肺がんのステージ・病気の進み方・悪化の仕方

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2017.1.1

肺がんのステージや進行度を調べるためには肺だけを調べるのではなく、胸部X線検査CT検査ヘリカルCT検査超音波検査(エコー)MRI検査などさまざまな画像診断技術を用いて、ほぼ全身をくまなく検査します。

肺がんは大きく小細胞がん非小細胞がんに分けられます。(詳しくはこちら肺がんの種類と分類)

小細胞がんはがんの進行が早く、転移もしやすいため、発見された時には進行しているケースが多いがんです。

肺の入り口付近にできることが多く、気管や気管支に進展していたり、左右の肺の間にある縦隔リンパ節などにも早い段階で転移をします。

ただし抗がん剤や放射線が効きやすいという性質があるため、治療により腫瘍が縮小するケースも多く認められます。

しかし、進行も早いため、すぐに悪化することも多く認められます。

非小細胞がんは肺の奥の方にできることが多く症状がでにくいため、症状がでたときにはすでにリンパ節などに転移しているケースがあります。

非小細胞がんの中でも腺がんは、早期の段階でリンパ節などへ転移しやすく、胸膜炎などを引き起こしやすいがんです。

扁平上皮がんは発生した部位に留まる事が多く転移を比較的しにくいがんです。

病巣部が限局していれば、病巣部位を完全に切除することにより治癒する可能性も十分に期待できます。

肺がんのステージ・進行度

肺がんのステージ分類は一言で言い表せられるステージではないので、下記画像や表はあくまでも参考程度にご覧ください。
肺がんのステージ

肺がんのステージ(進行度)は、がんの広がり・転移の有無により、下記のように分類されます。

ステージ 状態
0期 がんがまだ粘膜内に留まっている。進行がかなり浅い
ステージI IA がんが肺の中に留まっており、転移をしていない
IB
ステージII IIA がんが転移しているが、肺の入り口までで留まっているもの。がんの直径が3cm以下である。
IIB がんが転移しているが、肺の入り口までで留まっているもの。がんの直径が3cmを越えている。
ステージIII IIIA 最初にがんができた側の肺の周辺組織(縦隔リンパ節・胸膜・胸壁・横隔膜・心膜など)にがんが広がっている。
IIIB 最初にがんができた側の肺の反対側の周辺組織(縦隔リンパ節・胸膜・胸壁・横隔膜・心膜など)にまで、がんが広がっている。
ステージIV がんが脳・肝臓・副腎など、肺から遠い位置にある他の臓器や組織にまで転移している。

肺がんでは上記表のステージIAまでを早期がん、それ以降を進行がんと判別されます。

肺がんのステージ別の治療の選択

肺がんの分類やステージによって、基本的な肺がんの治療方法は確立されています。

肺がんの治療方法は、主に、がんの病巣を外科的に切除する手術療法、抗がん剤を使う化学療法、放射線療法の三つを、患者さんに合わせて単独あるいは組み合わせて行います。

どのような治療方法が効果的で効率的であるかは、多くの肺がんの治療に関する情報に基づいて検討され「EBMの手法による肺癌診療ガイドライン2014年」に公開されています。

ここでは、肺がん全体の約80%を占める非小細胞肺がんのステージ別の治療方法について解説していきましょう。

ステージⅠ~Ⅱ期の治療方法

ステージⅠ~Ⅱ期の患者さんには、可能な限り外科的に切除することがすすめられます。

手術の際には、リンパ節への転移を確認したり、再発を予防したりするため、同時にリンパ節を摘出します。

標準的な手術としては、がんのある肺葉や、がんのある方の肺全体を切除します。

ただしステージI期のごく早期の場合で症例選択によっては、がんのある周辺~やや大きめに切除する縮小手術でも、標準的な肺の肺葉切除と同等な予後が得られるとの報告もあり、治療選択として挙げられます。

一方、ステージIIIA期で一部のリンパ節への転移がある場合、手術が可能な方でも、まず化学療法あるいは化学放射線療法を行ってから外科的な切除を行うことが検討されます。

しかし、手術が難しい症例では、化学放射線療法を行います。

肺がん手術

また最近では、ステージⅠ期の場合には、胸腔鏡(きょうくうきょう)を用いた肺葉切除も行われています。

胸腔鏡を用いた手術は開胸手術と比べて、手術時間や出血量、入院期間、術後の合併症などの差はありませんが、切開創が小さく患者さんの負担が小さいという利点があります。

また転移が少なく、5年生存率が良いという報告もあります。

胸腔鏡手術

一方、ステージⅠ~Ⅱ期の患者さんで、全身状態など色々な理由で手術が出来ない場合には、放射線療法で根治を目指すことがすすめられています。

Ⅰ期では局所的な照射のみでも再発する確率は0~3%という報告もあります。

先進医療で自費となりますが、粒子線治療といって重粒子線・陽子線治療など局所への集中性を高めた治療法も開発されています。

(参考:日本肺癌学会編:EBMの手法による肺癌診療ガイドライン Ⅱ.非小細胞肺癌 1. 外科治療 1-1.手術適応: 43-50, 2014)

ステージⅢA期の治療方法

ステージⅢA期で、リンパ節への転移がない場合には、他の臓器への転移がない可能性が高く、外科的な切除で効果が高いと考えられています。

一方、ステージⅢA期でリンパ節への転移がある場合、手術が可能な方では、まず放射線療法を行ってから外科的な切除を行います。

しかしリンパ節への転移があり手術が出来ない場合には、化学療法や放射線療法を行います。

手術不能なステージⅢA期~ⅢB期の治療方法

プラチナ製剤という抗がん剤を使った化学療法と、放射線療法を同時に併用して治療を行います。これを化学放射線療法といいます。

ただし、有害事象など身体に対する負担が大きいため、全身状態が良好な場合に限られています。

放射線療法のみ、あるいは化学療法のみを行うこともあります。

ステージⅣ期の治療方法

化学療法と緩和療法によって、がんの進行を遅らせ、痛みや呼吸困難などの症状をやわらげて、少しでも長く日常生活が送れるようにします。

全身状態が良好な場合には、生存期間が延長することが明らかになっています。

非小細胞肺がんは早期であれば、外科的な切除で根治も可能な病気となっています。

また、分子標的薬を使った化学療法や体に負担の少ない放射線療法など、新しい治療法も日進月歩です。

肺がんも治る病気となることに期待して、今出来る治療を主治医と一緒に考えていくことが大切です。

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