多発性骨髄腫のステージ・病気の進み方・悪化の仕方

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2017.3.24

>ステージ

多発性骨髄腫は初期の段階では症状がほとんど現れないことが多く、早期発見が難しい傾向があります。

多発性骨髄腫は骨髄の中にある形質細胞ががん化する病気で、正常な血液を作れなくなったり、骨の中に腫瘍を作ることで、全身にさまざまな症状が現れます。

病状がある程度進行すると、骨の痛みや骨折、貧血・高カルシウム血症・疫力の低下・感染症・腎臓障害・神経障害などの症状が現れます。

特に骨の痛みや骨折は多発性骨髄腫の特徴的な症状で、これがきっかけで整形外科を受診した結果、多発性骨髄腫であることが発見されるケースが最も多いです。

しかし骨の痛みや骨折といった症状が起こるのは、初期の段階ではなく病状がある程度進行した状態ですので、治療も難しくなる傾向にあります。

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多発性骨髄腫のステージ・進行度

多発性骨髄腫のステージ(進行度)は、Durie & Salmon分類法が最も普及しています。

骨髄腫細胞(がん化した形質細胞)の数・貧血・高カルシウム血症・骨の異常・M蛋白の量などを総合的に判断し、I・II・Ⅲ期の3期に分類されます。

ステージ 状態
ステージI ・血液中のヘモグロビン数が10g/dL以上であり貧血ではない。
・血液中のカルシウム量が正常値であり、高カルシウム血症ではない。
・レントゲンにより骨に異常はない。又は異常があってもごく一部のみに留まる。
・血液中のM蛋白の量が少ない。(IgG<5g/dL・IgA<3g/dL・BJP<4g/日)
※ 以上のすべての条件を満たす場合、ステージIと診断されます。
ステージII ステージⅠ及びⅢ以外の状態
ステージIII ・血液中のヘモグロビン数が8.5g/dL以下であり貧血が強い。
・血液中のカルシウム量が12mg/dL以上であり、高カルシウム血症である
・広範囲の骨が破壊されたり溶けたりしている
・血液中のM蛋白の量が多い。(IgG>7g/dL・IgA>5g/dL・BJP>12g/日)
以上の内、1つ以上の条件を満たす場合、ステージIIIと診断されます。

多発性骨髄腫のステージ分類では、従来上記Durie&Salmon分類が用いられてきましたが、最近ではよりわかりやすくした下記のISS(International scoring system)によるステージ分類が普及してきています。

血清のアルブミンの値と血清β2-ミクログロブリンの値によって、I・II・Ⅲ期の3期に分類されます。

ステージ 状態
ステージI 血清アルブミンの値が3.5g/dl以上であり、かつ血清β2-ミクログロブリンの値が3.5mg/l以下である
ステージII 血清アルブミンの値が3.5g/dl以下であり、かつ血清β2-ミクログロブリンの値が3.5mg/l以上である
ステージIII 血清β2-ミクログロブリンの値が5.5mg/l以上である
多発性骨髄腫の病期分類システム

多発性骨髄腫の悪化

多発性骨髄腫

血液のがんには、血液の三大悪性腫瘍と呼ばれる悪性リンパ腫、白血病、多発性骨髄腫がありますが、これらは自覚症状がないまま進行するという特徴を持っています。

多発性骨髄腫になると、骨髄の中にある形質細胞ががん化し、骨を破壊し、骨髄の中の正常な細胞を圧迫して機能を奪います。

これによって、骨の痛み、骨折が起こり、崩れた骨からカルシウムが流れ出すことで血液中のカルシウム濃度が上がって高カルシウム血症が生じます。

さらに、造血幹細胞を邪魔すれば貧血になりますし、多発性骨髄腫特有のMたんぱくの異常な増加が起これば免疫力が低下し、他の感染症を合併しやすくなります。

ここで注意するべきポイントとしては、骨がボロボロになって全身が弱り切っているという状況では、すでに多発性骨髄腫はずいぶん進んでいるということです。全身の調子が明らかに悪いという状態は、ステージ3に該当します。

自覚症状が少ないことを考えると、ちょっとした体の不調でも見逃さない姿勢が重要になることは間違いありません。

元気であることは誇らしいことですが、体の調子が良くなくても無理をすることはもはや美談でも何でもありません。重篤な症状を避けるためには体の調子が悪いと思った時に血液検査を受けるといったケアが必要不可欠なのです。

Durie & Salmon分類法に替わってISS分類が普及してきている理由

多発性骨髄腫のステージは、Durie & Salmon分類法が長い間採用されてきました。しかし、最近ではDurie & Salmon分類法に替わってISS分類(国際病期分類)が広く普及しています。これには、どんな背景があるのでしょうか?

従来のDurie & Salmon分類法に替わってISS分類(国際病期分類)によるステージ分類が普及してきている背景としては、Durie & Salmon分類法においては、いくつかの欠点があったためです。

1つの欠点は、ステージⅡとステージⅢとの間に予後の差がみられないことがあります。

つまり、各ステージと予後とがうまく相関していないという欠点がありました。また、骨病変の判定が客観的に行いにくいという欠点もありました。

それに対して、ISS分類においては、血液中の血清β2ミクログロブリンと血清アルブミンの値を調べるだけで、多発性骨髄腫の病気をステージⅠ~Ⅲにまで分けることができます。

そして、それぞれのステージにおける生存中央値は次のようになっています。

>
ステージ 生存中央値
ステージⅠ 62ヶ月(約5年)
ステージⅡ 44ヶ月(約3年半)
ステージⅢ 29ヶ月(約2年半)

参照元:多発性骨髄腫の国際病期分類システム(ISS)・原文:nternational staging system for multiple myeloma.

ISS分類における各ステージと予後とは相関しているので、最近ではこちらのISS分類が多発性骨髄炎のステージを判定する基準として広く使用されています。

多発性骨髄腫が悪化した時にみられる他の症状

多発性骨髄腫が悪化すると、高カルシウム血症などの合併症や貧血などの症状がみられるようになりますが、他にも次のような症状がみられることがあります。

腎不全

多発性骨髄腫を発症すると、腎臓機能に障害が起こることが少なくありません。骨髄腫細胞からは、M蛋白というタンパク質が出ています。

M蛋白は血液によって腎臓にまで運ばれ、そこで沈着するために腎機能が低下しています。また、M蛋白が尿細管に詰まってしまうことによっても、腎臓障害は引き起こされます。

心不全

多発性骨髄腫細胞から分泌される異常蛋白が、不溶性の繊維状蛋白アミロイドに変化して臓器に沈着すると、その機能に障害をもたらします。アミロイドが心臓に溜まると、心不全が引き起こされることがあります。

参考文献

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス | 多発性骨髄腫
  2. 国立がん研究センター がんの統計’15
  3. 慶應義塾大学病院 KOMPAS | 多発性骨髄腫
  4. 書籍 血液のがん 悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫 (健康ライブラリーイラスト版)
  5. 書籍 図解でわかる 白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫
  6. その他

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