がんと「プロバイオティクス」

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2017.1.1

プロバイオティクスにはNK細胞(がん細胞やウイルス感染細胞を攻撃するリンパ球)を活性化させたり、免疫機能を高めたりする働きを持つものがあるため、がんの代替医療として注目されています。

プロバイオティクスは一般に販売されているヨーグルトや乳酸菌飲料などに含まれているために、手軽に取り入れることができます。

ここでは、そもそもプロバイオティクスとはなんなのか、がんの補完代替医療としてどんな効果があるのかを解説していきたいと思います。

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1.プロバイオティクスとは?

プロバイオティクスとは、腸管内に生息している微生物群(腸内フローラ)のバランスを整えて、身体に良い影響を及ぼす生きた微生物のことです。

プロバイオティクスを取り入れることで、下痢や便秘を改善する、腸内の善玉菌を増やして悪玉菌を減らす、免疫力を回復させる、腸内の感染を予防するといった効果があり、おなかの健康が維持されるだけでなく、身体全体にも有益な作用がもたらされます。

乳酸菌やビフィズス菌が代表的なものとして知られていますが、細かく分類するとたくさんの種類があります。プロバイオティクスとして認められている微生物について、下記の表にまとめてみました。

種類 主な働き
ラクトバチルス・プランタラム 植物由来の乳酸菌です。ぬか漬けやしば漬けなどの漬物のほか、キムチやドイツの伝統食であるザワークラウトなどにも含まれています。
ラクトバチルス・ブレビス 京都の漬物から発見された菌で『ラブレ菌』とも呼ばれています。漬物やキムチなどの発酵に関わる乳酸菌です。
ペディオコッカス・ペントサセウス 植物由来の乳酸菌で、酸や塩分に強いという特性があります。胃酸で死滅することなく、生きたまま腸まで届く菌です。
ラクトバチルス・カゼイ 酸に強いため、胃酸で死滅することなく、生きて腸まで届く菌として知られています。
ラクトバチルス・デルブルエッキ サブスピーシーズ ブルガリカス 腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスを整える整腸作用があります。また、免疫力を高める効果があります。
ラクトバチルス・ガセリ ヒトの腸から見つかった乳酸菌なので、生きて腸まで届き、腸に長くとどまることができる菌として知られています。そのため、腸内環境を整える作用があるといわれています。
ビフィドバクテリウム・ロングム 酸に強いため、胃酸でも死滅することなく、生きたまま腸まで届くことができます。ヒトの腸に生息するヒト由来のビフィズス菌です。免疫力を高めるほか、整腸作用があります。
ビフィドバクテリウム・アニマリス サブスピーシーズ ラクティス ヒト由来のビフィズス菌で、胃酸や胆汁などの消化液に強いので、生きて腸まで届くため、優れた整腸作用があるとされています。

出典:大塚チルド食品 乳酸菌のパワー プロバイオティクスの仲間たちの表より

1-1.プロバイオティクスに求められている条件

プロバイオティクスとは、「腸内フローラ」のバランスを改善する効果が認められる生菌のことといわれています。この腸内フローラとは、簡単にいうとわたし達の腸内に棲む細菌類のことです。

わたし達の腸には、600兆個とも1000兆個とも呼ばれている腸内細菌が棲んでいます。これらの細菌は腸壁に棲んでおり、その種類ごとにかたまってグループを形成しています。

このフローラというのは、お花畑という意味があります。腸の中をのぞくと、腸内細菌が腸壁にびっしりと並んでいて、それがお花畑のように見えることから腸内フローラと呼ばれるようになりました。

プロバイオティクスは、この腸内フローラのバランスを改善させること、つまり善玉菌を増やして悪玉菌を減らすといった有用な働きをすることが求められます。

また、プロバイオティクスに求められる条件として、胃酸や胆汁で死滅することなく生きて腸まで到達すること、そして腸内で増殖できることという点があります。

さらに、安全性が高いこと、コストが安価で簡単に取り扱えることなども求められます。

2.がんの補完代替医療としてのプロバイオティクス

最近の研究で腸内の細菌バランスが良い状態に保たれていることが、病気になりにくい身体を作り、健康な生活を送る上で大切なポイントになることが分かってきました。

人間の腸内には、病気を引き起こす要因となる菌の増殖を防いだり、食べ物の消化・吸収を助けたりする『善玉菌』と、腐敗物を腸内に溜めて、がんの原因ともなる有害性を発生させる『悪玉菌』とが生息しています。

そして、悪玉菌が増えると善玉菌が減り、善玉菌が増えると悪玉菌が減るようになっています。

ですから、がんを始めとする病気にかかるのを予防するためには、悪玉菌を減らして善玉菌を増やすことが大切だと考えられています。

ですから、身体に有益な働きをするプロバイオティクスを食べ物などから取り入れると、腸内の善玉菌の働きを活発にすることができるため、悪玉菌を減らし、がんなどの病気になりにくい身体を作ることができると期待されています。

プロバイオティクスは、がんをはじめとする病気にかかる要因を除くことを目的とした予防医学としてとらえることができるでしょう。

3.臨床試験で証明されたプロバイオティクスの効果

プロバイオティクスの有効性は、ヒトを対象とした臨床試験でも科学的に証明されてきています。

がんの治療に関係して期待されている役割としては、抗がん剤やがん治療における副作用の軽減、手術後の感染症予防や再発予防などがあります。

臨床試験でプロバイオティクスの有効性が科学的に証明されたものは以下の4点です。

  • 大腸がんの抗がん剤治療による副作用(重度の下痢症状)を軽減する効果
  • 表在性膀胱がん手術後に抗がん剤とプロバイオティクスを併用することで再発を防止する効果が向上
  • すい臓がん手術後の感染症を予防する効果
  • 腹部から骨盤部への放射線治療による副作用(下痢症状)を軽減する効果

4.プロバイオティクス治療を受ける際の注意点

プロバイオティクスは、食品や調味料などに含まれるものですし、健康な人の腸に存在している菌ですので安全性については心配する必要はありません。

ただし、がん患者がプロバイオティクスが含まれた乳酸菌飲料やサプリメントなどを副作用の軽減や再発予防効果を期待して利用する際には、念のため医師に製品にどんな成分や栄養素が含まれているか伝え、確認してもらうとよいでしょう。

また、がん治療に効果があると謳って高額な製品を販売している業者は詐欺的な行為を行っている可能性もありますので、その製品に含まれているプロバイオティクス成分と同じ成分が含まれている市販の乳酸菌飲料やサプリメントなどの値段と比較してあまりにも高いようであれば、購入するかどうかを慎重に検討する必要があるでしょう。

参考文献

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス | 代替療法(健康食品やサプリメント)
  2. 四国がんセンター 補完代替医療とは 大阪大学大学院 医学系研究科 統合医療学寄附講座
  3. 書籍 がん研が作ったがんが分かる本 【新装版】-初歩から最先端、そして代替医療まで
  4. 冊子 厚生労働省 「統合医療」に係る情報発信等推進事業 がんの補完代替医療ガイドブック【第3版】
  5. その他

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