がん(癌)の治癒・完治・寛解の意味の違い

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2016.12.25

後藤 宏顕

この記事の監修者

江戸川病院 腫瘍血液内科 医長 後藤 宏顕

退院

がんの症状が良くなった時の表現方法として、「治癒」「完治」「寛解」があります。

完治と治癒はほぼ同じ意味であり、もっとも望ましい状態ですが、がんの種類によっては寛解が最大限の治療結果ということもあります。

これらの表現は、がんの治療ならではの表現ですので、少し解説したいと思います。

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完治(治癒)は寛解の先にあるもの

「寛解」は、一般的に病状が落ち着いており、臨床的に問題がない程度にまで治ったことを意味します。

がんの種類によって定義が異なりますが、たとえば白血病などの「血液のがん」では、骨髄中のがん細胞が5パーセントを下回る、もしくは末梢血(血管を流れる普通の血液)にがん細胞が検出されなくなった際に「寛解した」と表現されます。

また、おもに抗がん剤治療における結果において、症状は改善されたが検査ではまだ一部に異常が残る場合は「部分寛解(PR)」、症状が消えて検査でも異常がなかった場合を「完全寛解(CR)」と呼ぶこともあります。

寛解では、まだ再発の可能性は否めない状態ですが、治療を終えてから5年間再発が見られなければ「完治・治癒」と表現されるのが一般的です。

もちろんその後に再発する可能性はゼロではありませんが、寛解の状態よりリスクが減ったといえます。

寛解が最高の場合もある

がんにおいて「完治」を断言するのは、なかなか難しいのが現状です。

手術でがん細胞をすべて摘出したとしても、実際はまだその芽がどこかに残っていることも少なからずあり得るため、安易に完治や治癒の表現を使うことはできません。

特に血液のがんや、リンパ節・遠隔臓器に転移しているがんでは、基本的に完治はないとされ、寛解が最高の状態となります。

いかにがんとうまく付き合い、QOL(生活の質)を保ちながら症状を緩和し続けられるかが、治療のポイントとなります。

がんが完治したと言われるのはどんな時?

がんの治療を行って、がんの症状や兆候が見られなくなった場合、「がんが寛解した」と言われます。

しかし、この場合は、「がんが完全に治癒した」と断言できる段階にはありません。もしかすると、隠れたがん細胞が残っている可能性がありますし、がんが再燃する可能性もあるからです。

がんの場合、治療を行ってから寛解状態になっても、5年間は再燃する可能性があるため、その間は「完治した」もしくは、「治癒した」と断言することはできません。

寛解の状態が5年続いて初めて、一応「完治した」もしくは「治癒した」という風にみなされます。

ただし、5年以上寛解の状態が続いたとしても、身体の中にがん細胞が全くない状態になったとは言い切ることができないのが実情です。

寛解から7年以上経って隠れていたがんが表に出てくるということもあります。また、治療した場所と違う場所で新たながんが見つかるということもあります。

ですから、がん治療に関しては、たとえ「完治した」と言われたとしても、100%安心ということはありません。10年後、15年後、もしくは20年後にがんが再発するという可能性がゼロではないからです。

それゆえ、がんを患った人にとっては、がんとの付き合いは長く続くと心得ることは大切です。

がんの再発予防のために

再発

がんは手術で完全に取り除いたつもりでも、目に見えない部分に残っていることがあります。その場合、7年後、10年後、もしくはそれ以降になってがんが再発する可能性があります。

がんの再発を予防するために、病院では術後の一定期間化学療法などを行うことがありますが、自分で再発予防のためにできることはあります。

WHO(世界保健機構)やIARC(国際がん研究機構)などの機関の発表によると、食べ物やある種の習慣ががん再発のリスクを上げたり、逆に下げたりすることがあるということです。

がんの種類によって、がんの再発のリスクや再発を予防する因子は異なりますが、喫煙や飲酒、肥満は多くのがんの再発リスクを上げることが分かっています。

逆に、がんの再発のリスクを下げるものとしては、運動があります。また、野菜や果物を食べるのもがん再発のリスクを下げることが分かっています。

がんが再発すると、治療を再開する必要が出てきますから、がん治療後も食生活や生活習慣に気を付けて、がんの再発予防に心がけるようにしましょう。

参考文献

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス | 血液・リンパ(白血病)
  2. 書籍 血液のがん 悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫 (健康ライブラリーイラスト版)
  3. 書籍 図解でわかる 白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫
  4. その他

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