果の強さによって3段階に分かれますが、モルヒネはもっとも効果の強い第3段階の薬に分類されています。

2段階までの薬で十分な効き目が得られなかった場合は、QOL(生活の質)を維持するためにも、必要に応じてモルヒネを使うことが大切です。

また、モルヒネは第1段階の鎮痛剤(アスピリンなど)と違って胃腸を荒らしませんし、使用できる量に限度がない点も大きなメリットとなっています。

つまり患者さんの痛みの程度に合わせて量を変えることで、ほぼ確実に痛みを取ることができるのです。

モルヒネを使った薬には、粉薬や錠剤、水薬、カプセルなどさまざまな形状のものがあります。

即効性の高い粉薬や水薬、またモルヒネがゆっくりと溶け出すため効果が長く持続する「MSコンチン錠」など、それぞれに特色がありますので、患者さんの状態に合わせて選択します。

また口から服用できない患者さんに対しては、「アンペック坐剤」という座薬や、注射薬のモルヒネもあります。

注射薬は、携帯のできるポンプ式のものが出ており、自宅にいながら点滴と同じような長時間の投与ができるようになっています。

モルヒネの副作用としては「中毒」というイメージがありますが、実際は「吐き気」「眠気」「便秘」が3大副作用といわれています。

医療用のモルヒネを、医師の指示にしたがって適切に使用する限り、麻薬のような中毒症状が出ることはありません。

3大副作用の中でも、特に便秘はほとんどの人に見られるといわれますので、必要に応じて下剤を併用するなどして、お通じを良くすることが大切です。

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モルヒネに対する正しい理解を得て、痛みのない療養生活を!

モルヒネは、がんの疼痛緩和には欠かせない薬です。

しかしモルヒネ=麻薬であるというネガティブなイメージは根強く、依存性や副作用を必要以上に恐れ、痛みを我慢し続けてしまう方も多いようです。

不必要な痛みが続くことは日常から自分らしさを奪ってしまうだけでなく、自律神経のバランスの崩れや抑うつ的な気分などをはじめ、様々な弊害をもたらします。

モルヒネを適切に使用することは、直接的に痛みを取り除く効果があるだけでなく、QOLの高い療養生活を継続するために大いに役立ちます。

モルヒネに対するネガティブなイメージを払しょくするために、まずはモルヒネに対する正しい理解を得ることが重要です。

モルヒネは痛みに対してどのように効いている?

がんの治療中には程度の差こそあれ、さまざまな種類の痛みを経験します。

例えば、検査のための採血や組織の採取を行う際に生じる痛み、がんの切除手術に伴う痛み、がん細胞が組織を侵食していく過程で感じる痛みなどがあります。

これらの痛みは、痛みの発生源から痛みの信号が神経線維を伝わり、それが脳に達することで知覚されます。

ところが、人間の脳内には、こうした痛みを感じにくくさせる「オピオイド受容体」が存在しています。

医療用麻薬であるモルヒネはオピオイド受容体に作用することで痛みを強力に抑制します。

これによって、他の鎮痛剤では抑えようもないような、がんの激しい痛みも緩和させることができるのです。

モルヒネに関する大きな誤解

激しい痛みがあるにもかかわらず、がん患者がモルヒネの使用を躊躇してしまいがちな理由の一つに、「モルヒネ=麻薬」であるというイメージの根深さがあります。

医療用に用いられているとはいえ、麻薬という言葉の持つネガティブなイメージは、薬物中毒になってしまうのではないかという不安を引き起こしてしまうようです。

しかし、痛みの緩和目的でモルヒネを使用するケースにおいては、麻薬中毒になってしまったり、モルヒネ依存の状態になってしまったりすることはありません。

既に痛みがある状態でモルヒネを使用する場合は、モルヒネへの依存を形成するオピオイド受容体の働きが抑制されるため、麻薬中毒や依存状態になることなく、高い鎮痛効果のみを得ることができます。

一方で、痛みの無い状態で健康な人がモルヒネを用いた場合はこの抑制系が働かないため、薬物依存に陥ってしまうことがあります。

また、モルヒネの使用に関する不安要素として、使い続けることで次第に痛みに効かなくなってしまう「耐性」の存在が挙げられることもあります。

もちろん他の多くの薬と同様に、モルヒネにも使用に伴って耐性が生じることもありますが、痛みに応じた適切な量を使用している限り、問題になることはほとんどありません。

モルヒネの使用量には決まった上限もなく、個々のケースによって使用量が決められるため、痛みの増強に応じて十分な鎮痛効果が得られる量まで増量し、痛みを緩和することが可能です。

モルヒネは痛みの程度や生活スタイルに合わせた処方で、安全に痛みを取り除くことができる薬です。

がんの痛みを取ることも治療の一つである、という認識でモルヒネを活用することは、緩和ケアの大きな役割ともなっています。

参考文献

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス | 緩和ケアについて理解する
  2. 日本緩和医療学会 緩和ケア.net 緩和ケアとは
  3. ホスピス財団 ホスピス・緩和ケアとはなんですか
  4. その他

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