胸部CT検査と胸部X線の違いと特徴

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2017.3.30

舟橋 均

この記事の執筆者

工学博士 舟橋 均

肺がん検診で行われる胸部X線検査で陽性あるいは偽陽性と判断されたときには、要精密検査ということになり、次のステップに移ることになります。

次のステップでは、胸部X線検査よりも高感度で肺がんを検出できる胸部CT検査を受けます。

胸部X線検査は、肺がんが疑われる人をピックアップするためのスクリーニング検査のようなものです。

一回の検査にかかる費用が安く、手軽にできることから集団検診でも利用可能であるというメリットがあります。

しかしながら、検出確率が低いというデメリットもあり、もう少し検出精度の高い胸部CT検査というステップワイズの手順を踏むことになります。

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胸部CT検査と胸部X線の検出感度の違い

胸部X線検査において肺がんではないかと思われる影が映っているからといって、必ずしも肺がんというわけではありません。
逆に、肺がん陰性であるからといって、安心できるというわけでもありません。

しかし、少なくとも陽性あるいは偽陽性と判断されるときには、肺がんである可能性があるという程度であると考えても良いくらいです。

胸部CT検査の「CT」というのはConputed Tomography(コンピューター断層撮影)の頭文字を取った略称です。その名の通り、胸部を輪切りにしたX線写真をコンピューターによって連続的に撮影する方法です。

縦方向の断層写真ですので、胸部X線撮影と写される角度が異なり疑わしい局所を詳細に観察することが出来ます。

また、最近のCT検査では特殊な造影剤の使用によって、悪性腫瘍であるのかどうかという詳細な情報を得ることが出来る場合もあります。

胸部X線検査のメリットとデメリット

胸部X線は、3次元である胸部にX線を透過させて二次元に置き換えて内部を観察する方法です。X線による被ばく量も少なくて済みますし、一枚のX線写真で肺の全貌を観察することが出来ます。

一方、がん組織は周りの健全な肺よりも少しだけ白が濃くなるように見えますが、骨や心臓といった他の白く映る障害物の存在によって判断が難しくなるケースがあります。

また、がん組織の大きさも大きく影響します。がん組織が小さければ小さいほどX線の透過量は増加し、撮影された画像の白い度合いも低下してしまいます。骨や心臓などの障害物の陰に隠れてしまうこともあります。

胸部CT検査に死角無し!?

X線源と検出器が対角にあるガントリーと呼ばれる機械が体の周りを回転しながらX線を照射し、障害物の吸収によって減衰したX線を検出器が受け取る方法です。

1回転する間に得られる全方位の情報をもとに、コンピューターによって画像を構築することになります。

心臓や骨、血管といった障害物によって疑わしい場所が見え辛いということもありませんので、肺がんの検出感度もアップします。一度の撮影で同じ場所に何度もX線が照射されます。

時間もかかりますし被ばく量も増加しますが、X線被ばくによる健康被害はほとんどないと言われています。

胸部CT検査での検出感度は?

がん組織を胸部X線検査で確認する場合、小さければ小さいほど透過するX線量が増加し、影が薄くなります。

しかも、心臓や骨や血管といった障害物もたくさんあり、小さな腫瘍はそれらの陰に隠れてしまう可能性もあります。

それに対し、胸部CT検査では病期Ⅰの肺がんの発見率は60%から80%となっており、胸部X線検査の2倍の感度があるということです。

2㎝以下の小さいがんも見つけることが出来ますので、胸部X線検査では79%が検出不可能であるということを考えるとおよそ5倍の検出感度があることになります。

(参照元:第2回石綿に関する健康管理等専門家会議 「胸部レントゲンを含む検診のメリット、デメリットについて」

最新CTスキャンのマルチスライスCTとは?

胸部CT撮影が世の中に出た当初は、一枚の画像を撮影する度に少しずつ患者のポジションをずらしていくという作業を繰り返す方法が用いられていました。

線源と検出器を備えたガントリーというリング状の機械が1回転している間は患者が横になっている寝台が停止し、撮影が終了してから少しずつ動かすということになります。

それに対し、現在市販されているCTスキャンは、止まることなく回転するガントリーの間を人も一定速度で通過するヘリカルスキャンという方法がとられるようになりました。

患者の目線で見るとX線を放射する線源がらせん状に動いているように見えることからスパイラルスキャンとも呼ばれる方法で、撮影時間が極端に短縮されることになりました。

また、X線を検出するシステムも進化しており、発明された当初は線源も検出器も一対でしたが、現在は検出器の数を複数にする多列検出器CTシステムが採用されています。

日本のメーカーではマルチスライスCT(MSCT)と呼びますが、海外のメーカーではmultidetctor-raw CTを略してMDCTと呼んでいます。

検出器を複数にし線源から放出されるX線を広角に照射するという方法で、一度の回転により複数の画像が撮影可能となります。

マルチスライスCTでは撮影時間がさらに短縮されることは言うまでもなく、入手できる画像情報が増加し、より詳細な画像解析が可能となります。

マルチスライスCTの登場以来、従来法の30倍にも届く高速化が可能になり、その分被ばく線量も60%程度まで低減されることになります。

参考文献

  1. がん情報サービス | 肺がん
  2. 国立がん研究センターのがんの本「肺がん」
  3. 公益財団法人 日本医療機能評価機構 Minds | 患者さんのためのガイドブック よくわかる肺がんQ&A
  4. その他

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