がん予防その4:がんを引き起こすウイルスや細菌を除去または予防する

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2017.1.1

がん発生ウイルス

がんの原因としては、遺伝や生活習慣などがありますが、一部のがんはウイルスや細菌が原因になります。

たとえば肝臓がん胃がん子宮頸がんなどが代表的です。

これらのがんは、特定のウイルスや細菌への感染が主な原因になりますから、逆にいえば「感染を予防、もしくは早期発見して治療」することで、がん化を防げる可能性があります。

つまり私たちの工夫しだいで、命を落とす人を大きく減らせる可能性が高いということです。

感染を予防するにはどうしたらいいのか、もし感染していた場合はどのような治療法があるのかについてご紹介していきましょう。

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ウイルスや細菌が原因になるのは、どんながん?

ウイルスや細菌が原因となるがんは、以下の通りです。

ウイルスや細菌が原因となるがんの種類
がんの種類 病原体
肝臓がん HBV(B型肝炎ウイルス)
HCV(C型肝炎ウイルス)
子宮頸がん HPV(ヒトパピローマウイルス)
胃がん ヘリコバクター・ピロリ菌

上記のがんは、病原体への感染が原因であることが明確に分かっています。胃がんだけは、ピロリ菌が直接がん化に関わっているわけではないのですが、がんになりやすい環境を作っていることは明らかです。

もちろん上記の病原体に感染している人すべてが、必ずがんになるわけではありません。むしろ、ごく一部の人といっていいでしょう。

しかしリスクがある以上、感染を予防するとともに、すでに感染の可能性がある人は検査を受けることが重要です。

遺伝や生活習慣によるがんと異なり、自らの注意しだいで防げる可能性が大きいがんですから、ぜひ正しい知識を持って予防していきましょう。

肝炎ウイルスの予防法と治療法

肝臓がんの原因となるのは、肝炎ウイルスです。さまざまな型がありますが、日本人の場合は肝臓がんになった人のおよそ60%がC型肝炎、15%がB型肝炎に感染していることが分かっています。

まれに、肝炎ウイルスに感染していない人が、アルコール性の肝硬変から肝臓がんに至るケースもあるのですが、全体から見るとごく一部です。

「肝臓がんになる人はみんなお酒を飲んでいるからだ」という考えは誤りですので、ぜひ肝炎ウイルスへの理解を深めましょう。

HCV(C型肝炎ウイルス)

日本人の肝臓がんの原因として、もっとも多いのがC型肝炎ウイルスです。母子感染や性行為による感染は少なく、感染経路は主に輸血や、注射針の使いまわしなど、血液を介したものになります。

HCVは1989年に発見されたため、1990年以降の輸血ではチェックが行われるようになりましたが、それ以前に輸血を受けた人は感染の可能性がゼロではないため、ぜひ一度検査を受けましょう。

また、まれに輸血経験がないにもかかわらずHCVのキャリアになっている人もいますので、昔に集団予防接種を受けていた世代の人は、念のために検査を受けておくと安心です。

C型肝炎ウイルスは、B型に比べると非常に変化しやすく、有効なワクチンはまだありません。ですから感染を予防するためには、他人の血液に触れる機会をなくすことが一番です。

もっとも今の日本であれば、覚せい剤や入れ墨などで針の使いまわしをしない限り、感染の機会はごく少ないといえるでしょう。

検査で感染が確認された場合は、インターフェロンの注射や、内服薬などによる抗ウイルス療法が行なわれます。

すべての人がウイルスを駆除できるわけではないのですが、最近は薬の進歩によってかなり治療効果が上がっており、肝臓がんへの進行を未然に防げるケースが増えています。

HBV(B型肝炎ウイルス)

B型肝炎ウイルスは、C型肝炎ウイルスと異なり、垂直感染(母子感染)します。また性行為や輸血、注射針の使いまわし、臓器移植などによる水平感染もあります。

ただし、現在では妊婦さんに対するHBV検査が必ず行なわれていますし、C型と違ってワクチンもありますので、キャリアの母親から生まれた赤ちゃんには、生後すぐにワクチンが投与されるようになりました。

ですから最近は、母子感染によるHBVのキャリアは激減しています。

特に問題なのは、昭和時代に集団予防接種で、注射針を使いまわしされていた世代の人々です。このような集団予防接種が原因でHBVキャリアになった人は、現在裁判で国と争っています。

いずれにせよ、中高年層にキャリアが多いのですが、最近では若い世代を中心に性行為による感染が増えているといわれます。避妊具を付けるなどの対策が重要です。

またHBVには、任意ではありますがワクチンがあるため、赤ちゃんのうちに接種することで事前に感染を予防することができます。

すでに感染している場合の治療は、C型肝炎と同様、注射や内服薬による抗ウイルス療法が中心です。

HPVの予防法と治療法

若い女性に急増している子宮頸がんは、HPV(ヒトパピローマウイルス)への感染が原因です。

HPVは「乳頭腫」と呼ばれるイボを形成するウイルスで、さまざまな型がありますが、子宮頚がんは特に16型と18型が原因になるケースが多くみられます。

子宮頚部へのHPV感染は、主に性交渉が原因です。ですから性交渉の経験のある女性であれば、誰でも子宮頸がんになる可能性があります。

感染を予防するためには、避妊具の装着も効果的ですが、近年ワクチンも開発されました。

「サーバリックス」と「ガーダシル」というワクチンで、まだ性交渉の経験がない若い女性が接種することで、HPVへの感染を防ぐことが可能です。

ただしこれらのワクチンが予防するのは、HPVの中でも16型と18型を含む一部の型だけですので、すべての型の感染を防げるわけではありません。

また日本では、接種が開始されてから副作用の問題がクローズアップされましたので、受けるかどうかは各家庭でよく話し合って決めるようにしましょう。

既にHPVに感染している場合も、悲観することはありません。年に1度の子宮頸がん検診を受けることで、がん化する前の異形細胞の時点で見つけることができます。

きちんと検診を受けている限り、命を落とすような事態にはなりませんので、1度でも性交渉を持った女性は必ず検診を受けるようにしてください。

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ピロリ菌の予防法と治療法

ピロリ菌

胃がんの発生と深く関わっている細菌が、ヘリコバクター・ピロリ菌です。らせん型の細菌で、自ら胃酸を中和させる酵素を出しながら、人間や動物の胃に住み着きます。

ピロリ菌は、飲用水もしくは親から子への口移しなどが主な感染経路と考えられています。

衛生環境の良くなった今の日本では、普通に生活している限り新たに感染することはほとんどありませんが、昔、井戸水や川の水を飲んでいた世代の人や、海外で生水を飲むことのある人は感染のリスクがあります。

一度も検査を受けたことのない人は、ぜひ一生に一度は検査を受けるようにしてください。

日本では特に、胃がん患者さんのほぼ100%近くがピロリ菌保菌者となっています。つまり、ピロリ菌が胃にいないのに、胃がんになる人はごくまれだということです。

ピロリ菌は直接、胃がんを発生させるわけではありませんが、胃壁にダメージを与えて薄くしてしまうことで、発がん性物質にさらされやすい環境を作ると考えられています。

もしも感染が確認されれば、抗生物質による除菌治療を受けることが可能です。2種類の抗生物質と、胃酸の分泌を抑える薬の計3種類を、1日2回、7日間にわたって服用するだけで済みます。

除菌成功率は高く、1度の治療で約75%、除菌できなかった場合も2度の治療を受ければ約90%の確率で成功できます。

もしもすべての人がピロリ菌検査と除菌治療を受ければ、胃がんは日本からもっともっとなくせるはずです。特に50代以上の人は、ぜひ一度検査を受けに行きましょう。

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参考文献

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス | がん予防
  2. 書籍 がんの予防―科学的根拠にもとづいて (国立がん研究センターのがんの本)
  3. 国立がん研究センター 社会と健康研究センター がん予防法の提示 2016年8月31日改訂版 | 科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究
  4. その他

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