肺がんの再発を見つけるための定期検査

  • Facebook シェア
  • はてなブックマーク
  • LINE
  • Google+

2017.3.30

舟橋 均

この記事の執筆者

工学博士 舟橋 均

肺がんの再発を見つけるためには、定期的に行う検査が重要になってきます。

肺がんを治療した際に普通では見つけることが困難であるような僅かに残存したがん細胞から発展するがんを見つけることになります。

初期から明確な症状が現れる再発がんについては日常的な体調変化が重要になってきますし、ほとんど症状がないような部位に再発した時には検査結果がポイントになります。

精密検査に利用される検査を定期的に行うことも可能かもしれませんが、頻繁に行われる検査で高額な費用が掛かる検査を行うとなると経済的に無理があります。

また、場所が特定されていればまだしも、何処に発症するかわからないがんを闇雲に検査で探すというのは肉体的かつ時間的な負担もかなり大きくなります。

定期検査の頻度

ⅠB期、ⅡA期、ⅡB期の肺がんに対して外科手術あるいは放射線治療によってがんを治療した後、1年ないし2年は再発を予防する目的で術後化学療法が行なわれます。

術後化学療法中は施術する度に何らかの形でチェックすることになりますが、終了してからも定期的な検査が行われます。

肺がんの再発の有無をチェックする定期検査は、再発リスクの高い初期症状がほとんどない肺がんに対する検査が3カ月に一度程度の頻度で行われます。

通常の検査では、問診や触診に始まり肺がんの定期健診で行われる項目がチェックされます。

また、1年に一回程度は胸部CT検査などの精密検査が行われることもあります。

もちろん、再発が疑われる症状が確認されたときには、その都度精密検査を行うことになります。

肺がんの再発を見つける定期検査

肺がんの検出に用いられる腫瘍マーカー
腫瘍マーカー 基準値(ng/mL) 基準値を超えた時に疑われるがん
RIA法 EIA法 IRIA法
CEA 2.50 5.00 - 大腸がん、胃がん、膵がん、胆道がん、肺がん、子宮がん、卵巣がん、乳がんなど
SCC 2.00 1.50 2.00 食道、子宮頚部、皮膚、肺、頭頚部などの扁平上皮がんなど
CYFRA21-1 2.00 3.50 - 肺扁平上皮がん
NSE 10.00 肺小細胞がん、甲状腺髄様がん、褐色細胞腫、神経芽細胞腫など
ProGRP - 0.07 - 肺小細胞がん

(参照元:「国立がん研究サンタ―のがんの本 肺がん 治療・検査・療養」の「再発チェックのための検査」をもとに作成)

最も再発の可能性の高いのが、局所再発でも遠隔転移でも起こる可能性のある肺がんです。

肺がんの再発をチェックするための定期検査では、体の異変や症状の確認のための問診、リンパ節の触診、胸部X線検査、血液検査は標準的に行われます。

血液検査の中には、通常の定期健康診断で行われる検査項目に腫瘍マーカーと呼ばれる検査項目が追加されます。

肺がん健診を3カ月に一度行うようなイメージになります。

一方、肺がん健診でヘビースモーカーに対して行われる喀痰検査については、特に肺門部の扁平上皮がんの治療を行った患者さんに対する定期検査で実施されるケースが多くなります。

さらに、肺がんの再発をチェックすることを目的として、1年に1回程度は胸部CT検査や肺門部にある気管支の内視鏡検査を行う場合もあります。

腫瘍マーカーでわかることは?

初期症状がほとんど無いがんを再発した時に役立つのが、腫瘍マーカーと呼ばれる検査です。

がん細胞が造り出す特有のタンパク質やがん細胞を攻撃するために正常な細胞が産生するタンパク質、あるいは、ホルモンなど、血液中に増加する物質が腫瘍マーカーと呼ばれる物質です。

通常でも基準値以下の濃度で存在していますが、がんが発症した際に基準値を超えてくる可能性があります。

言い換えると、腫瘍マーカーが基準値を超えている状態というのは、がんが発症している可能性が高くなるということで腫瘍マーカーと呼ばれています。

肺がんの指標となる腫瘍マーカーは、CEA、SCC、CYFRA21-1 、NSE、 ProGRPの五つが一般的です。

また、PIVKA-Ⅱは肝細胞がんに特異性の高い腫瘍マーカーであり、ALPは肝臓と骨への再発の指標にすることが出来る腫瘍マーカーです。

肺がんの遠隔転移を見つける検査

遠隔転移による再発は、何処に発症するかが分かりません。

肺がんの再発リスクをチェックするのであれば定期検診である程度の疑わしい状況を掴むことが出来ますが、何処に発症するかが分からない遠隔転移が原因の再発を定期的に調べるのは容易ではありません。

陽電子放射断層撮影法、通称PET(Positron Emission Tomogoraphyの略)と呼ばれる検査によって全身のがんを調べることも不可能ではありませんが、コスト的な負担を考えると定期検査で行えるものではありません。

従って、遠隔転移で起こりやすい再発の部位である脳、骨、肝臓、副腎については発症した場合に現れる症状を把握し、異常を感じた時に精密検査をするということになります。

腹部の痛みやしこりに対しては、腹部CT検査や超音波検査で肝臓や副腎の状況を調べます。

また、頭痛や吐き気に対しては脳CT検査を行い、骨の痛みに対しては骨シンチグラフィーを行います。

参考文献

  1. がん情報サービス | 肺がん
  2. 国立がん研究センターのがんの本「肺がん」
  3. 公益財団法人 日本医療機能評価機構 Minds | 患者さんのためのガイドブック よくわかる肺がんQ&A
  4. その他
  • Facebook シェア 0
  • はてなブックマーク はてブ 0
  • LINE 送る
  • Google+ 共有 0
関連記事
応援

下記団体の活動を応援しています。

がん情報サイト「オンコロ」
COMLの電話相談
Minds医療情報サービス
キャンサーペアレンツ

ページの1番上へ戻る