がんと「アロマセラピー」

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2017.1.1

アロマセラピーは緩和ケアの領域で広く利用されてきており、がんの補完代替医療の一種として注目されています。ここではアロマセラピーがもたらす効果や利用する際の注意点などを詳しく紹介していきます。

1.アロマセラピーとは?

アロマセラピーには芳香(aroma)による治療(therapy)という意味があり、植物が持っている芳香成分によってリラックス効果やリフレッシュ効果を得ることを目的に用いられます。

公益社団法人日本アロマ環境協会では、アロマセラピーを「エッセンシャルオイル(精油)を用いて心身両面の広い視点から行う自然療法」と定義しています。

リラクセーションやリフレッシュに役立てる以外にも、美容と健康を増進するため、心身の不調を改善して正常な健康を取り戻す目的でも用いられます。

2.アロマセラピーのメカニズム

アロマセラピーを利用したことがある方であれば、アロマの香りでホッとした気持ちがしたり、リラックスしたり、さわやかな気分になったりするなどの効果を実感したことがあると思います。

エッセンシャルオイルなどの香りを嗅ぐことで身体が心地よい状態になるメカニズムは次のとおりです。

香りの分子(エッセンシャルオイル)が鼻から入り嗅覚がそれをキャッチすると、大脳辺縁系や視床下部に情報が伝わります。

大脳辺縁系は人の感情に大きく関係しており、視床下部は自律神経をつかさどっていますから、それらが自律神経系や免疫系、ホルモン系に働きかけて、体のバランスを整えていくのです。

アロママッサージをした場合は、皮膚からエッセンシャルオイルの成分が直接吸収されることもあり、吸収された成分は血流にのって全身をめぐり、神経系や内分泌系に働きかけます。

3.アロマセラピーの方法

アロマセラピーは香りを嗅いで楽しむものというイメージがあるかもしれませんが、実はアロマセラピーの方法としては沐浴法、吸入法、湿布法、トリートメント法など様々な楽しみ方があります。

それぞれの方法をどのように行うことができるのか簡単に紹介していきます。

3-1.沐浴(もくよく)法

沐浴法は、全身または体の一部を、エッセンシャルオイルを入れた湯に浸ける方法です。

全身浴であれば浴槽に1~5滴入れてアロマバスに、半身浴や手浴、足浴だけの場合では1~3滴ほどがエッセンシャルオイルの使用目安量になります。

エッセンシャルオイルはお湯に落としたら、よくかき混ぜてください。お湯の温度が高めだとリフレッシュ効果が、ぬるめの場合だとリラックス効果が期待できます。

3-2.吸入法

洗面器やマグカップなどに熱めのお湯をはってエッセンシャルオイルを1~3滴ほど落とします。その蒸気を鼻や口から吸入することで、鼻づまりや喉の痛み、咳などの呼吸器系の不調を和らげます。

この吸入法の注意点としては、湯気を吸いこむときは目を閉じるようにし、長時間の吸入は避けることです。

3-3.湿布法

洗面器などに張ったお湯(または水)にエッセンシャルオイルを1~3滴ほど入れます。その中にタオルを入れて、タオルにエッセンシャルオイルの成分を付着させます。

軽く絞ってから、エッセンシャルオイルが付着している部分が直接肌に触れることのないようにタオルを内側に折りたたみ、患部にあてていきます。

一般的に、温湿布は慢性的な不調(肩こり、腰痛、生理痛など)に効果があるといわれています。

3-4.トリートメント法

オリーブオイルやホホバオイルなどの植物油で希釈したエッセンシャルオイルを顔や身体に塗布する方法です。希釈の目安は、顔の場合は0.5%以下、身体の場合は1%以下の濃度にするようにします。

トリートメント法は、リラクセーション効果のほか、肌を整えたり、保湿したりする効果などがあります。また、筋肉のコリをやわらげる効果もありますので、腰などの痛みにも効果があるといわれています。

参考:公益社団法人日本アロマ環境協会 アロマを知る アロマテラピーの楽しみ方

4.がんの補完代替医療におけるアロマセラピー

アロマセラピーの方法としては、沐浴・吸入・湿布・トリートメントなどがありますが、がんの緩和ケアで最も有効だとされているものが、エッセンシャルオイルを用いたマッサージです。

アロマセラピーにがん患者の生活の質を改善する効果があるかを検証した臨床試験の中では、エッセンシャルオイルを用いたマッサージの有効性が示されています。

一例として、進行がんで緩和療法中の患者に通常のマッサージを行った場合と、エッセンシャルオイルを用いてマッサージを行った場合では、後者の方が身体面での症状、精神面での症状に改善が認められたという報告があります。

他にも、乳がんの手術を受けた患者にアロママッサージを施したところ、不安感が減少したという事例もあります。

5.アロマセラピーを利用する際の注意点

アロマセラピーで使用されるエッセンシャルオイルの中には、女性ホルモンのエストロゲンと似た作用を持つ特殊なもの(フェンネル・ユーカリスタイゲリナ・ニアウリ・クラリセージなど)があります。

女性ホルモンは乳がんや子宮体がんに悪影響を及ぼす可能性がありますので、これらのがんに罹っている方はエストロゲンと似た作用を持つエッセンシャルオイルの使用は避けた方が良いでしょう。

皮膚に使用する場合、良質でないエッセンシャルオイルを使用したり、エッセンシャルオイルの濃度が高かったりすると、肌がヒリヒリしたり、痒みが出るなどの肌トラブルが出ることもあります。

これら皮膚に生じる障害は、事前にパッチテストをすることで避けることができますので、まずは目立たないところで試してから使用するようにしましょう。

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