悪性黒色腫(メラノーマ)の治療法

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2017.1.1

悪性黒色腫の治療法は、以下の3つが代表的です。

  • 手術
  • 薬物療法
  • 放射線療法

このうち、もっとも優先して行なわれるのは手術です。リンパ節以外に転移のないステージⅢまでは、基本的に手術が選択されます。

手術のできないⅣ期、もしくは手術ができた場合でも再発リスクがあると判断された場合は、薬物療法や放射線療法を行ないます。

悪性黒色腫の場合、放射線療法の効き目はあまり良いとはいえませんが、薬物療法の進歩は目覚ましく、効果の高い新しい薬がどんどん登場しています。

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悪性黒色腫の治療の流れ

悪性黒色腫の治療は、ステージ(病期)によって異なります。

悪性黒色腫ステージ別治療法

がん情報サービス「悪性黒色腫(皮膚) 臨床病期と治療」を参考に再作成

同じステージであっても、実際にどの治療が適用されるかは一人ひとりの患者さんによっても異なりますが、一般的にはステージごとに以下のような指針が与えられています。

Ⅰ期

転移がなく、腫瘍がまだ小さいⅠ期では、腫瘍の縁から1センチほど広めに切除が行なわれます。

ただし、指などの部位によっては切断する必要があるため、皮膚を他の部位から移植する「植皮手術」が行なわれることもあります。

Ⅱ期

腫瘍の縁から、1~2センチほど離して切除し、必要に応じて植皮手術を行ないます。

さらに、センチネルリンパ節生検でリンパ節転移の有無をチェックし、転移が疑われた場合はリンパ節郭清(切除)を実施します。

Ⅲ期

腫瘍の縁から約2センチ離して切除した上で、リンパ節郭清(切除)を行ないます。さらに、術後の再発を防ぐために薬物療法や放射線療法を追加します。

IV期

所属リンパ節以外の転移があるⅣ期では、それぞれの状態に応じてさまざまな治療の選択肢があります。

一般的には、薬物療法や放射線療法を組み合わせた「集学的治療」が中心になりますが、転移巣を切除できる場合は手術が行なわれることもあります。

悪性黒色腫の手術

悪性黒色腫の治療の柱ともいえるのが、外科手術です。

悪性黒色腫は、初発病巣(最初にできた病巣)の周りに皮膚転移を起こすケースが多いため、手術では初発病巣の周りを、余裕をもって切除する必要があります。

ステージごとの切除範囲の目安は、以下の通りです。

ステージ 切除範囲
Ⅰ期 初発病巣の縁から約1cm
Ⅱ期 初発病巣の縁から約1~2cm
Ⅲ期 初発病巣の縁から約1~2cm

植皮手術

悪性黒色腫の手術では、切除範囲が広い場合、そのままでは縫合できないため、患者さん自身の皮膚の一部を移植する「植皮手術」を行なうこともあります。

よく使われる皮膚としては、わき腹や太もも、おしりなどが代表的です。

センチネルリンパ節生検

悪性黒色腫の手術で大きな課題となるのが、リンパ節を切除するかどうかということです。

リンパ節を通してがんが全身に転移するリスクを考えると、切除したほうが安全ですが、同時にしびれやむくみなどの後遺症に悩まされる可能性もあります。

そこで、がん細胞が最初にたどり着く「センチネルリンパ節」を手術の際に取り出し、そこにがん細胞が入っているかどうかを調べる「センチネルリンパ節生検」が広く行なわれています。

ここにがん細胞がなければ、その先のリンパ節にも転移はないと考えられますが、もしもがん細胞が見つかった場合は、リンパ節郭清(切除)を実施します。

悪性黒色腫の薬物療法

近年、悪性黒色腫の治療で大きく進歩しているのが、薬物療法です。

従来の抗がん剤に加え、さまざまな新しい薬が登場しています。

免疫チェックポイント阻害薬

手術・化学療法・放射線療法に次ぐ「第4の治療法」といわれているのが、免疫療法です。

患者さん自らの免疫力を高めることで、がんと戦うことを目指した治療ですが、その中でも比較的新しいものに「免疫チェックポイント阻害薬」があります。

近年の研究によると、がん細胞はただ増殖するだけではなく、自らを攻撃してくる免疫細胞のはたらきを弱めることが明らかになりました。

そこで、このメカニズムを妨害するために作られたのが「免疫チェックポイント阻害薬」です。

日本では、2014年に「ニボルマブ(商品名:オプジーボ)」が、そして翌年には「イピリムマブ(商品名:ヤーボイ)」が承認され、一定数の患者さんにがんの縮小効果が認められています。

ただし、まだ新しい薬のため、副作用については慎重に検討されているところです。

分子標的治療薬

分子標的治療薬とは、がん細胞が産生する特殊なタンパクなどを目印にして攻撃する薬です。

従来型の抗がん剤よりも正常な細胞へのダメージが少ないため、副作用が軽く済むメリットがあります。

悪性黒色腫では、2015年に「ベムラフェニブ(商品名:ゼルボラフ)」が、2016年には「ダブラフェニブ(商品名:タフィンラー)」と、それと併用する「トラメチニブ(商品名:メキニスト)」も承認され、使える薬の幅が広がりつつあります。

細胞障害性抗がん剤

昔からある、従来型の抗がん剤です。

がん細胞のDNAを攻撃して、正常な細胞分裂ができないように働きかけます。

中でも「ダカルバジン」は、悪性黒色腫の治療に長く使われてきた薬で、単独、もしくはほかの薬と合わせて用いられます。

細胞障害性抗がん剤は、健康な細胞にもダメージを与えるため、吐き気や白血球の減少、脱毛などの副作用が起こることがありますが、最近では副作用対策に力が入れられており、日常生活を送りながら治療を受ける患者さんも増えています。

インターフェロン製剤

インターフェロンとは、免疫系の細胞から分泌されるタンパク質で、がんやウイルスなどの増殖に歯止めをかける作用があります。

この働きを活用して作られたのが、インターフェロン製剤です。

肝炎や白血病などの治療に広く役立てられていますが、悪性黒色腫でも手術後の再発予防として、切除した部位の周りに注射することがあります。

悪性黒色腫の放射線療法

腫瘍に向けてX線やγ線などを照射する放射線療法は、がんの3大治療の一つですが、悪性黒色腫に対しては基本的に効果が低く、転移にともなう痛みなどを緩和させる目的で用いられることが一般的です。

たとえば脳に転移した場合、ガンマナイフなどの放射線療法がよく行なわれています。

ただし近年、従来のX線やγ線ではなく、陽子線や重粒子線などを使った「粒子線治療」が登場し、悪性黒色腫に対しても効果が期待されています。

粒子線治療では、従来の放射線療法よりもピンポイントで病巣を攻撃できるため、正常な細胞にダメージを与えることなく、高エネルギーのまま照射できる点がメリットです。

ただし、まだ先進医療のため、受けられる医療機関が限られている上、高額な費用がかかります。

今後さらなるデータが集まり、保険適用で受けられる日が来ることを期待したいところです。

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