胃がんの予後と5年生存率~医学的な病状の見通し~

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掲載している情報は一般論であり、医師や主治医の指示に従うようにしましょう。特にがん領域においては複数の医師の意見を聞くセカンドオピニオンも大切です。

2016.12.25

治療後

胃がんは1997年まではがんによる死因の第1位でしたが、1998年以降は肺がんが第1位になり、胃がんは大腸がんに次いで第3位となっております。

2012年の統計によると罹患者数(かかる人)は胃がんが毎年約13万人を超えるのに対し、肺がんは毎年約11万人です。

胃がんにかかる人は肺がんにかかる人の同程度いるのに、死亡原因としては肺がんよりも少ないのです。(2015年国立がん研究センターがん対策情報センターによる)

死亡者数でいうと、肺がんの死亡者数は年間約7万人で、胃がんの死亡者数は年間約5万人となっています。つまり、胃がんになったとしても治る人が多いということがわかります。

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胃がんは早期発見できれば、約98%が完治可能!

胃がんは医療技術の進歩により、進行がんでも治すことができるようになってきています。治療成績も年々向上しています。

早期胃がんと進行胃がんイラストのように、がんが粘膜下層までに留まっている早期がんであれば、手術のみでほぼ100%治すことができるようになっています。

がんが固有筋層を越えた進行がんの場合でも、比較的早期の段階では、早期がんと同程度の治療成績となっています。

胃がんの5年生存率

※ ステージとは、「がんの進行度合」という意味です。詳しくはこちらがんのステージ・病期・進行度

※ 5年実測生存率とは、「がんの治療を始めた人の中で5年後に生存している人の割合」という意味です。詳しくはこちらがんでよく使う5年生存率とは

※ 5年相対生存率とは、 「がんの人とがんではない性別と年齢が同じ人の5年後の生存率を比べた割合」という意味です。詳しくはこちら5年相対生存率とは

がんの種類 ステージ 5年実測生存率(%) 5年相対生存率(%)
I


IV
不明
86.7
58.9
42.0
6.5
52.7
65.2
97.2
66.0
47.2
7.2
60.6
73.1

※ 公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計'15」全国がん(成人病)センター協議会加盟施設における5年生存率(2004~2007年診断例)より引用

胃がんの5年生存率は、全がん(全種類のがん)の平均と同じくらいの数値ですので、平均程度の予後(今後の見通し)のがんであるということがいえます。

ステージI・Ⅱ・Ⅲでは5年生存率は平均程度ですが、ステージⅣでは急激に下がり、状況が厳しくなるという特徴があります。

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悪性度の高い胃がん

胃がんができた場所が胃の下部付近であれば、下部だけを切除して胃の一部(上部)を残すことが可能なのですが、胃の上部にがんができた場合は、一般的に胃の全摘手術になります。

胃の上部にできたがんは悪性度が高いことが多く、5年生存率は下部にできたがんと比べ、かなり低くなります。

また、胃にできたがんが「スキルス胃がん」の場合は、表面上はほとんど変化がないのに、粘膜内を深く浸潤しており転移しやすいので、発見された時にはすでに手術ができない状態であるケースが多いです。

スキルス胃がんの場合の5年生存率は、手術ができた場合でも約20%程度です。

胃がん手術後の再発・転移

再発

がんは、手術後も再発や転移のリスクがつきまとう点がやっかいなところです。胃がんも、治療時のステージが進行していればいるほど、再発・転移の可能性は高くなります。

特に胃がんの再発で多いとされるのが「腹膜再発(転移)」です。手術で胃をすべて摘出したとしても、既にがん細胞が胃壁を突き抜けてお腹の中にこぼれ落ちていた場合、そこでがんが育ってしまうことがあります。

腹膜再発は、特にスキルス胃がんなどの悪性度の高いがんでよく見られますので、治療後も慎重な観察が必要です。腹膜再発が起こった場合は、検査で見つかるよりも先に腹水がたまる症状で気づくケースが多いといわれています。

また胃がんの手術で胃の一部を残した場合、その残った部分に胃がんが再発することがあります。これは「残胃がん」と呼ばれるもので、必ずしも前のがんと同じものではなく、新たに発生した別の胃がんであるケースも多い点が特徴です。

そのため胃を残している場合は、治療から年月が経っていても、新たながんの発生に気をつけなくてはいけません。他には、肝臓や肺などに遠隔転移した状態で再発が見つかることもあります。

手術で取り切れなかったがん細胞が、血液やリンパ液の流れに乗って遠くに運ばれたもので、特に分化度の低い胃がんで多く見られます。

遠隔転移してしまうと、基本的に再手術は難しいため、抗がん剤治療などが中心になります。

スキルス胃がんについてもっと詳しく!

悪性度の高いスキルス胃がんは、手術ができた場合でも5年生存率が15~20%程度とかなり低く、完治が難しいことでよく知られています。

通常は胃の粘膜面に発生する胃がんですが、スキルス胃がんの場合は胃の粘膜表面にはあまり変化が起きず、胃の粘膜の下を這うように広がっていくのが特徴です。

通常の胃がんは、胃の粘膜が荒れるために胃の痛みや胃からの出血など、胃炎や胃潰瘍などの症状が出てきます。

そのため、そのような体の不調から早期発見に結びつきやすいのですが、スキルス胃がんは胃の粘膜の下で広がっていくがんのため、胃の粘膜がほとんど荒れず、初期の段階では自覚症状がほとんどないのが特徴です。

症状が進むにつれて、食欲不振や胃もたれ、下痢、体重の減少などがみられるものの、ただの体調不良だという風に見過ごされてしまうことも少なくありません。

ですから、スキルス胃がんについては早期発見が難しく、見つかった時にはかなりがんが進行しているために、手術ができないということが多くみられます。

スキルス胃がんは、胃がん全体のうちの約10%を占め、30代~40代の女性に多くみられますので、とくに若い人に注意が必要ながんです。

スキルス胃がんの治療法と予後

スキルス胃がんの治療法としては、外科手術と化学治療(抗がん剤治療)、放射線療法の3つを組み合わせてがんの進行度に合わせた治療を行います。

他の臓器に転移がなく、がんがステージⅠ~Ⅱ期の場合は外科手術による根治治療を行いますが、他の臓器に転移が進んでいる場合は、外科手術は難しく、化学療法が主な治療法となります。

ただし、スキルス胃がんは抗がん剤が効きにくいという特徴がありますから、ステージⅢ以降についての治療はかなり困難となります。

また、外科手術によってがん細胞を取り除いても、スキルス胃がんは再発率が高く、5年生存率は20%程度となっています。

ですから、仮に早期発見ができて外科手術を行えたとしても、決して安心とはいえず、定期的に検診を受けて術後の経過を注意深く見守る必要があります。

参考文献

  1. がん情報サービス | 胃がん
  2. 国立がん研究センターのがんの本「胃がん」
  3. 公益財団法人 日本医療機能評価機構 Minds | 胃がん
  4. その他

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がん保険はがんになってからでは加入できません。またがん保険は医療保険と違い、持病や既往歴があっても問題ないケースが多いのが特徴です。

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メットライフガードエックス

1位:医師向け転職サービス

参照:医師の転活

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