フルオロウラシル(5-FU)の効果・効能・副作用など

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2017.1.1

【 基本情報 】
一般名 商品名 欧文略語
フルオロウラシル 5-FU 5-FU
薬の効果・効能 DNA合成阻害による、大腸がんなどの治療
代表的な副作用 骨髄抑制・下痢・手足症候群・肝機能障害など
適応されるがんの種類 大腸がん・乳がん・食道がん・胃がん・頭頸部がんなど

フルオロウラシルの働きと効果・効能

フルオロウラシルは、代謝拮抗薬の中でも「ピリミジン拮抗薬」に分類される抗がん剤の1つです。

国内では協和発酵キリン株式会社から「5-FU」という注射薬として販売されており、静脈注射もしくは点滴静注によって投与されます。

フルオロウラシルは40年以上前に開発された抗がん剤ですが、その後多くの薬が登場する中でも、主に大腸がんの化学療法において中心的な役割を担っています。

また経口薬の「テガフール・ウラシル(ユーエフティ)」や、「カペシタビン(ゼローダ)」などは、フルオロウラシルをもとに開発された薬です。

私たちのDNAを構成する塩基には、「プリン塩基(アデニン・グアニン)」と「ピリミジン塩基(チミン・シトシン・ウラシル)」がありますが、このうちウラシルの一部にフッ素を結合させて人工的に作り出したピリミジン塩基が、フルオロウラシルです。

これを投与すると、正常な塩基と間違われて体内に取り込まれ、細胞のコピーがうまくいかなくなるため、がん細胞は自死に追い込まれます。

大腸がんや乳がん食道がんや頭頸部がんなどの治療に適用されており、他の薬との併用療法によって投与されます。

たとえば大腸がんでは、フォリン酸とオキサリプラチンと併用する「FOLFOX療法」や、フォリン酸とイリノテカンと併用する「FOLFIRI療法」などがよく行われており、特に転移進行性の大腸がんにおいて第一選択となっています。

フルオロウラシルの副作用

骨髄抑制

フルオロウラシルの副作用としては、まず骨髄抑制が挙げられます。フルオロウラシルの投与方法には、急速静注と、24時間以上をかけてゆっくりと投与する点滴静注の2種類があり、特に急速静注のほうが骨髄抑制の副作用が現れやすくなります。

一方、点滴静注では、手のひらや足裏に皮疹や角化が起こる手足症候群や、下痢、口や鼻などの粘膜刺激症状などが多く見られます。

またフルオロウラシルは併用療法として用いられるため、他の薬による副作用にも注意が必要です。たとえばオキサリプラチンでは末梢神経障害が起こることがあります。

これらの副作用は、治療の回数を重ねるごとに強まっていくことが一般的です。副作用からの回復のために、1回の治療ごとに1~3週間の休薬期間が置かれますが、多くの患者さんでは6ヶ月以上継続することは難しいとされています。

5-FU(フルオロウラシル)の最新の適応について

5-FUは1956年に合成され、基礎や臨床の研究が進み、有効性が確立されている抗がん剤です。今でも、さらに有効性の認められるがんの種類が増え、適応が拡大しています。最新の5-FUの情報をお伝えします。

5-FUの製剤の種類

5-FUは、現在、注射剤、経口剤、軟膏剤の3つの製剤が発売されています。それぞれ製剤ごとに、適用できるがんの種類は異なります。

5-FUの注射剤

胃癌、肝癌、結腸・直腸癌(大腸癌)、乳癌、膵癌、子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌に使用します。食道癌、肺癌、頭頸部腫瘍に対しては、他の抗がん剤又は放射線療法との併用であれば使用できます。

また、頭頸部癌に対しては、他の抗がん剤との併用が必須です。結腸・直腸癌および切除不能な膵癌に対しては、レボホリナート・フルオロウラシル持続静注併用療法が行われます。

5-FUの経口剤

胃癌、結腸・直腸癌(大腸癌)、乳癌、子宮頸癌に対して適応があります。5-FUの副作用を少なくするために体内に入ってから5-FUに代謝されて効果を表すテガフールという薬や、効果を高めるための工夫がされたテガフール・ウラシル合剤(UFT)、TS-1もあります。

5-FUの経口剤は、注射薬と同等の効果があり、術後の化学療法を外来で出来るようにした立役者とも言えます。

5-FUの軟膏剤

各種の皮膚癌に対して使用します。皮膚癌の治療は手術による切除が基本ですが、表在型の皮膚癌に対して、非常に効果が高い薬です。

ただし、皮膚癌の種類や発生場所、癌の深さなどによって、癌が皮膚の深い部分に残ってしまう可能性があり、適応できないこともあります。

使用方法は主治医の指示に従いますが、皮膚癌の部分に、1日1~2回、サランラップのような防水フィルムで覆う閉鎖密封療法で、少なくとも3~6週間塗ります。

5-FUを併用する代表的なレジメン

5-FUと他の抗がん剤を、その特徴を生かして組み合わせることで、手術ができない進行した癌や、再発例に対する治療で、有効性が認められたり、生存期間の延長が期待できるようになりました。

5-FU+LV療法

主に大腸癌や胃癌のレジメンです。

5-FU持続静注にホリナートカルシウム(LV)という葉酸から作った薬を併用することで、5-FUの作用を増強し、5-FUを単独で投与した場合よりも、生存期間を延ばす効果が認められています。

FOLFILI(フォルフィリ)療法

大腸癌のレジメンです。

5-FU+LV療法に、イリノテカンという抗がん剤を併用する方法です。イリノテカンは5-FUとは異なるメカニズムでがん細胞を死滅させる効果があります。

FPLFOX(フォルフォックス)療法

大腸がんのレジメンです。

5-FU+LV療法に、オキサリプラチンという抗がん剤を併用する方法です。オキサリプラチンは、プラチナの化合物でがん細胞の遺伝子に作用する薬です。

各薬剤の投与量や投与方法の違いで、FOLFOX4、mFOLFOX6など、さまざまな組み合わせのレジメンが研究されています。

FOLFILI療法またはFOLFOX療法に分子標的薬を併用

分子標的薬とは、癌細胞の増殖や転移に関係する特定の分子やタンパク質などを標的にする薬で、癌細胞だけに作用します。

2人に1人は癌になる時代において、新薬の開発も重要ですが、有効性が確立した5-FUにさまざまな抗がん剤や新しいタイプの薬を組み合わせる研究が進んでいます。

癌も治る病気、共に生きる病気となる時代がくることに期待しましょう。

参考文献

  1. 書籍 がん化学療法の薬-抗がん剤・ホルモン剤・分子標的薬・支持療法薬-はや調べノート2017・2018年版 (プロフェッショナルがんナーシング2017年別冊)
  2. 添付文書
  3. インタビューフォーム
  4. その他

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