パクリタキセル(タキソールなど)の効果・効能・副作用

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2016.12.25

後藤 宏顕

この記事の監修者

江戸川病院 腫瘍血液内科 医長 後藤 宏顕

【 基本情報 】
一般名 商品名 欧文略語
パクリタキセル タキソールなど PTX, TXL
薬の効果・効能 DNAの合成阻害による、臓器がんの治療
代表的な副作用 骨髄抑制・末梢神経障害・過敏症・関節痛・脱毛など
適応されるがんの種類 非小細胞肺がん・胃がん・子宮がん・乳がん・卵巣がん・子宮頸がんなど

パクリタキセルの働きと効果・効能

パクリタキセルは、「微小管阻害薬」の中でも「タキサン系」に分類される抗がん剤の1つで、点滴静注によって投与されます。

パクリタキセルは、イチイ科の植物から抽出された成分を使って作られた抗がん剤です。

化学構造的に「タキサン環」を持つことから、タキサン系と呼ばれています。

作用機序は他の微小管阻害薬と同様、細胞分裂に関わる「微小管」を阻害することによって、がん細胞の増殖を抑えます。ただしタキサン系の薬は、役割を終えた微小管に働きかける点が特徴です。

微小管は細胞分裂時に、束のように固まって「紡錘糸」という糸のような組織となり、コピーされたDNAを新たな細胞へと引っ張る役割を果たします。

ビンカアルカロイド系などの微小管阻害薬では、束状に固まる「重合」を阻害しますが、タキサン系はそれが元に戻る「脱重合」を阻害する薬です。

パクリタキセルの適応は幅広く、乳がん胃がん卵巣がん、非小細胞肺がんなどの臓器がんに活用されています。代表的なレジメンとしては、カルボプラチン(パラプラチン)と併用する「TC療法」があり、特に卵巣がんの標準治療として行われています。

パクリタキセルの副作用

骨髄抑制

パクリタキセルでは、骨髄抑制や吐き気などの抗がん剤によく見られる副作用のほか、頻脈や紅潮、発汗、発疹などの「過敏症」が現れやすい点が特徴です。

パクリタキセルと、添加物であるポリオキシエチレンヒマシ油が原因と考えられており、多くは投与から10分以内に発症します。

これを予防するため、ステロイド薬や抗アレルギー薬を前投与する必要があります。

また末梢神経障害も代表的な副作用です。パクリタキセルの末梢神経障害は「手袋靴下型」と呼ばれ、手首や足首から先のほうにしびれや痛みが出てきます。

症状に応じて、マッサージやリハビリなどを行います。 症状が強いときは薬剤の減量・中止を検討することもあります。

その他、関節痛や筋肉痛も高頻度で見られるほか、一時的ではありますが全身的な脱毛も起こります。

特に脱毛はほぼ必発の副作用ですので、帽子やウィッグなどを活用しながら適切に対処することが大切です。

パクリタキセルを投与するにあたっての注意点

抗悪性腫瘍剤のパクリタキセルは、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に関する十分な知識と経験を持つ医師のもとでのみ投与されます。

患者とその家族は、医師からパクリタキセルの有効性と副作用について十分な説明を受けた上で、投与に同意するかどうかを決めることができます。

パクリタキセルにはまれにですが、骨髄抑制に起因したと考えられる敗血症、脳出血による死亡例、あるいは高度の過敏反応に起因したと考えられる死亡例が報告されています。

また、重篤な骨髄抑制などの副作用が起こることもありますので、使用する前には、血液検査、肝機能検査、腎機能検査などの臨床検査を頻繁に行い、患者の状態を観察した上で投与する必要があります。

パクリタキセルによる重篤な過敏症(呼吸困難、胸痛、低血圧、頻脈、徐脈、潮紅、血管浮腫、発汗など)を防止するために、パクリタキセルを投与する前には、必ず前投薬を行って患者の状態を十分に観察した上で投薬に進みます。

ただしまれではありますが、前投薬を実施した患者においても死亡例が報告されていますので、重篤な過敏症が発現した場合には直ちに投薬を中止し、適切な処置を行うことが求められます。

パクリタキセルが投与できない方

パクリタキセルは、以下の方に対して投与することができません。

パクリタキセルを投与できない人

  • 1.重篤な骨髄抑制のある患者
  • 2.感染症を合併している患者
  • 3.パクリタキセルもしくはポリオキシエチレンヒマシ油含有製剤に対して過敏症になったことがある患者
  • 4.妊婦または妊娠している可能性がある方
  • 5.ジスルフィラム、シアナミド、カルモフール、プロカルバジン塩酸塩を投与中の患者

パクリタキセルを慎重に投与するべき方とその理由

パクリタキセルを注意して投与すべき人

  • 1.骨髄抑制のある患者:骨髄抑制を悪化させるおそれがある
  • 2.肝障害のある患者:代謝機能が低下しているため、副作用が強く現れるおそれがある
  • 3.腎障害のある患者:腎機能の低下により、副作用が強く現れるおそれがある
  • 4.高齢者:高齢者は一般に生理機能が低下していることが多く、骨髄抑制などが現れやすいため
  • 5.アルコールに過敏な方:パクリタキセルには無水エタノールが含まれているため、アルコールの中枢神経系への影響が強く現れるおそれがある
  • 6.間質性肺炎又は肺線維症のある患者:症状を悪化させるおそれがある

※「日本化薬株式会社 パクリタキセル説明書を参考に作成」を参考に作成

参考文献

  1. 書籍 がん化学療法の薬-抗がん剤・ホルモン剤・分子標的薬・支持療法薬-はや調べノート2017・2018年版 (プロフェッショナルがんナーシング2017年別冊)
  2. 添付文書
  3. インタビューフォーム
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