膀胱がんのステージ・病気の進み方・悪化の仕方

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2016.12.25

鎌田 修平

この記事の監修者

医師 鎌田 修平

膀胱がんの進み方

膀胱にできたがんは、膀胱内の粘膜層を深く浸潤していき、やがて筋層を突き破り周辺の臓器へ広がります。

また、リンパや血液の流れに乗って、リンパ節・肺・肝臓・骨などに遠隔転移するケースもあります。

膀胱がんのステージ・進行度

膀胱がんのステージ(進行度)は、がんの深さ・広がり・転移の有無により、下記のように分類されます。

まず、TNM分類という考え方にもとづき分類します。

TNM分類

T:局所でのがんの進展度

  • Tis:上皮内がん
  • Ta:がんが粘膜内に限局している。
  • T1:がんが粘膜下に浸潤しているが、膀胱筋層へは及んでいない
  • T2:がんが膀胱筋層まで浸潤している
  • T3:がんが膀胱筋層を越え、周囲脂肪組織に浸潤している
  • T4:がんが前立腺、子宮、膣、骨盤壁、腹壁など周囲へ浸潤している

N:骨盤内リンパ節転移の有無と程度

  • N0:所属リンパ節に転移はない
  • N1:2cm以下の1個の所属リンパ節転移がある
  • N2:2cmを超え5cm以下の1個の所属リンパ節転移 または5cm以下の所属リンパ節転移が複数個ある
  • N3:5cmを超える所属リンパ節転移がある

M:他の臓器への転移の有無

  • M0:他の臓器への転移はない
  • M1:他の臓器への転移がある

上記のTNM分類をもとに、ステージが決まります。

ステージ

ステージ 状態
ステージ0 TaやTisで、かつN0M0
ステージI T1で、かつN0M0
ステージII T2で、かつN0M0
ステージIII T3か、T4の一部(T4a)で、かつN0M0
ステージIV T4の一部(T4b)、またはN0M0でないもの

ステージを決める際に重要なのは、「筋層に浸潤しているか」「転移があるか」です。

筋層に浸潤していれば、内視鏡手術で根治することは難しくなるため、開腹手術を行うことが多いです。

ただし、6-8時間程度に及ぶ大手術であるため、高齢であったり持病があったりする方では、体力的に難しいケースがあります。

転移があれば、ステージⅣとなり、化学療法(多くはGC療法)による治療を行います。

ステージごとの治療内容

膀胱がんのステージ別治療法

ステージ0またはⅠであれば、内視鏡により根治可能な場合があります。内視鏡手術は、経尿道的膀胱腫瘍切除術という術式が一般的です。

経尿道的腫瘍切除術

尿道口から内視鏡を入れて、先端についた半円状の電気メスで切除する治療法です。

腫瘍が明らかに筋層に達している場合は、それ以上深く削ると穴があいてしまうため、内視鏡的切除は困難と判断します。

膀胱がんの浸潤の深さは、MRIなどの画像検査によってもある程度推測は可能ですが、最終的には内視鏡手術によって、筋層浸潤があるかどうか(開腹手術が必要かどうか)が決定されることが多いです。

ステージⅡ、Ⅲでは、膀胱全摘術が主要な治療法です。

膀胱全摘術の際に、根治性を高めるために術前に化学療法を行うことがあります。

高齢であったり、持病があったり、または膀胱全摘術をどうしても受けられない事情がある場合など、膀胱全摘術が難しい場合には、多少根治性は劣る可能性がありますが、化学療法と放射線療法を併用して行う治療法もあります。

ステージⅣでは、化学療法による治療を行います。多くはゲムシタビンという薬と、シスプラチンという薬を併用して投与するGC療法を行います。

腎臓の機能が悪い場合には、シスプラチンをカルボプラチンに変える場合もあります。

転移が1つか2つで、化学療法で腫瘍が縮小する場合には、後々膀胱全摘術を行うこともあります。

通常、膀胱がんは膀胱内に突出するような形をとることが多いですが、Cisという上皮内に広がっていくタイプもあります。

浸潤している深さは浅くても、内視鏡で見てどこまでががんなのかわかりづらいため、そうしたタイプの膀胱がんに対しては、内視鏡手術単独で治療をすることは困難です。その場合には、BCG療法を行います。

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