悪性黒色腫(メラノーマ)の基礎知識

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2017.1.1

  • 皮膚がんの一種
  • 紫外線が一因と考えられている
  • ほかの皮膚がんに比べて転移しやすい

悪性黒色腫(メラノーマ)は、皮膚がんの一つです。皮膚の中にある「色素細胞(メラノサイト)」や、ほくろ(母斑細胞)から発生します。

日本人の罹患率はそれほど高くはありませんが、皮膚がんの中でも悪性黒色腫はリンパ節転移しやすく、悪性度が高い点が特徴です。

まだサイズの小さいうちから転移することもあるため、早期発見が重要になります。

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悪性黒色腫のできる部位

私たちの皮膚は、表面を覆う「表皮」と、その下にある「真皮」「皮下組織」の3つに大きく分かれます。このうち、 皮膚がんが発生するのは表皮です。

表皮は、外側から「角層・顆粒層・有棘層・基底層」の4層で構成されており、どの層に発生するかによって皮膚がんの種類が異なります。

悪性黒色腫は、基底層の中にある「色素細胞(メラノサイト)」から生じるものが大半です。

悪性黒色腫(皮膚)

色素細胞は、皮膚や髪の毛の色を決めるメラニンという色素を含んだ細胞ですが、これが何らかの原因で刺激を受けると、がん化すると考えられています。

色素細胞のほかに、普通のほくろ(母斑細胞)が刺激を受けることによっても、悪性黒色腫に変化することがあります。

つまり、悪性黒色腫は皮膚のある場所なら全身どこにでも発生する可能性のあるがんです。

皮膚以外では、目の中や口内の粘膜、まれなケースでは食道や直腸にも発生することがあります。

悪性黒色腫の統計

悪性黒色腫の罹患者数を国別でみると、もっとも多いのはオーストラリアのクイーンズランド州です。

一般的に、白色人種の多い地域ほど発生率が高く、有色人種の多いアジアには少ない傾向がみられます。

実際、日本での罹患者数は年間およそ1,500~2,000人で、10万人のうち1.5~2人程度という頻度です。

年齢では60代以降に多く発生しますが、中には若い年齢で罹患する人もいます。ちなみに、男女差はほとんどありません。

発生部位としては、白色人種では体幹や手足が多いのに対し、日本人では足の裏が約40%ともっとも多く、次いで体幹・頭頸部・手指・下肢・上肢となっています。

罹患率は低いとはいえ、普段なかなかチェックしない足裏にできやすい点には注意が必要です。

悪性黒色腫の原因

悪性黒色腫を引き起こす要因として、もっとも有力視されているのは紫外線です。

一般的に、色素細胞に含まれるメラニン色素が少ない人ほど紫外線の影響を強く受けるため、悪性黒色腫も白色人種の罹患率が高くなっています。

特にオーストラリアの罹患率が高いのは、紫外線量が多い地域であることが一因です。

一方、日本では紫外線のあたらない足裏での発生が多いことから、外部からの慢性的な刺激も原因になる可能性があるとみられています。

その他、特に白色人種では悪性黒色腫を発症しやすい家系があることが分かっているため、一部は遺伝的な体質も関係していると考えられています。

悪性黒色腫の症状

悪性黒色腫は、大きく4つのタイプに分けられ、それぞれ症状に特徴があります。

末端黒子型黒色腫

日本人にもっとも多いタイプで、足裏や手のひら、手足の爪などに好発します。

最初は、褐色~黒褐色の平たい色素斑ができ、しだいに黒っぽくなって、中心部が硬くなったり潰瘍ができたりします。

爪の場合は、黒褐色の縦すじが現れ、それがどんどん爪全体に広がっていきます。

表在拡大型黒色腫

色素細胞ではなく、普通のほくろ(母斑細胞)から発生するとみられるタイプです。

最初は少し隆起したシミのようなものが現れ、それがしだいに盛り上がり、形がいびつになったり、色ムラができたりします。進行は比較的ゆるやかです。

結節型黒色腫

悪性黒色腫の中でも、もっとも進行の速いタイプです。最初から立体的に盛り上がっており、黒もしくはまだらな色をしています。

悪性黒子型黒色腫

顔や首、手など、紫外線のあたる部位に発生しやすいタイプで、高齢者に多くみられます。

最初は褐色~黒褐色の平らな色素斑として現れ、数年かけて色が濃くなっていき、サイズも大きくなります。

このように、悪性黒色腫の症状は病型によってさまざまですが、一般的に「形がいびつ」「色に濃淡がある」「急速に成長している」「長径が6 mm以上ある」ような色素斑がある場合は、念のため皮膚科を受診することをおすすめします。

悪性黒色腫の診断・検査

悪性黒色腫は、初期のころには普通のほくろとの区別がつきにくく、診断が難しいケースもありますが、最近は「ダーモスコープ」という検査機器が登場したことで、検査の精度は大きく上がっています。

ダーモスコープは、皮膚疾患専用の拡大鏡で、病変を10~30倍ほどに拡大して観察できます。

これによって、色素の分布や構造などが詳しくわかるため、良性と悪性の区別がつきやすくなりました。

ダーモスコープを使った検査でも診断がつかない場合は、病変の一部を切り取って、顕微鏡で調べる病理組織検査(生検)を行なう場合もあります。

以前までは、生検がむしろ刺激となって転移のリスクを上げる可能性があるとして、あまり積極的に行なわれていませんでしたが、最近ではこの考え方は否定されつつあり、必要に応じて実施されています。

ただし頭頸部の場合、一部だけを切り取る「部分生検」によって生存率が下がるというデータがあるため、病変をすべて切除する「全切除生検」が推奨されています。

上記のほか、病巣の広がりや転移の状況などを調べるために、超音波やCT、MRIなどの画像検査が行なわれることもあります。

悪性黒色腫の治療

悪性黒色腫では、リンパ節以外に転移のないステージⅢまでであれば、原則として手術が行なわれます。

病変の周りを、余裕をもって切除した上で、リンパ節転移がある場合はリンパ節も一緒に切除します。

ただし、リンパ節を切除すると術後に後遺症が残るリスクが高いため、最近では明らかなリンパ節転移が疑われる場合以外は、まず一番近くのリンパ節だけを取り出して、がん細胞が入っているかどうかを調べる「センチネルリンパ節生検」を行なうことが一般的です。

その結果、がん細胞が見つかった場合は、改めてリンパ節の切除を行ないます。

一方、既に手術ができないステージⅣの場合は、薬物療法や放射線療法などが中心となります。

特に近年は、悪性黒色腫に対する薬物療法の進歩が目覚ましく、従来の抗がん剤のほかにもさまざまな薬が使われるようになっています。

たとえば、「免疫チェックポイント阻害薬」という免疫療法の薬が2014年に承認され、悪性黒色腫に使えるようになりました。

まだ新しい薬のため、副作用には細心の注意が必要ですが、がんを縮小させる一定の効果が認められています。

ほかにも、従来型の抗がん剤より副作用の少ない「分子標的治療薬」や、免疫療法の一つである「インターフェロン製剤」なども活用されています。

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