がん予防その2:放射線被曝を避ける

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2017.1.1

遺伝子

がんの一因に「放射線の被ばく」があります。放射線は発がん性物質と同じく、細胞のDNAを傷つけ、がんのきっかけを作るためです。

とはいえ、日常生活の中でそれほど大きな被ばくを受けることは、ほとんどありません。

一般的に、体に害を及ぼす放射線の量は「1年間に100ミリシーベルト」が一つの目安とされていますが、戦時中の原爆の投下や、2011年の原発事故のような突発的な事態が起こらない限り、通常は年間100ミリシーベルトを超えるような被ばくをすることは、まずないでしょう。

ただし、「不必要な被ばくはなるべく避ける」という意識を持つことは大切です。がんを予防する上で知っておくべき、放射線の知識ついてご説明します。

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そもそも、放射線はどうしてがんを引き起こすの?

放射線は、高エネルギーかつ波長が短い電磁波です。X線やγ線、α線、β線、陽子線などがよく知られています。

放射線はエネルギーが高いため、同じ電磁波でも紫外線などと異なり、体の中を通り抜ける性質を持ちます。放射線の使われているX線検査やCT検査で体の輪切り画像が得られるのも、放射線が体を透過するからです。

体に照射された放射線は、細胞の中をでたらめに走り回り、その結果、細胞核の中にあるDNAを傷つけることがあります。

もちろん低線量であればそれほど大きなダメージにはなりませんし、きちんと体の修復システムが働いてくれますが、高線量を頻繁に浴びれば浴びるほど修復が間に合わなくなり、がん化するリスクが高まるのです。

普通に生活している限りではそこまで大きな心配は要りませんが、「必要のない被ばくはできるだけ避ける」ようにすることは大切です。

飛行機での放射線被ばくは気にしたほうがいい?

放射線をいつもより多く浴びる機会としては、たとえば飛行機に乗っている時があります。

宇宙には「宇宙線」という強い放射線が飛び交っており、それは地球にも飛来しています。

もっとも、地上ではおよそ0.001ミリシーベルトと、気にするほどではない線量ですが、高度が上がるほど多くなり、飛行機が飛ぶ高度では実に平地の百倍ほどにもなります。

たとえば日本から欧米まで飛行機で行くと、往復で約0.2ミリシーベルトの被ばくを受けるのです。

とはいえ、健康に影響が出るリスクがあるとされるのは年間100ミリシーベルトですから、時々飛行機に乗る程度の人はもちろん、海外出張の多いビジネスマンでも気にしすぎる必要はありません。

たとえば飛行機のパイロットや客室乗務員などは、もっとたくさんの放射線を浴びていますし、宇宙飛行士にいたっては宇宙線の影響をまともに受けているはずです。

しかし、そういった職業の人にがんが多発したという報告は今のところありませんので、それ以外の人はなおさら気にする必要はないでしょう。

検査で受ける医療被ばくは、どの程度気にするべき?

レントゲン

次に、私たちが普段より放射線を浴びる機会としては、X線を使った検査があります。これが一番、多くの人にとって気になる問題かもしれません。

病院では、X線を使ったレントゲンやCT検査などが広く行なわれており、人々の健康維持に役立てられています。

もちろん体に害の出る線量ではありませんが、日常生活の中で受ける被ばく量としては、一番大きいのも事実です。

一度の検査で受ける放射線量は、以下のようになっています。

検査で受ける放射線量

このように見ますと、X線を使った検査を年に何度か受ける程度であれば、健康に害が出るようなレベルにはならないことが分かると思います。

もっとも放射線量の多いのは肺CT検査ですが、最近では検査機器の性能が上がっているため、多くの医療機関では低線量のものが導入されています。

いたずらに被ばくを恐れるあまり、健康維持に必要な検査を受けないのは本末転倒です。自分にとって必要な検査であれば、しっかりと受けるようにしましょう。

逆に、「必要のない検査を何度も受ける」ことはおすすめできません。たとえば病院をコロコロと変えて、同じ検査を頻繁に受けるような場合です。

やむを得ず転院する場合は、別途費用はかかりますが、前の医療機関から検査データをもらうこともできます。

余分な被ばくを受けないためにも、ぜひお願いするようにしましょう(ただし前回の検査から間が空いている場合は、別です)。

また、低線量といえども妊婦さんの場合は、胎児への影響を考える必要がありますので、必ず医師に妊娠していることを伝えるようにしてください。

これは、歯科でのレントゲン撮影でも同じです。そのような場合は、体を放射線からしっかりと守ってくれる、頑丈なプロテクターを装着してもらえます。

がんの放射線療法は本当に安全?

医療被ばくには、もう一つ「放射線を使った治療」も含まれます。こちらのほうが、検査よりも被ばく量は多めです。

代表的なのは、がん治療で行なわれる放射線療法で、この場合は放射線によってがん細胞にダメージを与えますから、検査とは異なり相当の放射線量になります。

そのため、きわめてまれではありますが、放射線による二次がんが発生するケースもゼロではありません。

しかし放射線療法は、そのような健康被害が出ないように、患者さん一人ひとりに合わせてしっかりとスケジュールが管理されます。

リスクを最小限にするよう、期間を空けた「分割照射」が行われることが一般的ですし、いったん限界量まで治療を行なったら、その後は同じ部位に二度と放射線治療を行なうことはできません。

検査にしろ治療にしろ、医療に使われる放射線は「メリットとデメリットを天秤にかけ、メリットのほうが大きい」と判断された場合にのみ行なわれます。むやみに不安がらず、必要ならば前向きに受けることが大切です。

放射線を気にしすぎるより、禁煙したほうが確実!?

このように、私たちが日常の中で受ける被ばくはいくつかありますが、突発的な事故が起こらない限り、いずれも気にしすぎるレベルではないといえます。

それよりも、「がんの原因の3割を占める」とされる喫煙のほうが、よほどがんリスクを高めるはずです。

たばこでがんが発生する流れ

ですから、たとえばタバコを1日に何十本も吸う人が、肺CT検査の被ばくを恐れるのはナンセンスといえるでしょう。必要な検査はしっかりと受けて、健康維持に役立てることが大切です。

もちろん、がんリスクを減らすためにも禁煙するに越したことはありません。

参考文献

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス | がん予防
  2. 書籍 がんの予防―科学的根拠にもとづいて (国立がん研究センターのがんの本)
  3. 国立がん研究センター 社会と健康研究センター がん予防法の提示 2016年8月31日改訂版 | 科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究
  4. その他

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