なぜキノコ類に含まれる「βグルカン」はがんに効くと言われているのか?

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掲載している情報は一般論であり、医師や主治医の指示に従うようにしましょう。特にがん領域においては複数の医師の意見を聞くセカンドオピニオンも大切です。

2017.3.5

サプリメントは薬ではなくあくまでも栄養補助食品です。科学的な根拠(エビデンス)がなく効果が不明瞭なだけでなく、中には治療に悪影響を与えるものもありますので、服用を検討する場合は必ず主治医によく相談して特に注意するようにしましょう。
アガリクス

がんに効くといわれているサプリメントの代表といえるのがキノコ類に含まれている「βグルカン」です。

そのため、アガリクス霊芝(レイシ)メシマコブといったキノコ類のサプリメントはがん患者にも人気の高いサプリメントとして知られています。

しかし、どうしてβグルカンはがんに効くと言われているのでしょうか?

ここでは、キノコ類に含まれるβグルカンががんに効くと言われている理由について解説したいと思います。

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1.そもそもβグルカンとは?

検査

βグルカンは多糖類のひとつで、食品化学では食物繊維として分類されます。

キノコ類だけでなく、酵母などにも含まれているものです。

βグルカンは、1941年に米国のルイス・ピレマー博士によってパン酵母の細胞壁から抽出して発見されました。ただ、この時はβグルカンとは呼ばれず、『ザイモン』と名づけられました。

βグルカンと呼ばれるようになったのは、それから約20年が経過した1960年代のことです。

米国のチュレーン大学の創立者でもあるニコラス・ディルジオ博士がパン酵母の細胞壁から高分子多糖体を抽出して、それを『β-1.3Dグルカン』と名づけました。

1‐1.グルカンにはαグルカンとβグルカンとがある

グルカンとは、グルコース(ブドウ糖)が多数結合して構成されたものの総称で、αグルカンとβグルカンとに分けることができます。

αグルカン

αグルカンとして分類されるものには、でんぷんやデキストリン、アミロース、グリコーゲンなどがあります。

αグルカンは、炭水化物が多い植物、つまりお米やうるち米、じゃがいも、トウモロコシなどに多く含まれていて、食物の甘みに関係しています。

βグルカン

βグルカンはキノコ類や酵母類、また大麦などに多く含まれています。βグルカンも、その結合形態によってさまざまな種類に分けられますが、特にキノコ類に多く含まれているβ‐Dグルカンが健康維持には役立つといわれています。

β‐Dグルカンはグルコースの結合位置によって、β-1.3Dと1.6Dとに分けることができます。

2.βグルカンの働き

免疫

βグルカンには、白血球の一種であるマクロファージという細胞を活性化させるため、免疫力を高める効果があるといわれています。

マクロファージには、体内に入ったウイルスや細菌、異物を自分の細胞内に取り込んで、細胞内の強力な消化酵素で分解してしまう働きがあります。

一般的にはこの働きを貪食(どんしょく)作用と呼んでいますが、マクロファージにはこのような作用があるために、体外から侵入したウイルスや細菌への感染から身体を守る働きが期待されています。

また、マクロファージが活性化すると、炎症や免疫に関係するさまざまな酵素やサイトカイン(細胞が産生するタンパク質で、免疫細胞を調節する働きがある)を合成するようになるので、あらゆる免疫細胞が次々と活性化されていきます。

ですから、マクロファージを活性化させる働きがあるβグルカンには免疫力を高める効果があるといわれているのです。

3.βグルカンががんに効くと言われている理由

βグルカンががんに効くと言われている理由は、βグルカンに免疫力を高める効果があるためです。

がんになってしまう理由のひとつに免疫力の低下が挙げられます。免疫力が低下すると、がん細胞を撃退することができなくなるために、どんどんとがん細胞が増殖してしまい、がんが発生したり、進行したりしてしまう原因となってしまいます。

しかし、反対に免疫力を高めてあげることができれば、がんを消滅させたり、がんの再発を予防したりすることができると考えられます。

βグルカンには、マクロファージを活性化させることで免疫力を高める効果があると考えられています。そのため、βグルカンを摂取するとがんの予防や治療に効果があるといわれているのです。

4.動物実験では証明されているがんへの効果

実際にβグルカンががんに効くのかという点については、動物実験ではがんへの効果が実証されています。

マウスを使った実験では、注射でβグルカンを投与したマウスは、細菌への抵抗力が増し、移植したがんが消滅したという例が数多く報告されています。

ただし、マウスなどの動物を使った実験結果がヒトに経口投与した場合にも当てはまるかというと、そうとはいえません。

4‐1.ヒトが口から摂取した場合の効果については証明されていない

動物実験では注射を使ってβグルカンを体内に注入することで、がんへの効果がみられたという報告が数多くあるものの、実はヒトがサプリメントなどによって口からβグルカンを摂取した場合に同様の効果がみられたということは証明されていません。

βグルカンを投与することによって、マウスに植えた腫瘍が9割以上消滅したという実験結果が宣伝に使用されることがありますが、これはあくまでもβグルカンを注射で投与した時に限定されるという点を覚えておきましょう。

ヒトが口からβグルカンを摂取する場合に、腫瘍が縮小したり、消滅したりするという効果については証明されていませんので、βグルカンへ過度の期待をすることは避けるようにしたいものです。

4‐2.実はβグルカンを分解する酵素をヒトは持っていない

免疫力を高める効果があるといわれているβグルカンですが、実はわたし達の身体はβグルカンを分解する酵素を持っていません。

では、どのようにして免疫力を高めることができるのかという疑問が生じますが、これには面白い仮説があります。

この仮説によると、ヒトはβグルカンを分解する酵素を持っていないためにβグルカンを吸収することはできないものの、βグルカンが腸を通過する時に腸粘膜のリンパ組織を刺激して腸管免疫を活性化し、その結果免疫力を高めることができるというものです。

これは納得できる説明に思えますが、あくまでも仮説に過ぎず、実験によって証明されているわけではありませんので、鵜呑みにはできないという点を忘れないようにしましょう。

5.ある程度の効果は期待できるものの、過信は禁物

免疫力を高める効果があるためにがんに効くといわれているβグルカンですが、ヒトのがんへの効果については証明されていませんので、βグルカンで「がんを治そう」とか「再発を予防しよう」などと考えるのは避けるようにしましょう。

ただ、βグルカンには免疫力を高める効果があることは証明されていますので、がんの再発予防のために抗がんサプリメントとしてβグルカンを摂取することにはある程度の効果が期待できるでしょう。

参考文献

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス | 代替療法(健康食品やサプリメント)
  2. 書籍 抗がんサプリメントの効果と副作用徹底検証!
  3. 四国がんセンター 補完代替医療とは 大阪大学大学院 医学系研究科 統合医療学寄附講座
  4. 書籍 がん研が作ったがんが分かる本 【新装版】-初歩から最先端、そして代替医療まで
  5. 冊子 厚生労働省 「統合医療」に係る情報発信等推進事業 がんの補完代替医療ガイドブック【第3版】
  6. その他

がんとわかる前にがん保険を検討しよう!

がん保険はがんになってからでは加入できません。またがん保険は医療保険と違い、持病や既往歴があっても問題ないケースが多いのが特徴です。

がんになった際の治療費が心配な方は、がんになる前に一度資料請求をして検討してみるとよいでしょう。

FPが選ぶおすすめがん保険人気ランキングの上位2社をご紹介しておきます。

チューリッヒ生命がん保険
メットライフガードエックス

1位:医師向け転職サービス

参照:医師の転活

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