肺がんの化学療法(抗がん剤治療)の効果と副作用

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2017.3.30

舟橋 均

この記事の執筆者

工学博士 舟橋 均

化学療法というのは、いわゆる、抗がん剤を利用してがん細胞の増殖を抑える治療方法です。

肺がんが縦隔リンパ節への転移が認められる状態、原発巣と反対側の肺も含む別の臓器への転移が確認されているような状態、あるいは、肺がんが大きくなり付近の器官に浸潤しつつあるなど外科治療や放射線治療といった局所的な治療で対応できないほど進行したステージにある肺がんの治療に使用されます。

また、検査で発見されないような小さながん細胞にも有効ですので、局所療法でがんを除去した後の再発防止にも利用されます。

がん細胞の異常増殖を抑えるというのが化学療法の目的ですので、もともと増殖が活発な細胞の増殖も抑えされることになり、そのことが副作用となって患者の体に現れてきます。

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抗がん剤のがんを抑えるメカニズム

注射や経口投与によって体内に送り込まれた抗がん剤は、血液の流れに乗って全身に供給されます。

原発巣のがん細胞はもちろんのこと、がんが成長して近隣の臓器に浸潤しているがんや他の臓器に転移したがん細胞にも作用することができます。

抗がん剤ががん細胞の異常増殖を抑える!

細胞は損傷したり古くなったりした細胞を補填するために増殖しますが、体の中には不必要な増殖が起こらないように制御するメカニズムも存在しています。

遺伝子の変異によって増殖にストップをかける制御機構が外れて増殖したり、細胞増殖を促す生体物質を異常に分泌したりすることで、とどまることなく増殖して周りの細胞を巻き込みながら腫瘍化していくのががんと呼ばれる現象です。

従って、抗がん剤の働きはアブノーマルな増殖をするがん細胞の分裂を阻害することにあり、遺伝子の合成を阻害したり傷つけたりすることで、がん遺伝子の発現抑制やがん細胞に栄養を届けるのを妨害することによって代謝を抑制するなどが抗がん剤のがんを抑えるメカニズムです。

抗がん剤によるがんの治療

がん細胞の増殖が暴走する原因は様々ですので、抗がん剤を使用する際には二種類の抗がん剤を併用する二剤併用療法というのが一般的です。

抗がん剤に感受性の高い小細胞がんでは、限局型ではシスプラチンエトポシドの2剤を使った化学療法、進展型ではシスプラチンとイリノテカン、あるいはエトポシドの2剤を使った化学療法が標準的な治療です。

転移や浸潤によって外科手術が出来ないような非小細胞がんでは、シスプラチン、あるいは、カルボプラチンと別の抗がん剤を組み合わせて利用するケースが中心となります。

化学療法によるがんの縮小化と再発防止

抗がん剤によってがん細胞の増殖が抑えられると、がんの成長が停止すると共に体の中にある免疫システムによるがん細胞への攻撃が優勢になり、がんが小さくなるという効果も期待できます。

がんが小さくなると手術で摘出不可能と考えられた外科手術が可能になるケースもありますが、標準治療としては確立されていないというのが現状です。

一方、抗がん剤は局所療法によって除去しきれなかったがん細胞や別の場所に移動したがん細胞にも作用しますので、術後補助化学療法と言って再発を防止する効果も期待できます。

術後補助化学療法は5年生存率が数%アップするというデータもあり、局所治療の再発防止を目的とした治療として推奨されています。

抗がん剤の副作用

がん細胞の活発な増殖を抑えるための抗がん剤ですが、活発な増殖をする細胞であれば正常な細胞でもその増殖を阻害することも出来ます。

正常な状態でも細胞の分裂が活発に行われる細胞としては、骨髄細胞、粘膜細胞、あるいは、毛髪細胞などが挙げられます。

これらの正常な細胞の増殖が抑制されることにより、体にトラブルが起こるというのが抗がん剤の副作用と呼ばれる現象です。

骨髄細胞由来の副作用の症状

血液の機能に関わる重要な働きをする赤血球、白血球、血小板といった細胞は、必要に応じて骨髄細胞の分裂によって造り出されています。

骨髄細胞の増殖が抑制されると、赤血球、白血球や血小板の数が減少するために、酸素不足からくる貧血や、染症に対する抵抗力の低下、あるいは血液が固まりにくくなるために起こる皮下出血などの症状が発症します。

酷い場合には、肝臓、腎臓、心臓の機能障害を起こすこともあります。

粘膜細胞由来の副作用の症状

粘膜細胞は、化器や気管支などの内壁表面で各器官を保護すると共に外敵の侵入を防ぐ働きがあります。

特に、消化器や口腔内の粘膜上皮細胞の分裂が抑えられると、胃腸障害による吐き気や嘔吐あるいは極度の食欲不振が起こり、それに伴う下痢や便秘、あるいは、口内炎の発症が観られることも有ります。

毛髪細胞由来の副作用の症状

抗がん剤の副作用として最も有名な症状と言っても過言ではない、抜け毛という副作用です。

毛髪は、穴の奥にある毛乳頭周辺にある毛母細胞が分裂した後に角化しながら先に形成された毛髪につながることによって伸長しています。

抗がん作用の働きによって新たな毛母細胞が産み出されなくなることで毛髪の伸長が止まり、更新されないまま一定期間が過ぎると毛髪が抜け落ちてしまいます。

新たな毛髪が産み出されることもありませんので、毛髪が無くなってしまいます。

参考文献

  1. がん情報サービス | 肺がん
  2. 国立がん研究センターのがんの本「肺がん」
  3. 公益財団法人 日本医療機能評価機構 Minds | 患者さんのためのガイドブック よくわかる肺がんQ&A
  4. その他

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