がんと「サプリメント」

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2017.1.1

健康維持や健康促進のために摂る方も多いサプリですが、最近ではがんの治療や予防目的でサプリを利用する人も増えてきているようです。

実際に厚生労働省の行った調査によると、日本でがんの補完代替医療を利用している患者のうち、95%以上は何らかの健康食品やサプリを利用していることが明らかになっています。

(参考:がんの補完代替医療ガイドブック【第3版】(2012年))

しかし、世界的にみるとがんの治療や予防のためにサプリを利用するというケースはそれほど多くみられません。

ここでは、がん治療の目的のために使用されるサプリにはどんなものがあるのか、また、がん治療におけるサプリの効果について解説したいと思います。

1.サプリとは?

ドラッグストアだけでなく、スーパーやコンビニでも見かけるようになったサプリ。

サプリというと、健康にいいものという意識はあっても、「実際にどんなもの?」と聞かれると、上手く答えられないという人も少なくないのではないでしょうか?

サプリ先進国のアメリカでは、DSHEA(Dietary Supplement Health and Education Act:ダイエタリー・サプリメント健康教育法)という法律でサプリについての定義づけがきちんとなされています。

その定義によると、サプリとは「ビタミンやミネラル、アミノ酸、ハーブなどの栄養成分のいずれか1種類以上を含む栄養を補うことを目的とした製品」となっています。

DSHEAは1994年に成立しましたが、この法律によってこれまで「食品」と位置づけられていたサプリが、医薬品と食品の中間である「ニュートラルスティカル(中間自然成分)」というカテゴリーに分類されるようになりました。

参考:日清ファルマ 「サプリメントの基礎知識」 Daiwa「ワールドヘルスレポート」

しかし日本については、現在のところサプリの定義づけが法律によっては特になされていません。

一般的にはサプリには「特定の成分が濃縮されており、形状が錠剤やカプセルであること」という風に考えられているものの、きちんと法律で定義がされていないので、かなり曖昧なのが実情です。

2.がん治療目的のために使用されているサプリ

がんの治療や予防を目的として使用されているサプリには次のようなものがあります。

キノコ類 ビタミン類 その他
アガリクス マルチビタミン プロポリス
AHCC ビタミンC キチン・キトサン
霊芝 ビタミンE フコイダン
メシマコブ カロテノイド クロレラ
シイタケ菌糸体 コエンザイムQ10 サメ軟膏

日本においては、「がんに効く」といわれているサプリのうち、キノコ類のサプリが人気で、その中でもとくにアガリクスの人気が高いのが特徴です。

3.サプリ先進国のアメリカではがん治療目的のために摂る人は少ない?

アメリカでは、病気を予防するという意識が強いために、国民の過半数は健康維持のために数種類以上のサプリを摂取しているといいます。

そのような背景ゆえに「サプリ先進国」と呼ばれているアメリカですが、実はアメリカではがんの治療や予防目的のためにサプリを摂取する人は少ないといわれています。

これは、アメリカにおいて補完代替医療(CAM:西洋医学を補う、もしくは西洋医学の代わりのための医療)の利用が少ないからというわけではありません。

アメリカにおいては、国家レベルでの補完代替医療の研究が行われているために、実際には日本よりも補完代替医療についての情報の発信が積極的に行われています。

ですから、補完代替医療の利用者が日本と比べて少ないということはありません。実際に、1997年の時点では全体の約42%が補完代替医療を利用しているという調査結果が出ています。 

参考:大阪大学院 医学系研究科 「補完代替医療の国内外の現況」

しかし、アメリカで補完代替医療を利用している人の多くは食事療法や心理療法などを利用しており、がんの治療のためにサプリを利用しているという人は多くはありません。

また、日本ではがんの補完代替医療というとがんの治癒やがんの進行を抑制する目的のために摂取する人が多いのですが、アメリカでは補完代替医療をがんの治癒や進行抑制のために利用している人は多くはありません。

大抵の人は、「通常の医療の足りない点を補うため」とか、「がんの症状を軽減するため」、「抗がん剤などの副作用を緩和するため」といった目的で補完代替医療を利用しています。

ですから、アメリカではただ単にサプリを摂るというのではなく、リラクセーションやマッサージ、スピリチュアルヒーリングといったバラエティに富んだ補完代替医療が利用されているのです。

4.抗がん目的のためにサプリを摂取する際の注意点

補完代替医療の利用に積極的な他の国々に比べると、日本はサプリの利用率がずば抜けて高いのですが、がんの治療目的のために利用している人が多いという問題があります。

日本ではサプリの定義づけが法的になされていません。よって、サプリの品質についても良いものもあれば、そうでないものもありますので、「とりあえず摂っておけば安心」というような気持ちは持たないようにしましょう。

また、医学的に効能が認められたものについては、『医薬品』として製品化がされていますが、サプリは医薬品ではありません。

ですから、サプリに抗がん効果がないとは言い切れませんが、抗がん効果があるとも言えないのが現状です。サプリの持つ効果について過信しないようにしてください。

また、サプリの種類によっては、治療方法やがんの種類によっては相性が悪いものがありますので、摂取については医師に相談するようにしましょう。

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