がんと「ヨガ・瞑想」

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2017.1.1

2016年度の『がん補完代替医療ガイドライン』に新たな項目としてヨガが加わると言われています。

このガイドラインに掲載されるということは、日本緩和医療学会がヨガの効果について一定の科学的根拠があるということを認めたということになります。

現在、ヨガの効用に関しては様々な報告が世界中でなされており、徐々に臨床結果を確立してきています。ここでは、昨今注目を集めているヨガについて補完代替医療の側面から詳しく解説していきます。

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1.ヨガとは?

ヨガは古代インド哲学にルーツを持つ心身の訓練法です。ヨガには多くの様式がありますが、基本的には体の姿勢(ポーズ)、呼吸法、瞑想の3つの要素がどのヨガにも取り入れられています。

日本ではダイエットやむくみ対策、心と体をリラックスさせるための健康法として主に女性がやっているイメージがありますが、本来のヨガの目的は「快適で安定した心をつくること」とされています。

ヨガの特長は、ポーズによって身体の歪みを矯正し、そこにゆったりした呼吸と瞑想を組み合わせることで集中力を高めたり、穏やかで揺るぎのない精神状態をつくり出したりすることを目的としたものです。

補完代替医療としてヨガが医療現場に取り入れられるようになってきたのは、ヨガにストレスの緩和、疲労回復する効果や、深い呼吸と筋肉を縮小させることで、リンパの流れや血液の流れを活性化させて健康を維持する効果があることが分かってきたからです。

ちなみに、医療現場ではハタヨガ(ポーズと呼吸を中心としたヨガ)が多く用いられています。

ヨガには、がん患者が抱く不安、抑うつ、倦怠感などの改善に役立つ可能性があるとされ、臨床試験によって裏付けが勧められています。

瞑想とは?

ヨガに取り入れられている瞑想。瞑想とはどういうものなのでしょうか?

瞑想は英語でMeditation(メディテイション)といわれます。Meditationには、「黙想する」とか「深く考える」という意味合いもあります。

瞑想には心を無の状態にして雑念を払いのけ、集中することが関係しています。そうすることで、心をリラックスさせることができるため、心のバランスを安定させるのに良い効果がもたらされます。

ヨガと瞑想の目的は同じであり、そのためヨガと瞑想とは切り離すことができません。

2.がんの補完代替医療としてのヨガ

がん患者がヨガを行うことで様々な効果が得られることが臨床試験などから分かってきています。国際的な論文で、ヨガが様々な自覚症状の軽減に役立つということが報告されています。

2-1.疲労、倦怠感の改善

がん治療においては、闘病生活における体力の消耗などによって疲労や倦怠感を感じる患者が少なくありません。

しかし、がん患者がヨガを行った結果、疲労や倦怠感などの症状が改善されたという報告が複数の論文によってなされています。

とくに乳がん患者において良い変化がみられており、乳がん患者へのヨガの有効性についてのさらなる研究が欧米などでは進められています。

2‐2.ホットフラッシュ、疼痛の緩和

乳がんの治療では、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌を抑えるために、抗エストロゲン薬を用いることがあります。そうすると、ホットフラッシュ(ほてり、のぼせなど)といわれる更年期障害と似た症状が出ることがあります。しかし、ヨガを行うことでホットフラッシュが改善したという報告がなされています。

また、乳がん治療に用いるアロマターゼ阻害薬には、関節痛などの副作用が起きることがありますが、ヨガによってその痛みが軽減されたという報告もあります。

2-3.睡眠障害の改善

ヨガを行うことで、がん患者の寝つき、睡眠時間、睡眠の質が改善したという報告があります。

2-4.不安、抑うつ状態の改善

これまでの研究で、ヨガにはがん治療中に感じる不安や抑うつを改善する可能性が指摘されています。

ただ、軽度から中等度のうつ状態に対しては有効性が確認されていますが、重度のうつ病に対してどこまで効果があるのかはまだ確認されていません。

2-5.ストレスの緩和

ヨガを行うことで、抗ストレス物質のGABA(γ-アミノ酪酸)が脳内に増えることが分かっており、不安、疲労感、負の感情(恐れ・焦り・自信喪失・孤独感)を抑えることに役立つことが分かっています。

がん患者は、精神的に極度のストレスを感じていることが多く、うつ状態や不安な気持ちで悩まされていることも少なくありません。

米国総合腫瘍学学会が作成した2009年版の臨床治療ガイドラインによると、ヨガのような心身に働きかける治療には、うつなどの気分障害や不安などを改善し、がん患者の生活の質を改善するのに役立つと述べられています。

3.ヨガの有効性を裏付ける臨床試験の報告

60歳以上のがんで治療中もしくは治療後の方97人を対象に、がんに関連した全般的な疲労にヨガがどんな効果を及ぼすかランダム化比較試験が行われました。

4週間にわたってヨガを行ったグループは、標準的治療を受けたグループと比べ、がんに関連した身体的・精神的な疲労や広範囲にわたる副作用の負担が有意に低かったと報告されています。

放射線療法を受けている乳がん患者61人を対象に行った臨床試験では、週に2回ヨガの呼吸法やポーズなどのレッスンを受けたグループの方が不眠や疲労に改善がみられ、生活の質が向上したと報告されています。

4.ヨガを行う際の注意点

十分な訓練を受けたインストラクターの指導の下で行えば、副作用が起こる心配は低く、重傷を負うリスクもほとんどありませんので、ヨガは負担が少なく安全な療法といえます。

アメリカなどでは、ヨガを補完代替医療として積極的に取り入れている人も少なくありません。サプリメントや健康食品、漢方薬などの摂取には、副作用が起きるリスクがありますが、ヨガにはそのような副作用が起きるリスクが低いというメリットがあります。

ヨガはがん患者に対して一定の効果が認められているものの、すべてのがん患者に対して有効というわけではありませんし、通常医療の代わりの役割をするわけでもありません。

ですから、ヨガを受ける場合はその点に留意して、医師に相談の上、受けるようにしましょう。

参考文献

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス | 代替療法(健康食品やサプリメント)
  2. 四国がんセンター 補完代替医療とは 大阪大学大学院 医学系研究科 統合医療学寄附講座
  3. 書籍 がん研が作ったがんが分かる本 【新装版】-初歩から最先端、そして代替医療まで
  4. 冊子 厚生労働省 「統合医療」に係る情報発信等推進事業 がんの補完代替医療ガイドブック【第3版】
  5. その他

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