風邪と似ている?肺がんが疑われる自覚症状

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2017.3.30

舟橋 均

この記事の執筆者

工学博士 舟橋 均

肺がんは早期の自覚症状がほとんどなく、初期段階の発見が難しいがんの一つです。

肺は気管支、細気管支、肺胞で構成されている比較的大きな臓器です。

肺胞や気管支に小さながん組織が発生する初期段階では、肺の機能が脅かされることはありません。

自覚症状はがん細胞を攻撃する免疫細胞の働きによって起こる炎症反応由来の症状が主なものとなります。

従って、肺がんの自覚症状というのは、咳、炎症、さらには、炎症に伴う発熱といった風邪を引いたときに起こる咽頭や扁桃腺の炎症と類似した症状になります。

ただし、自覚症状が現れるときには肺がんはかなり進行しているために、治癒しにくい死亡率の高いがんということになります。

肺がんのしくみと発生部位

肺門にできるがんの自覚症状は風邪の症状!?

左右に分岐する気管分岐部を含む肺門にできる肺がんは、小細胞がんや扁平上皮がんと呼ばれる種類の肺がんです。 他の肺がんに比べると、比較的早期に自覚症状が現れます。

肺門にできるがんの自覚症状というのは、なかなか治らない咳や胸痛です。さらに進行すると、がんの影響で気道が狭くなり、呼吸し辛くなることもあります。

喘鳴といって、呼吸をするたびに笛を吹いているようなゼーゼー、ヒューヒューという音がすることもあります。

他にも、腫瘍の崩壊に伴う出血によって痰に血が混じったり、声帯をコントロールしている神経の麻痺によって声がかすれたりするような症状もあります。

気管支が腫れて食道を圧迫するため、食べ物や飲み物が喉を通りにくいという症状が出ることもあります。

風邪や気管支炎の症状に似ている肺がんの自覚症状

先に示した肺門にできるがんの自覚症状は、インフルエンザや百日咳などの感染症で起こる気管支炎でも起こる症状です。

また、咳、発熱や喉の痛みというのは、普通の風邪でも起こります。

症状が似ているので「風邪でも引いたのかな?」と思ってしまって、肺がんの発見が遅れるのが早期治療を難しくしている原因の一つです。

それぞれの大きな違いは、症状が出ている時間にあります。

感染症に伴う症状は、感染の原因であるウイルスなどの異物が免疫細胞によって消滅すると無くなります。

風邪は扁桃腺などの上気道(気道の中でも口に近い上部)が炎症を起こしているので、比較的短期間で症状が消えることになります。

感染源が気管支まで広がり気管支炎になると、治りが遅くなり症状が現れている期間が長くなります。

肺がんの場合には、がんに対する適切な治療が行われなければ、気管支の炎症の伴う症状が永遠に続くことになります

自覚症状が現れにくい肺野部に発生するがん

肺の深部である肺野にでき易い腺がんや大細胞がんは、かなり進行してからでなければ目立った症状がありません。

肺野部は分岐を繰り返した細い気管支が広がっているため、小さな腫瘍が発生したくらいでは特徴的な症状が出ることがありません。

肺野にできる腺がんや大細胞がんの特徴は?

肺野は左右の肺に向かって気管支が分岐を繰り返し、右肺は右上葉、右中葉、右下葉の三つのパーツ、左肺は左上葉と左下葉の二つのパーツで構成されています。

肺は胸の大部分を占める大きな臓器であり、肺野に小さながんが発生して部分的に肺の機能が低下したとしても、正常な肺胞が大量に存在する状態では肺のメインの機能である呼吸に支障をきたすわけではありません。

もちろん、細胞のがん化によって免疫細胞による炎症反応は起こりますが、肺門に発生するがんのように気管支の炎症に伴って起こる咳や喘鳴などのような物理的な症状はありません。

肺野にできるがんは特徴的な自覚症状が無いが故に、肺がん検診などによる胸部X線検査によって発見されることが多いというのが特徴的です。

別の病気によって撮影された胸部のX線写真で偶然発見されるということもあるくらいです。

肺野にできるがんの自覚症状は?

肺野のがんは初期ではほとんど何もありませんが、進行すると様々な自覚症状が出てきます。

肺野にがんが広がると、胸膜の損傷に伴うリンパ液の滲出に伴う胸水が溜まってきます。胸水が増加すると、胸や背中に痛みが発生したり肺を圧迫することによる呼吸困難が起こったりします。

また、がん細胞がリンパ系を移動し、近隣の臓器だけでなく脳や骨も含めて全身に転移する可能性も出てきます。

小細胞がんの生産するホルモンによる自覚症状?

小細胞がんは、増殖が速く転移しやすい悪性腫瘍として知られているがんです。

一方、小細胞がんには副腎皮質刺激ホルモンや抗利尿ホルモンの分泌異常が起こることによって独特の症状が出ることもあります。

副腎皮質刺激ホルモンの分泌異常はクッシング症候群を引き起こし、丸顔になる満月様顔貌や皮膚の黒色化が起こることがあります。

抗利尿ホルモンの過剰分泌は尿の排出が抑制されることにより血液が薄くなり、食欲不振といった軽い症状から痙攣や意識障害といった重篤な神経症状に発展することもあります。

参考文献

  1. がん情報サービス | 肺がん
  2. 国立がん研究センターのがんの本「肺がん」
  3. 公益財団法人 日本医療機能評価機構 Minds | 患者さんのためのガイドブック よくわかる肺がんQ&A
  4. その他

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