肺がんの治療法~標準治療から最新治療法まで~

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2017.1.1

肺がんの代表的な治療法は下記です。

  • 外科療法
  • 化学療法
  • 放射線療法
  • 肺がんの最新治療(レーザー療法・遺伝子療法)
肺がんのステージ別治療法
手術

肺がんの治療では、がんの三大療法である"外科療法・化学療法・放射線療法"が治療の基本となります。

肺にできたがんが早期の内でリンパ節などへの転移がなければ、手術により約70~80%の肺がんを治すことができます。

ただし肺がんは症状がでにくいケースが多く、ただの風邪だと思っていたらいつのまにか進行してしまい、発見された時には手術ができないケースも多いものです。

統計データによると、肺がんが手術ができる状態で発見されるのは全体の約30%程度で、残りの約70%の大部分の患者さんは、がんがかなり進行しており手術ができない状態にまでなっています。

肺にできたがんが小細胞がんの場合

肺にできたがんが小細胞がんの場合は、進行が早く転移しやすいので、手術ができるのはごく早期の場合です。手術ができない場合は、抗がん剤による化学療法と放射線療法を組み合わせて治療が行われます。

小細胞がんは抗がん剤や放射線が効きやすい性質があるため、例え手術ができなくてもがんを縮小させることは可能です。

肺にできたがんが非小細胞がんの場合

肺にできたがんが非小細胞がんの場合は、ステージIIIA期までは手術を行うことが可能です。それ以上進行している場合は、抗がん剤による化学療法が治療の中心となります。

肺がんの外科療法

肺がん手術

がんは外科手術により完全に切除することが完治への近道ですが、肺は生命維持にかかせない「呼吸」をする臓器ですので、進行していると切除できず手術ができないケースも多くあります。

手術ができるのは、小細胞がんではステージI、非小細胞がんではステージI~IIIA期の早期がんの場合です。

肺がん患者全体で手術ができるのは約30%で、手術ができれば治癒率は約50%あります。近年治癒率もかなり向上しております。

肺がんの手術では、がんができた部位により切除方法が異なります。一側肺全切除術・肺部分切除術・肺葉切除術・気管支形成術・リンパ節郭清手術などがあります。

いずれにしても肺の機能を温存し切除範囲をできるだけ狭くする方法がとられます。

肺がんの化学療法

肺がんの化学療法の進め方

肺がんの中でも小細胞がんでは、抗がん剤が効きやすいという性質があるため約90%に効果がみられます。

小細胞がんの化学療法では、シスプラチンイリノテカンエトポシドアムルビシンなどの抗がん剤を組み合わせて用います。

非小細胞がんでは抗がん剤が効きやすいとまではいえませんが、約50%に効果がみられます。ただし全身に転移をしている場合は、抗がん剤で完全治癒はほとんどの場合望めません。

非小細胞がんの化学療法では、シスプラチン・カルボプラチン・イリノテカン・ビノレルビンゲムシタビンパクリタキセルドセタキセルなどの抗がん剤を組み合わせて用います。

非小細胞がんでは他にも新しい治療法である分子標的治療では、ゲフィニチブ・エルロチニブなどが用いられます。

肺がんの放射線療法

放射線治療

肺がんの放射線療法では、一般的に抗がん剤と併用することで、がんに対して効果が高いことがわかっています。

特にシスプラチンやエトポシドといった抗がん剤と放射線治療とは相性が良く、イリノテカンは放射線治療と相性が悪いとされています。

いづれにしても放射線治療だけを行うことは少なく、外科手術や抗がん剤による化学療法と併用して行われます。

肺がんの最新治療(レーザー療法・遺伝子療法)

肺がんの最新治療として、「レーザー療法」と「遺伝子療法」があります。

レーザー療法では、気管支鏡を口から挿入しモニターで観察しながら、内視鏡の管の先端からレーザーを照射し、がんを焼き切ります。

肺に損傷を与える範囲が限られているので患者の肉体的負担が少ないというメリットがありますが、がんがごく早期の場合に限られますし、気管支鏡や内視鏡の可動範囲内でしか使えないというデメリットもあります。

遺伝子療法は、がんを抑制する遺伝子をがん細胞に注入して腫瘍を縮小させ、抗がん剤を効きやすくする治療法です。ただしまだ研究段階の最新の治療法です。

以上のように肺がんでは、状況に応じて外科手術・化学療法・放射線療法を併用して治療を勧めます。

最近では最新免疫療法が注目されている!

免疫

肺がん治療と言えば、外科手術、抗がん剤治療(化学療法)、放射線療法が基本ですが、第4の治療法として最近注目を浴びているのが「免疫療法」です。

その中でも、特に「免疫チェックポイント阻害薬」は、抗がん剤に替わる治療薬として期待が持てる薬剤と考えられています。

本来、人間の身体には細胞傷害性T細胞(T細胞)といがん細胞を攻撃する働きがある細胞が存在します。

しかし、T細胞には、活性化し過ぎるのを防ぐためのブレーキ役といえる分子がいくつか備わっており、それががん細胞への攻撃を妨げていることが分かっています。

このブレーキ役として知られている分子は、免疫チェックポイントと呼ばれています。

免疫チェックポイントの働きによって、がん細胞はうまく増殖していくことができていますから、この免疫チェックポイントの働きを阻害してT細胞が本来の働きを行い、がん細胞を攻撃できるようになれば、がん細胞の増殖は防げると考えられます。

そこに着目して開発されたのが「免疫チェックポイント阻害薬」です。

現在、免疫チェックポイント阻害薬の開発が進められており、肺がん領域においては、2014年7月に悪性黒色腫に対しての使用が厚生労働省により承認されたオプジーボ(一般名:ニボルマブ。日本で開発された世界初の抗PD-1抗体薬)や、pembrolizumab(一般名:ペンブロリズマブ。国内未承認)、2015年7月に悪性黒色腫に対しての使用が承認されたヤーボイ(一般名:イピリムマブ。抗CTLA-4抗体薬)が第Ⅲ相の臨床試験に入っています。

第Ⅲ相の臨床試験で有効性と安全性が最終確認され、厚生労働省での承認を受ければ、これらの免疫チェックポイント阻害薬を肺がん治療においても使用することができるようになります。

免疫チェックポイント阻害薬の副作用について

免疫チェックポイント阻害薬の使用については、現時点での重い副作用の報告は比較的少ないとされています。

比較的よく起こる副作用としては下痢や皮疹が報告されていますが、他の薬剤との併用などでコントロールできるものですから、それらの副作用については大きな問題とはなりません。

いずれにしても、免疫チェックポイント阻害薬は、抗がん剤による副作用と比べたらかなり副作用が軽い薬剤といえます。

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