悪性黒色腫(メラノーマ)の予後と5年生存率

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2017.1.1

悪性黒色腫は、皮膚がんの中でも悪性度が高いため、特に発見が遅れれば遅れるほど予後は不良となります。

とはいえ、Ⅰ期で発見できた場合の5年生存率は他の多くのがんと同じく良好です。

Ⅱ期以降からは徐々に下がり、Ⅳ期になると10%前後となってしまいます。

ただし、同じステージでも病型や個々の状態によって治療成績は異なりますので、5年生存率はあくまで一つの目安として参考にしましょう。

ステージ別・悪性黒色腫の5年生存率

がんでよく使われる「5年生存率」とは、初回治療を受けた時から5年後の時点で生存している患者さんの割合を示した数値です。

多くは、Ⅰ~Ⅳ期までのステージごとに統計を出します。

以下は、「全国がん(成人病)センター協議会」が公表する、悪性黒色腫のステージ別5年生存率です。

この統計は、2005~2007年のデータを基にしているため、現在ではもう少し数値が上がっている可能性があります。

ステージ 症例数(件) 5年相対生存率(%)
48 89.2
52 78.5
37 46.9
23 9.6
全症例 172 64.7

がん情報サービス「悪性黒色腫の病期別生存率」をもとに再作成

上記は、国内での症例を対象としたものです。症例数からも、日本人には非常に少ないがんであることがわかります。

5年生存率がもっとも高いのはⅠ期で、9割近くの患者さんが5年後も生存しています。

一方、末期のⅣ期になると、およそ10人中9人の患者さんが5年以内に命を落としている状況です。

もう一つ参考として、悪性黒色腫の多い国のデータもご紹介致します。

以下は、AJCC(アメリカがん連合会)が2008年に、約60,000人の患者さんのデータを基に統計を出したもので、ステージもさらに細分化されています。

また、10年生存率も同時に算出されていますので、合わせてご紹介したいと思います。

ステージ 5年生存率(%) 10年生存率(%)
ⅠA 97 95
ⅠB 92 86
ⅡA 81 67
ⅡB 70 57
ⅡC 53 40
ⅢA 78 68
ⅢB 59 43
ⅢC 40 24
15~20 10~15

America Cancer Society「Survival rates for melanoma skin cancer, by stage」参照

アメリカのデータをみても、Ⅰ期の予後は非常に良好です。

特に、もっとも早期であるⅠA期では、5年生存率が約97%と、ほぼ100%近い数値となっています。

しかしⅡ期以降になると、必ずしもステージが早いほど生存率が高いわけではないことがわかります。

たとえばⅡB期(70%)よりも、ⅢA期(78%)のほうが5年生存率は高めです。

AJCCのステージ分類では、Ⅲ期は「ⅢA・ⅢB・ⅢC」の3つに分かれます。

たとえばⅢAは、「がんの厚さに関わらず潰瘍がないもので、リンパ節転移が1~3個まで」の段階です。

一方、ⅡB期は、リンパ節転移はないものの、「がんの厚さが2mm超4mm以下で潰瘍あり」、または「がんの厚さが4mm以上で潰瘍なし」、という状態になります。

悪性黒色腫では、一般的に「がんの厚さが4mm以上」「潰瘍あり」の場合に予後が悪くなる傾向がみられるため、ステージだけではなく、それぞれの状態に応じて生存率は変わってくるのです。

悪性黒色腫の再発リスクと、術後の検診について

がんの予後と深くかかわってくるのが、再発の有無です。

初回治療を受けた後、再発しなければそのまま完治となりますが、局所再発もしくは転移という形で再びがんが姿を現すと、予後は厳しくなっていきます。

「皮膚悪性腫瘍ガイドライン」によると、初回再発の50~85%は初発部位~所属リンパ節にみられ、その大部分が患者さん本人もしくは医師の触診がきっかけで発見されるとのことです。

内臓のがんと異なり、皮膚の悪性黒色腫の場合は、患者さん自身で再発を発見しやすい点が特徴といえます。

また、悪性黒色腫の再発は、初回治療から2年以内が70%、3年以内が80%となっています。

遅くとも5年以内の再発がほとんどですが、まれに10~20年以上経ってからの再発例もあるため、長いスパンで観察を続けることが大切です。

再発を早期発見・早期治療するためには、定期的なフォローアップ検診(術後検診)と、日ごろからのセルフチェックが有効とされています。

悪性黒色腫のフォローアップ検診

悪性黒色腫の術後検診は、それぞれのステージや再発リスクによってもスケジュールが異なりますが、特に再発率の高い術後3年以内は、1ヵ月~半年のペースで通院することが一般的です。

検診では、医師による視診や触診のほか、超音波検査やレントゲンなどの画像検査も適宜組み合わせます。

悪性黒色腫の多い欧米では、術後検診として胸部X線検査と超音波検査がよく実施されており、特に超音波検査は所属リンパ節への転移を発見するために有効とみられています。胸部X線検査は、肺転移の発見が主な目的です。

その他、CTやMRI、PETなどの全身を調べるための検査や、補助的に血液検査なども行なわれることがあります。

中でもPET検査は、CTやMRIでは発見できないような、ごく小さな病巣も検出できる可能性があるため、精度の高い術後検診として期待されています。

いずれにしても、再発を早期発見できた場合とそうでない場合とでは、生存率に明らかな差があることが確認されていますので、術後はかならず検診を受けることが大切です。

セルフチェック

病院での検診に加えて、悪性黒色腫では自己検診も大きな意味を持ちます。

海外の研究では、検診の際に医師の視触診で再発が発見されたケースと、患者さん自身が発見したケースとでは、生存率にほとんど差はなかったことが明らかになっています。

セルフチェックでは、鏡を使った全身の観察をはじめ、手で皮膚の感触も調べることで、リンパが腫れていないか、硬くなっている部分はないか、なども確認します。

欧米では既にこうした教育が普及しており、一定の効果をあげているため、日本でも適切な指導が行なわれているところです。

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