肺がんと確定するために行われる検査(確定診断)

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2017.3.30

舟橋 均

この記事の執筆者

工学博士 舟橋 均

肺がん検診による胸部X線検査でがんが疑われ、精密検査を行うために胸部CT検査を実行します。

この時点でがんが発見される確率は、60%から80%です。

逆に言えば、胸部CT検査を行っても20%から40%は確定することが出来ない、すなわち、疑わしい状態にあるということになります。

そこで、肺がんが発症していることを確定するためには、疑わしい場所から組織あるいは細胞を採取し直接観察する生検と呼ばれる病理学的な方法で判断されることになります。

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肺がんの確定診断で行われる生検とは?

生検とは、肺がんが疑われる場所から採取された細胞の異型性を顕微鏡で観察して判断する方法です。

細胞に色を付ける染色という方法を用いて、がん細胞特有の大型化した細胞核や細胞の大小が不揃いになっているかどうかで診断します。

肺がん検診で行われる喀痰検査も痰の中に含まれている細胞を染色して剥離してきた細胞ががん細胞であるのかどうかを判断する細胞診と呼ばれる検査です。

一つ一つの細胞を観察して判断する細胞診と比べると、生検では個々の細胞の形状はもちろん周りの細胞との比較や広がり具合(浸潤性)など得られる情報が多く、より正確な診断が可能です。

生検や細胞診は誰がどのように判断するのでしょうか?

生検や細胞診検査における細胞の観察は、細胞検査技師と呼ばれる国家資格を持った臨床検査技師が行います。

得られた検査結果に基づいて臨床医が判断しますが、細胞診や病理の専門医が判断する病院もあります。

判定は陽性、偽陽性、陰性の三種類で行われ、顕微鏡観察する標本に細胞が存在しない状態では判定不能ということにあります。

ちなみに、肺がんの確定診断で行われる生検では細胞を採取していますので、喀痰検査と異なり判定不能ということはありません。

陽性と偽陽性はどこが違うのでしょうか?

肺がん細胞の染色では細胞核が青藍色に細胞質は赤褐色に染色されるので核が観察しやすく、細胞核の肥大化や細胞の形状や大きさが分かりやすくなります。

染色することによりがん細胞に良く観られる異型性、すなわち、正常な細胞と形が異なっている細胞が観察しやすくなり、異型細胞が確認されることで陽性あるいは偽陽性と判断されます。

さらに、異型細胞が複数固まって存在したり正常細胞への浸潤性が確認されたりすることにより陽性と診断され、それ以外は偽陽性と診断されます。

がん細胞の採取方法

X線やCTの画像によって肺がんと疑われる場所はある程度判明している状態ですので、患部の細胞を採取できれば生検によってがんであるか否かを判定することが出来ます。

患部の場所によって細胞や組織を採取する方法は異なっており、気管支に挿入する内視鏡が届く範囲までは気管支内視鏡を用いて採取し、届かないところは経皮穿刺吸引法といった針生検によって採取されます。

医師の状況判断によりますが、高確率でがんである場合やがんが他に転移していないと判断される場合には、手術によって開胸して検査を行いながらがんを除去することもあります。

細胞や組織を採ると言われると不安に感じる人もいるかもしれませんが、どの方法でも採取する際には麻酔が施されますので心配することはありません。

また、気管支鏡を使う場合には誤嚥した時に起こる喉の反射的な筋肉の動きを抑える薬が利用されますので、ごはん粒が気管に入ってしまった時に起こる苦しさもありません。

何よりも、普通は熟練した医師が施術しますので、心配するようなことは何もありません。

経気管支肺生検(気管支鏡検査)

肺は空気中の酸素を体に取り込み不要になった二酸化炭素を排出する臓器です。

呼気と吸気が通るのは気管支であり、気管支は分岐を繰り返しながら細気管支、呼吸細気管支と細くなりながら肺全体に広がっています。

空気中にある発がん物質に最初に曝されるのが気管支であり、がんが発生しやすい場所です。

気管支鏡という直径にして5㎜前後の内視鏡を口から挿入し気管支に沿って先端部を移動させることで、気管支に発生した腫瘍を直接画像で確認することが出来ます。

そして、気管支鏡の先端が患部に到達すると、先端部に付設されているブラシ、針、鉗子などの道具を体外から操作して細胞や組織を採取することが出来ます。

経皮穿刺吸引肺生検(針生検)

肺野部のように気管支が細くなっている場所には、気管支鏡の先端が到達できません。

このような場合には、皮膚の外側から肋骨と肋骨の隙間に太さ1㎜程度の針を刺して患部の細胞を吸引して採取する針生検と呼ばれる方法がとられます。

最近は、細胞採取の確度を高めるためにCTを利用して穿刺するCTガイド下肺針生検によって採取する施設も増えてきています。

検査後は安静にしている必要がありますが、時間にして15分程度で目的とする細胞や組織が採取されます。

また、がんが胸膜に到達している可能性がある場合には針生検により胸膜を採取しますし、胸水が溜まっているような状態の場合には胸水を吸引して胸水の中の細胞を確認する細胞診を行います。

参考文献

  1. がん情報サービス | 肺がん
  2. 国立がん研究センターのがんの本「肺がん」
  3. 公益財団法人 日本医療機能評価機構 Minds | 患者さんのためのガイドブック よくわかる肺がんQ&A
  4. その他

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