肺がんが再発した場合の治療法

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2017.5.19

舟橋 均

この記事の執筆者

工学博士 舟橋 均

肺がんの苦しい治療を乗り越えてようやくがんを抑えることが出来たと思っていたのに、再発したときの患者や家族の落胆は計り知れないものがあります。

肺がんが発見された時点では他の臓器への転移が確認されていない状況であっても、リンパ節への転移が認められるケースでは再発のリスクはかなり高くなってしまいます。

がんの治療では治療が終了してから5年以内に再発しなければ、「根治した」と考えられています。

肺がんの再発では治療後2年前後の再発リスクが最も高く、ⅠB期、ⅡA期、ⅡB期では術後化学療法で再発のリスクを抑える治療が2年実行されることもあります。

抗がん剤が進歩している背景を踏まえると術後化学療法によって再発のリスクは低減されるとはいえども、再発した時のことを考えなければならないというのが現状です。

再発がんの治療には全身療法が必要!

肺がんが再発した場合の治療法は、外科手術や放射線治療のような局所療法ではなく全身治療である化学療法が中心になります。

もちろん、再発がんが拡大することが無いように、放射線療法による治療も並行して行います。

がんの治療は早期発見で治癒率が上がると言われますが、再発したがんでは話が違います。

特に、肺がんの再発の8割は遠隔転移によるものであり、局所再発の場合でもリンパ節への転移が起こっているケースの方が再発率は高くなっています。

言い換えると、肺がんを外科手術や放射線療法で治療した時点で、発見されていないがん細胞の移動が起こっている可能性が高いということです。

すなわち、再発の原因が転移である以上は何処にがん細胞があるかは分からない状況であり、全身治療が必要になってきます。

化学療法による治療効果

化学療法では抗がん剤の選択が重要ですが、通常は原発巣の肺がんで効果のあった抗がん剤が再発がんに対しても選択されます。

当然ですが、先に使用した時と同じ様な副作用が起こり、治療の苦痛に変わりはありません。

ところが、抗がん剤の効果はというと、原発巣の治療の時よりも低くなり初めて使用した時と同様というわけにはいきません。

抗がん剤が効かなくなる、あるいは、効きにくくなるメカニズムは全てが明らかにされているわけではありませんが、使い続けることにより一部のがん細胞が消失しても抗がん剤の効果に順応できるがん細胞が残ってくると考えられています。

すなわち、投与された抗がん剤に順応して生き残ることが出来たがん細胞が増えてくるということが、抗がん剤の効果が弱くなる原因であるというわけです。

再発したがんが小細胞がんと非小細胞がんでも治療方法は異なる!

化学療法で使用する抗がん剤の選択は医師の判断を仰ぐことになりますが、抗がん剤の効果の高い小細胞がんと低い非小細胞がんでは、使用される抗がん剤に違いがあることがあります。

もともと抗がん剤の効果が弱い非小細胞がんでは再発時の治療に対して化学療法の効果が疑問視されていましたが、近年では延命効果のあることが明らかとされています。

しかしながら、化学療法そのものの効果が弱いということに変わりは無く、当初効果が認められたとしても続ける間に次第に効果が無くなり、治療が難しくなってきます。

非小細胞がんで使用される抗がん剤

がん細胞の増殖を抑えるドセタキセルを投与するのが、標準的な治療になります。

脱毛、食欲不振、倦怠感、あるいは、吐き気・嘔吐が主な副作用であり、白血球の減少に伴う感染症も報告されています。

ドセタキセルは大きな効果が得られない割に副作用が強いので、体力が低下している患者や高齢者では使用できない場合があります。

そのような場合には、比較的副作用が少なく効果の高いゲフィニチブエルロチニブなどの分子標的薬(抗がん剤)が用いられることもあります。

小細胞がん適用される抗がん剤

小細胞がんではある程度のがん縮小効果が期待できるので、副作用に耐えることが出来るだけの体力を判断基準にして抗がん剤が選択されます。

原発巣のがんで効果のあった抗がん剤で治療を開始し、効果が弱くなったときには新たな抗がん剤を使用していくというのが標準的な治療方針となります。

化学療法が限界に近づくと対症療法と緩和ケアを中心に!

抗がん剤による治療には限界があり、効果が認められなくなると再発がんに伴う様々な症状や抗がん剤の使用に伴う苦痛を緩和する治療が中心になってきます。

脳や骨に転移の多い肺がんの再発では頭痛や骨の痛みを伴い、再発がんを抑えるための放射線治療による炎症や化学療法に伴う吐き気、痒み、あるいは、しびれなどの副作用もあります。

また、再発したことで不安が一気に爆発し抗がん剤による治療の効果が無くなることによる絶望感からうつ症状が出てくる患者もたくさんおられますので、精神的なケアも大切です。

治らないのであれば意味が無いと考える人も居られるようですが、緩和ケアによって日常生活における行動範囲を広げることも出来ます。

参考文献

  1. がん情報サービス | 肺がん
  2. 国立がん研究センターのがんの本「肺がん」
  3. 公益財団法人 日本医療機能評価機構 Minds | 患者さんのためのガイドブック よくわかる肺がんQ&A
  4. その他

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2017.5.19更新

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