がんの補完代替医療でよく用いられるサプリメントの種類と効果

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2017.3.5

一般的に「がんに効く」や「免疫力UP」などの売り文句で売られているサプリメントには、科学的な根拠(エビデンス)がないものがほとんどです。中には治療に悪影響を与えるケースもあるため、使用したい場合はまずは主治医に相談するようにしましょう!

日本のがんの医療現場における補完代替医療の利用実態調査(2005年版)によると、がん患者のうち約半数(44.6%)が何らかの補完代替医療を利用しているとことが明らかになったと報告されています。

そして、補完代替医療として具体的に何を利用しているかという質問(複数回答可)では、「サプリメントを利用している」と答えた方が96.2%、気功は3.8%、灸は3.7%、鍼は3.6%という結果が報告され、日本では「がんの補完医療=サプリメントの利用」という見方が浸透していることも分かってきました。

この調査では、がん患者が具体的にどんなサプリメントを利用しているのかについての調査も行われています。下に、使われているサプリメントの種類と利用の割合を表にしてまとめてみました。

よく用いられているサプリメントの種類

名称 割合
アガリクス 60.6%
プロポリス 28.8%
AHCC 7.4%
漢方薬 7.1%
キチン・キトサン 7.1%
サメ軟骨 6.7%
霊芝(れいし) 6.3%
ウコン 5.9%
ビタミン 4.8%
メシマコブ 4.4%
クロレラ 3.7%

出典:がんの補完代替医療ガイドブック【第3版】(2012年)

よく用いられているサプリメントの種類の特徴としては、キノコ類のサプリメントーアガリクス・AHCC・霊芝・メシマコブーが日本のがん患者の間で多く利用されているということです。

1.サプリメントの効果と有効性

サプリメントにどんな効果があると期待されているのか、代表的なものを紹介していきたいと思います。

ただし、現時点ではがんの治療や予防、副作用を軽減する効果などに関して、有効性が証明されているサプリメントはないのが実情です。

1-1.アガリクス

アガリクスは、学名がAgaricus blazei Murrill、日本名がカワリハラタケというハラタケ科に属するブラジル原産のキノコです。

補完代替医療の中では最も使われている健康食品ということができます。

アガリクスには免疫細胞を活性化する作用があるため、「抗がん効果」や「免疫力を高める効果」が得られるとされています。

ただし、抗がん効果があるとする報告は、ほとんどが培養細胞や動物を用いた実験がベースになっており、その効果がヒトにも同じように当てはまるかといえば、そうでもないということです。

とはいえ、ヒトでの臨床試験がまったく行われていないというわけでもありません。例えば、2004年には子宮がんや卵巣がんの患者を対象にしたランダム比較試験の結果が報告されています。

この報告によると、アガリクスを服用したグループは偽薬(プラセボ)を服用したグループと比べて、免疫細胞の活性化や抗がん剤治療による副作用の緩和といった効果がみられたとのことです。

とはいえ、厚生労働省はアガリクスについて「ヒトに対する有効性については確認していない」とコメントしていますから、アガリクスの抗がん効果については過度の期待を抱かないようにしましょう。(

参考:厚生労働省 アガリクス(カワリハラタケ)を含む製品に関するQ&A

1-2.プロポリス

プロポリスとは、ミツバチが樹木の新芽や蕾、樹皮などから採取してきた樹液や色素などにミツバチ自身の分泌液を混ぜてつくられた樹脂状の天然固形物になります。

プリポリスにはミネラルやアミノ酸、ビタミン、ポリフェノールなどを含んでおり、優れた抗菌作用があることで知られています。そのため、風邪をはじめとしたさまざまな病気の予防にも効果があるといわれています。

さらに、がんに効果があるといわれていますが、実際にはヒトへの臨床試験でがんの縮小などが確認されたということは現在までなされていません。

1-3.AHCC

AHCCは活性化された多糖類関連化合物(Active Hexose Correlated Compound)の頭文字を取った略称です。

AHCCは、キノコの菌糸体(根の部分)を長期間かけて培養することで作り出されます。がんの補完代替医療に用いられているサプリメントにはキノコ由来のものが多いのですが、AHCCもその一つです。

がんの補完代替医療ガイドブック【第3版】によりますと、AHCCのヒトへの抗がん効果についてPubMed(アメリカ国立図書館のNCBIが運営する医学・生物学分野の文献のデータベース)に掲載されている論文は4例報告されているとのことです。

一例として、肝細胞がん患者に対して行われた試験が報告されています。この試験では、外科手術で腫瘍をすべて取り除くことができなかった患者にAHCCを摂取してもらったところ、がんの再発を抑制したり、生存率が延びたりする可能性があることが分かったとの事です。

しかし、この試験ではAHCCを摂取するグループとそうでないグループの患者の振り分けがランダムではなかったとのことですから、科学的に信頼度の高い試験結果とはいえません。

つまり、AHCCに抗がん効果があると言い切れる信頼できる臨床試験の結果は、現時点では報告されていないということです。

1‐4.漢方薬

さまざまな病気の治療として用いられている漢方薬ですが、がんの補完代替医療としても用いられています。

漢方薬は、植物由来や虫、ミネラルなど複数の天然有効成分が含まれた生薬を組み合わせてつくられますので、即効性はないものの、身体の不調を整えて、自然治癒力を高める効果があるといわれています。

がん治療目的に使用される漢方薬には、芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)や半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)、十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)などがあります。

漢方薬には、がん細胞を死滅させるような効果は確認されていないものの、がんの再発や転移を抑制したり、抗がん剤による治療の副作用を軽減したりする働きがあることが報告されています。

1‐5.キチン・キトサン

カニの甲羅や殻などを原料としたキチン・キトサンにも、抗がん効果があるといわれています。これは、キチン・キトサンにはマクロファージを活性化する作用があるため、体内の免疫機能を高めることができるからです。

また、キチン・キトサンには体内の解毒作用を高める働きがあるといわれており、このことも体内に入った発がん物質を排出するのに効果があると考えられています。

しかし、キチン・キトサンの抗がん効果については、動物実験レベルでのデータのみにとどまっていますから、科学的に信頼できるデータを得るためには、今後さらに臨床試験などを行うことが必要です。

2.がんの補完代替医療としてサプリメントを用いる場合の注意点

日本では補完代替医療の利用者の96%以上がサプリメントを利用しているといわれていますが、サプリメントががんに効くということは現時点では科学的に信頼度が高い臨床試験によっては示されていません。

ですから、抗がん効果があるといわれているサプリメントに効果がないとは言い切れないものの、「これを飲めばがんが治る」というような安易な気持ちで使用しないようにしましょう。

また、がんの種類や治療方法によってはサプリメントが持つ特定の作用が、がんの進行の原因となってしまったり、がん治療の効果を減少させる原因となることもありますから、抗がん効果を期待してサプリメントを利用する際には、医師や薬剤師に相談するようにしてください。

参考文献

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス | 代替療法(健康食品やサプリメント)
  2. 四国がんセンター 補完代替医療とは 大阪大学大学院 医学系研究科 統合医療学寄附講座
  3. 書籍 がん研が作ったがんが分かる本 【新装版】-初歩から最先端、そして代替医療まで
  4. 冊子 厚生労働省 「統合医療」に係る情報発信等推進事業 がんの補完代替医療ガイドブック【第3版】
  5. その他

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