がんと「アガリクス」

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掲載している情報は一般論であり、医師や主治医の指示に従うようにしましょう。特にがん領域においては複数の医師の意見を聞くセカンドオピニオンも大切です。

2017.3.5

サプリメントは薬ではなくあくまでも栄養補助食品です。科学的な根拠(エビデンス)がなく効果が不明瞭なだけでなく、中には治療に悪影響を与えるものもありますので、服用を検討する場合は必ず主治医によく相談して特に注意するようにしましょう。
アガリクス
項目 詳細
名称 アガリクス
噂されている効果・効能 抗がん作用、生活習慣病の予防効果など
科学的根拠 ヒトを対象にした抗がん効果については信頼できる科学的根拠となるものはありません。
副作用・注意事項 お腹の張りや下痢、などのほか、発疹などが出たという報告があります。また、肝機能障害や黄疸が出たという例もあります。

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1.アガリクスとは

アガリクスとは、ハラタケ科のハラタケ属に属するキノコの総称のことです。

アガリクスには数多くの種類がありますが、一般に「アガリクス」という場合は、健康食品として流通している「アガリクス・ブルゼイ・ムリル」のことを指します。

原産地はブラジルですが、中でもブラジル東南部のピエダーテ地方に自生しています。

ブラジルのピエダーテ地方の人々には生活習慣病が少ないことに注目した米国の学者がアガリクスの研究を始めたことから、アガリクスの効果や効能が注目されるようになりました。

日本には1965年に食用として持ち込まれましたが、1970年代後半からは日本国内でも人工栽培されるようになりました。日本では「ヒメマツタケ」としても知られています。

1‐1.アガリクスに含まれている成分

アガリクスには、キノコ特有の多糖体であるβグルカンのほかにビタミンB2やビタミンD、マグネシウム、カリウムなどが含まれています。

βグルカンは抗がん作用があるとして注目されている成分ですが、一般的なキノコ類には1種類か2種類しか含まれていません。しかし、アガリクスに含まれているβグルカンは6種類と種類が豊富なのが特徴です。

(参考:なぜキノコ類に含まれる「βグルカン」はがんに効くと言われているのか?

2.アガリクスにあると噂されている効果・効能

アガリクスにあると噂されている効果・効能には次のようなものがあります。

  • 抗がん作用
  • 生活習慣病の予防・改善
  • 自律神経失調症の改善
  • 更年期障害の改善
  • 乳がん子宮がんなど女性特有の病気の改善
  • アレルギー・花粉症の緩和
  • 育毛効果
  • 心臓・肝臓などの臓器の保護作用

アガリクスに含まれるβグルカンは、免疫力を高める効果があるといわれています。がんの原因のひとつとして免疫力の低下が挙げられますが、アガリクスは免疫力を高めるため抗がん作用があると考えられています。

また、高脂血症や動脈硬化などの生活習慣病、さらには更年期障害や乳がん・子宮がんといった女性特有の病気の予防や改善にも効果があるともいわれていますし、心臓・肝臓などの保護やアレルギー症状の緩和、自律神経失調症の改善にも役立つという声があります。

加えて、アガリクスに含まれているアミノ酸が髪の成長を促すといわれており、育毛効果も期待できると考えられています。

3.アガリクスががんに効くという科学的根拠はない?

検査

さまざまな効果や効能が噂されているアガリクスですが、特に抗がん効果があることで注目されているサプリメントのひとつです。

アガリクスのサプリメントの多くは、「がんに効く!」ということを売りにしていますし、アガリクスについて書かれた本の多くには、「がんが消えた!」「がんが治った」という症例が多く記載されています。

実際に、がん患者が飲んでいるサプリメントランキングではアガリクスは第1位にランクインしていますから、抗がん目的で利用している方が多いことが分かります。(参考:2005年 厚生労働省研究班調べ 補完代替医療の利用実態調査)

このように、がんに効くということで知名度の高いアガリクスですが、実際にはアガリクスの抗がん効果について科学的に調べた研究は驚くほど少ないのが実情です。

例えば、米国のNLM(国立医学図書館)の部署であるNCBI(国立生物工学情報センター)が運営している医学・生物文献データベースである「Pub Med」でアガリクスを検索しても、情報数は100件にも満たないといわれています。(参考:「抗がんサプリメントの効果と副作用徹底検証!」三省堂)

しかも、それらの研究報告はヒトを対象とした臨床試験はなく、マウスなどの動物を使った実験が主となります。

動物実験においては、がん細胞を移植したマウスにアガリクス抽出エキスを投与した結果、がん細胞の増殖が抑えられたほか、がんの消失も確認されたという症例がいくつもあります。

ただ、動物実験において抗がん作用が認められたからといって同様の効果がヒトにもみられるとは言い切れません。

実際に、2003年に日本癌学会で発表された大阪府立成人病センター消化器外科と兵庫県医科大学の医師グループによるアガリクスの臨床試験では、肝細胞がんで外科手術を受けた40人の患者さんにアガリクス抽出液を2年間にかけて飲んでもらい、飲まなかったグループと比較した結果、特に相違はみられなかったという結果もみられています。(参考:「抗がんサプリメントの効果と副作用徹底検証!」三省堂)

厚生労働省もアガリクスについて「ヒトに対する有効性については確認していない」とコメントしていますから(参考:厚生労働省 アガリクス(カワリハラタケ)を含む製品に関するQ&A)、抗がん目的のためにアガリクスの購入を検討するにあたっては、アガリクスの抗がん効果については現時点では科学的な根拠はないという点を覚えておくようにしましょう。

4.アガリクスの副作用と注意事項

アガリクスの服用については、お腹の張りや下痢などの副作用のほか、発疹や皮膚の痒みといった症状が報告されています。

また、肝機能障害や黄疸が出たという声も聞かれますから、服用の際にはそのような副作用が出る可能性もあるという点を覚えておくようにしましょう。

もちろん、アガリクスについてはヒトに対する臨床試験が乏しいので、これらの症状すべてがアガリクスによって引き起こされたものと断定することはできず、他の薬や健康食品の摂取によってこのような副作用が引き起こされた可能性も否めません。

しかし、このような報告がされている以上、絶対的に安全ということはできないという点を思いに留めておいてください。

もし、アガリクスの摂取中に何らかの異変が生じた場合は、すぐに服用を中止し、医師の診察を受けるようにしましょう。

また、がん患者のアガリクスの摂取については、あらかじめ医師に知らせておくことが大切です。

がんの治療中には、症状が急変するということも少なくありませんから、それに適切な仕方で対応するためにも、担当医には患者さんの服用中の薬だけでなく、利用している健康食品などの情報も知っておく必要があるからです。

参考文献

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス | 代替療法(健康食品やサプリメント)
  2. 書籍 抗がんサプリメントの効果と副作用徹底検証!
  3. 四国がんセンター 補完代替医療とは 大阪大学大学院 医学系研究科 統合医療学寄附講座
  4. 書籍 がん研が作ったがんが分かる本 【新装版】-初歩から最先端、そして代替医療まで
  5. 冊子 厚生労働省 「統合医療」に係る情報発信等推進事業 がんの補完代替医療ガイドブック【第3版】
  6. その他

がんとわかる前にがん保険を検討しよう!

がん保険はがんになってからでは加入できません。またがん保険は医療保険と違い、持病や既往歴があっても問題ないケースが多いのが特徴です。

がんになった際の治療費が心配な方は、がんになる前に一度資料請求をして検討してみるとよいでしょう。

FPが選ぶおすすめがん保険人気ランキングの上位2社をご紹介しておきます。

チューリッヒ生命がん保険
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1位:医師向け転職サービス

参照:医師の転活

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