甲状腺がんの種類と分類

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甲状腺がんはできたがん細胞の組織の形(組織型)によって、下記の5種類に分類されます。

  • 乳頭がん
  • 濾胞(ろほう)がん
  • 髄様(ずいよう)がん
  • 未分化がん
  • 悪性リンパ腫

甲状腺にできたがんが、上記のどの種類に属するかで、悪性度や予後などが異なります。

乳頭がん

喉

乳頭がんは早期の段階から首のリンパ節へ転移を起こしますので、首に痛みのない硬いしこりができます。

甲状腺がんの種類の中では最も予後が良く、分化がんと呼ばれる悪性度の低いがんとされています。しかし乳頭がんの内、約10%は、悪性度が高い未分化がんに変異することがあります。

甲状腺がん患者の約90%が、この乳頭がんです。発症しやすい年代は、50代前半です。高齢で発症するほど悪性度は高いといわれています。

乳頭がんの10年生存率は約85%と、がんの中ではかなり治りやすいがんです。

濾胞がん

分化がんと呼ばれる悪性度の低いがんとされていますが、肺や骨へ転移しやすいという特徴があります。

甲状腺がん患者の約4%が、この濾胞がんです。発症しやすい年代は、50代前半です。

濾胞がんの10年生存率は約60~85%と、乳頭がんの次に治りやすいがんです。

髄様がん

遺伝

悪性度は患者によってさまざまですが、周辺組織への浸潤はやや強い方です。遺伝性が高く、約40%が家族内で発生します。

甲状腺がん患者の約2%が、この髄様がんです。発症しやすい年代は、50代前半です。

髄様がんの10年生存率は約60%と平均的ですが、進行はゆるやかなタイプが多いという特徴があります。

未分化がん

悪性度が高く進行が早いので、早期の段階から周辺組織への浸潤をします。甲状腺がんの中では最も悪性とされています。

甲状腺がん患者の約2%が、この未分化がんです。発症しやすい年代は、60歳以上の高齢者です。

未分化がんの3年生存率は約10%以下、5年生存率は約5%以下と、予後が極めて悪く悪性度が非常に高いという特徴があります。転移や再発の可能性も高いです。

悪性リンパ腫

甲状腺にはリンパ節はありませんが、周辺のリンパ球が甲状腺へ浸潤していくことにより、甲状腺に悪性リンパ腫ができることがあります。

甲状腺の悪性リンパ腫は、同じ甲状腺の病気である橋本病が原因となることが多く、悪性リンパ腫の約80%が橋本病を合併しているといわれています。

甲状腺がん患者の約2%が、この悪性リンパ腫です。

それぞれの甲状腺がんの特徴

乳頭がん

乳頭状とよばれる顕微鏡的な構造により名づけられたがんで、その特徴的な細胞の形のために超音波検査と穿刺吸引細胞により比較的容易に診断が可能です。

リンパ節への転移が起きやすいのが特徴で、甲状腺の周囲に存在する反回神経と呼ばれる声帯動作に関与する神経や気管、食道などに湿潤することもありますが、一般的に成長の遅い腫瘍であるため、治癒確率も90%を超えます。

若い人のほうが予後良好であり、リンパ節転移は予後をあまり左右しません。

濾胞がん

乳頭がんに比べ、局所湿潤やリンパ節転移が起こりにくいのですが、遠隔転移を肺や骨に起こしやすい傾向があり、そうなると治癒が難しくなります。

遠隔転移を生じない症例であれば予後は良好であり、甲状腺切除手術によって治癒することができます。

髄様がん

乳頭がん、濾胞がんは甲状腺ホルモンを作る濾胞細胞からできるがんですが、髄様がんはカルシウム調節ホルモンのひとつであるカルシトニンという物質を分泌する機能を持つ「傍濾胞細胞」からがん細胞が発生する事がわかっています。

遺伝性から起こる場合と、遺伝に関係なく突発的に起こる場合があり、両者の比率はおおよそ半々と言われています。

乳頭がんと違い、リンパ節転移が予後因子として重要であり、リンパ節転移が多く起こってしまっている場合の予後はあまり良くありません。

未分化がん

未分化がんの多くは、もともと甲状腺内にあった分化がんが長い経過のなかで未分化点かして発生すると考えられています。

外科療法、放射線療法、化学療法を組み合わせて治療を行いますが、生存率は高くありません。

悪性リンパ腫

未分化がんと同じく、頻度が少なく高齢者に多い、甲状腺内のリンパ球由来の悪性腫瘍です。多くはもともと橋本病と呼ばれる慢性甲状腺炎のある人に発生するといわれています。

未分化がんと同じく、急速に成長しますが、化学療法や放射線療法が有効です。

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