肺がん手術後の合併症とリハビリ

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2017.3.30

舟橋 均

この記事の執筆者

工学博士 舟橋 均

肺がん手術に限らず外科手術によって体に傷が入ると、手術後の合併症が起こることが無いかどうかという様子を見るために入院することになります。

肺がん手術も同じように手術による傷口、開胸したことによる術後の痛みのケアはもちろんのこと、肺がん手術特有の合併症についてもケアする必要があります。

特に、手術後の一週間程度は、肺がん手術特有の合併症が起こるリスクが高くなりますので、手術後の経過を退院するまでしっかり観察する必要があります。

肺がん手術後の経過とリハビリ

経過日数 経過とリハビリ
1日目の午前 ベッドに寝た状態から半身を起こす。
ベッドサイドで座ったり立ったりする練習をする。
1日目の午後 病室内や廊下を歩く訓練を行う。
2日目 ドレーンなどの術後ケアの器具を外す。
この時点で、廊下を自由に歩くことが出来ます。
3日目 病室を出て、病院内を歩くことが出来る。
入浴はできませんが、手術した場所を避けてシャワーを浴びることが出来ます。

(参照元:「国立がん研究サンタ―のがんの本 肺がん 治療・検査・療養」の「手術後の経過と退院まで」を参考に作成)

肺がんを手術で切除する外科治療では通常は開胸手術が選択され、肺がんが発症している肺葉を切除するあるいは原発巣のある側の肺を全て切除することになります。

可能な限り胸筋や肋骨を切ることなくがんを発症している肺葉を切除しますが、ゼロというわけではありませんので傷が癒えるまでは痛みを伴うことになります。

痛みが酷い時には痛み止めが必要かもしれませんが、咳き込むときにオーバーアクションを避けるなどの傷口への負担を和らげながら傷口が塞がるのを待てば大丈夫です。

また、肺がん手術では胸腔内を侵襲する手術になりますので、胸腔内の空気や血液を抜くために2日目まではドレーンが挿入されています。

ドレーンを抜いた後の傷は1、2㎝程度の小さいものですので痛みも僅かであり、直ぐに病室の中を移動することぐらいはできるようになります。

呼吸機能の低下をフォローする訓練

肺葉を切除した場合には肺のボリュームそのものが減ってしまいますので、減った容量の分だけ呼吸する能力が低下してしまいます。

動けるようになっていつものように動いていると、動悸が激しくり階段の上り下りで息切れしてしまうこともあります。

手術後しばらくは大変かもしれませんが、普通に生活をしているうちに無理な動きが無くなり、自分の現在の肺のキャパシティーが分かってくると解消されます。

ちなみに、肺葉を切除したことによって胸部にできた空洞は、残った肺葉が膨らんだり横隔膜がせりあがったりすることにより外観的にはほとんど分からなくなります。

肺がん手術特有の注意すべき合併症

手術後の傷が塞がるまでの痛みや呼吸機能の低下は日にち薬ですので、時間が経過すれば気にならなくなります。

しかしながら、肺や気管支は常に呼気と吸気が通過する臓器ですので、呼吸に伴う合併症のリスクが存在します。

もちろん、肺がんの手術を行った後は発がん物質を吸い込むことが無いように禁煙する必要はありますが、肺がん手術後の合併症のリスクは喫煙歴の長い高齢のヘビースモーカーの方が高くなります。

肺炎

手術後に傷口の炎症反応が起こり発熱することは通常でも起こりますが、発熱が長く続くときには肺炎を発症していることが懸念されます。

喫煙歴の長い人は痰が溜まりやすくなっており、痰の排出が滞ることによって細菌感染による肺炎が起こりやすくなります。

リハビリを怠り寝てばかりいると痰の排出が活発に行われませんので、日中はできるだけ半身を起こすか動くことによって痰を吐き出す工夫が必要です。

気管支瘻と肺瘻

気管支を手術して縫合した場所から空気が漏れて起こるのが、気管支瘻と呼ばれる合併症です。

原因は縫合不全ということですが、必ずしも医療ミスというわけではなく不測の事態で起こることもあります。

発熱や黄色い痰が出るようになるのが主な症状ですが、放置すると胸水が増加して他の合併症の原因になることがあります。

また、喫煙習慣によって肺が脆くなっているケースでは、肺葉を切除して縫合したところから空気が漏れてしまう肺瘻を引き起こすこともあります。

膿胸

普通の状態では胸腔内部は無菌状態ですので胸腔内に感染症による膿が溜まることはありませんが、気管支瘻を放置することによって気管支表面で起こっている細菌感染症が胸腔内まで広がってくることがあります。

肺塞栓、心筋梗塞、脳梗塞

肺動脈に血液が固まってできた血栓が詰まって血液が通過できなくなることで起こる急激な呼吸困難が、肺塞栓と呼ばれる合併症です。

同様に、血栓の詰まる場所によっては心筋梗塞や脳梗塞を発症することもないとは言えません。

手術後に寝てばかりで動こうとしないことによって血流が悪化することによって血栓ができやすくなりますので、可能な限り動く努力をする必要があるというわけです。

参考文献

  1. がん情報サービス | 肺がん
  2. 国立がん研究センターのがんの本「肺がん」
  3. 公益財団法人 日本医療機能評価機構 Minds | 患者さんのためのガイドブック よくわかる肺がんQ&A
  4. その他

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