L-アスパラギナーゼ(ロイナーゼ)の効果・効能・副作用など

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2017.1.1

【 基本情報 】
一般名 商品名 欧文略語
L-アスパラギナーゼ ロイナーゼ L-ASP
薬の効果・効能 アスパラギンの分解による、急性白血病と悪性リンパ腫の治療
代表的な副作用 アナフィラキシー症状・脳出血・急性膵炎・糖尿病など
適応されるがんの種類 急性白血病(慢性白血病の急性転化含む)・悪性リンパ腫

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L-アスパラギナーゼの働きと効果・効能

L-アスパラギナーゼは、「抗がん性抗生物質」に分類される抗がん剤の1つです。協和発酵キリンから「ロイナーゼ」という点滴薬として販売されており、点滴静注によって投与されます。

がん細胞が増える際には、DNAやRNAなどの核酸を合成するためのタンパク質が必要になります。

そのためのアミノ酸の1つに「アスパラギン」がありますが、それを「アスパラギン酸」と「アンモニア」に分解してしまうのがL-アスパラギンです。

健康な人の体では、L-アスパラギンは自然に合成されるため必須アミノ酸ではありませんが、急性白血病悪性リンパ腫にかかっている人では十分に合成することができないため、体外からとり入れる必要があります。

そこで人工的にL-アスパラギンを投与するための薬が、L-アスパラギナーゼです。

L-アスパラギナーゼを投与すると、増殖に必要なアスパラギンが枯渇してしまうため、がん細胞は死滅に追い込まれます。

主に急性白血病の寛解導入療法(初期治療)として投与されており、ビンクリスチンシクロホスファミドプレドニゾロンなどと併用することが一般的です。

特に小児に多い急性リンパ性白血病の治療においては重要な役割を担っており、成人の白血病との治療成績に差がある一因とも言われているほどです。

L-アスパラギナーゼの副作用

痙攣

注意すべきL-アスパラギナーゼの副作用としては、まずアナフィラキシーショックが挙げられます。

特に点滴開始後1時間は慎重な経過観察を行い、万一のためのステロイド投与や酸素吸入などの準備をしっかりと行うことが大切です。

また脳出血や脳梗塞、肺出血などの副作用も起こることがあるため、治療中はこまめに検査を行います。成人はもちろん、小児であっても血栓症のリスクがありますので注意が必要です。

他には急性膵炎の副作用もあるため、腹痛や嘔吐などの症状には気をつける必要があります。

さらに糖尿病もL-アスパラギナーゼの副作用の1つですので、血糖値を測定するとともに、多飲多尿などの症状が出た際には休薬して血糖値をコントロールしなくてはいけません。

L-アスパラキナーゼ使用に伴うリスク

L-アスパラキナーゼは小児性小児急性リンパ性白血病や悪性リンパ腫に対する標準治療を行う上で、不可欠とも言っていいほど大きな役割を果たす薬剤の一つです。

しかし、L-アスパラキナーゼを治療に用いる際には、留意しておかなければならない点があります。それはL-アスパラキナーゼは使用回数を重ね、使用が長期間にわたってくると、アレルギー反応などの副作用が強く表れやすいという点です。

現在日本で使用されているアスパラキナーゼ製剤は、「ロイナーゼ」ただ一つです。

ロイナーゼは大腸菌を由来として製造された薬剤ですが、使用回数を重ねることによってアレルギー反応が出現しやすくなるという報告がなされています。

薬剤によるアレルギー反応は重篤な全身症状をもたらす危険性があるため、それ以降はロイナーゼを用いた治療を行うことはできなくなってしまいます。

こうした事態を防ぐために、ロイナーゼ投与の際はアレルギーを抑制する薬剤を同時に投与するなどの工夫がされているのですが、全ての症例においてアレルギーをゼロにすることは困難です。

そのため、アレルギー反応の出現により、やむなく薬物治療を中断せざるをえないケースも多くみられます。

薬物療法の中止は、それまで薬剤によって抑制していたがんの進行や再発を抑えることができなくなるということを意味します。

薬剤によるアレルギー反応のために治療を中断した結果、がんによって命を落としてしまうケースも少なからず存在します。

現在使用されているL-アスパラキナーゼは、治療効果も高いけれど、使用に伴うリスクも大きいという複雑な薬剤なのです。

L-アスパラキナーゼの代替薬「エルウィナーゼ」

大腸菌を由来としたアスパラキナーゼ製剤(日本ではロイナーゼ)に対してアレルギー反応を起こしてしまった場合は、大腸菌を由来としないアスパラキナーゼ製剤「エルウィナーゼ」の代替投与によって、薬物治療を継続することが可能となります。

しかし、前述のとおり、現在日本で使用されているアスパラキナーゼ製剤は協和発酵キリンの「ロイナーゼ」ただ一つです。

海外においてエルウィナーゼはその有用性が評価され、大腸菌由来のアスパラキナーゼ製剤の代替薬として標準療法として位置づけられているのに対し、日本では利用が承認されていないため、一般には流通しておらず、保険の適用もありません。

そのため、利用を希望される方は個人輸入によってエルウィナーゼを入手し、治療を継続しているケースがほとんどです。

現在のところは、まだ国内でエルウィナーゼを一般的に利用できる段階ではありませんが、2010年7月、日本の製薬会社・大原薬品が米国のEUSA Pharma(ユーサファーマ)から日本におけるエルウィナーゼの開発・販売権を取得しました。

今後、開発・研究が進み、国内での使用承認を獲得することができれば、L-アスパラキナーゼの代替薬として広く普及するようになるかもしれません。

参考文献

  1. 書籍 がん化学療法の薬-抗がん剤・ホルモン剤・分子標的薬・支持療法薬-はや調べノート2017・2018年版 (プロフェッショナルがんナーシング2017年別冊)
  2. 添付文書
  3. インタビューフォーム
  4. その他

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