肺がんの再発(局所再発・遠隔転移・2次がん)

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2017.1.1

舟橋 均

この記事の執筆者

工学博士 舟橋 均

肺がんに限らずがんの治療では、再発という言葉を良く耳にします。

肺がんは転移のリスクが他のがんよりも高く、再発する可能性が高いがんと言われています。

検査技術や治療方法の進歩によってがんの治癒率は大きく向上している現代においても、必ずしも根治できるとはかぎりません。

がんの再発については5年生存率という指標がよく用いられ、治療が終了した時点から5年間再発が認められなければ、そのがんは完治したと診断されます。

逆に言えば、最低でも5年間は再発や転移という再びがんになる可能性に怯えながらの生活になるというわけです。

5年生存率とは?

5年生存率というのは、5年間再発も転移も起こらなければ完治していると判断するための一つの目安です。

統計データによる数字ですので、絶対というわけではありません。

しかしながら、一般的には、5年以上経過してからがんが発症するケースというのは、原発巣による再発や転移が原因ではなく、新たにがんが発症した2次がんによるものと考えるのが妥当であるということです。

治療した時点でがん細胞が全て除去されれば何の問題もありませんが、僅かに体に残っているがん細胞が成長して再び猛威を振るってくるという可能性が無いわけではありません。

5年生存率が低い肺がんはがん細胞がリンパ液や血液に乗って移動しやすく、早期で発見された場合であっても検出できない僅かな転移が起こってしまっているケースが多いというわけです。

再発にも種類はあるのでしょうか?

再びがんが発症すると再発という一言で表されますが、再発というのは総称であってどのようなメカニズムで再びがんが発症したのかによって意味が異なっています。

一般には、局所再発と遠隔転移を合わせて再発と呼んでいます。

治療した肺がんと同じ側の肺の原発巣のすぐ近くに発症した肺がんは、局所再発と呼ばれます。

一方、治療した時点で既に転移が始まっているような場合は、原発巣のあった肺の反対側の肺や別の臓器に発症することになる遠隔転移と呼ばれるものもあります。

肺がんの再発では8割程度は遠隔転移であり、局所再発のような外科手術による切除漏れのようなことはあまり起こらないということです。

他方、再発や転移とは別に、がんが再度発症するケースに2次がんというがんがあります。

患者にとってはがんが発症していることに変わりはありませんが、2次がんはもともと発症していた原発巣とは全く別の原因であるがんとして、厳密には再発と区別されます。

局所再発

外科的に切除する場合には、原発巣の患部近辺の細胞を生検で調べ、がん細胞をすべて除去することを考えて多めに切除します。

しかし、人間がすることですので完璧ということは無く、どうしても取りきれないというケースがあり得ます。

また、がん細胞を死滅させる目的で行われる放射線治療にしても100%は困難ですし、強烈な放射線治療に患者が堪え切ることができないというケースもあります。

局所再発というのは、治療において取りきることが出来なかったがん細胞が、その場で成長して再び発症するケースです。

遠隔転移

転移という言葉が入ることからも分かるように、原発巣の原因となったがん細胞が血液やリンパにのって原発巣のあった肺と反対の肺も含む他の臓器に移動してがんを発症してしまうという再発が、遠隔転移と呼ばれるケースです。

遠隔転移では必ずしも肺がんに限定されるということは無く、脳、骨、肝臓や副腎などに発症することもあります。

しかしながら、再発したがん細胞を調べると原発巣と同じ組織型を持っていますので、生検をすれば遠隔転移によるものであるかどうかということは分かります。

2次がん

原発巣とは何の因果関係もないがんが新たに発症する場合が、2次がんと呼ばれる現象です。

肺がんを発症していたわけですから、体質や生活習慣などのがんを発症しやすい条件がそろっている可能性があります。

すなわち、肺がん以外のがんが新たに発症しても、不思議なことではありません。

2次がんの場合は新たに発症したがんですので、治療した肺がんと全く違うがん細胞である可能性もあります。

再発すればどうすれば良い?

再発を予防するための方法というのはありませんが、どのような形で再発が起こりうるのかを知った上で、定期的な検査を受けるようにすれば少しでも早く治療を開始することが出来ます。

肺がんでは遠隔転移が8割を占めていることからも分かるように、再発が起こった時点で全身のどこにがんが発生してもおかしくない状態にあると考えた方が良いということになります。

従って、再発した場合には、肺がんステージで言うところのステージⅣの治療法である化学療法が治療法として選択されます。

2次がんの場合は原発巣とは関係ありませんので、検査をした上で外科療法や放射線療法といった治療方法も選択肢に入ってきます。

参考文献

  1. 国立がん研究センターのがんの本「肺がん」
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