小児がんの症状

  • Facebook シェア
  • はてなブックマーク
  • LINE
  • Google+

2017.1.1

小児がんの症状は、がんの種類によりさまざまですが、代表的なところでは以下のようなものがあります。

  • 発熱
  • 頭痛
  • リンパの腫れ
  • 骨・関節の痛み
  • 筋肉・胸・腹部などのしこり
  • 貧血・食欲低下・不機嫌など

このように、小児がんの症状はさまざまです。

中には、普通の風邪や筋肉痛などと区別しにくいものも多いため、早期発見が難しい傾向がみられます。

特に、まだ言葉を話せない乳幼児は、症状をうまく訴えることができませんし、逆に思春期になると、親にすべての症状を話さなくなることもあります。

いずれにしても、子どもにいつもとは違う症状、長引く症状、徐々に強まっていく症状などがある場合は、念のため受診することが大切です。

小児白血病の症状

白血病は、小児がんの中でも30%近くを占める、もっとも多い病気です。

そのうち、およそ70%が急性リンパ性白血病(ALL)、およそ25%が急性骨髄性白血病(AML)となっています。

代表的な症状は以下の通りです。

貧血

赤血球が減少するため、貧血の症状がよくみられます。普段は元気だった子が、貧血によって動けなくなってしまうこともあります。

出血・あざ

血小板の減少により、皮膚や粘膜が出血しやすくなり、ケガの傷や鼻血などの血液が止まりにくくなります。

また、肌に紫色のあざがみられることもあります。

無痛のしこり

首や脇、鼠蹊部(脚の付け根)などのリンパ節が腫れることで、しこりに触れることがあります。ほとんどの場合、痛みはともないません。

上記のほか、発熱や、原因不明の関節痛、脱力感、食欲不振など、患者さんによってさまざまな症状が出ます。

いつもと違う様子が続く場合は、一度受診して検査を受けるようにしましょう。

脳腫瘍の症状

小児がんの中では、白血病に次いで多い病気です。

腫瘍のできる部位によって症状に違いがありますが、以下のような症状がよくみられます。

頭痛・吐き気

腫瘍によって頭蓋内圧が高くなると、頭痛や吐き気が起こりやすくなります。特に起床直後によくみられるのが特徴です。

ふらつき・運動障害

運動や平衡感覚をつかさどる部位に腫瘍ができた場合、歩行困難や、同時に二つ以上の動作ができない「協調運動障害」などがみられることがあります。

目の異常

脳腫瘍は目にも症状が出やすく、視力の低下や眼球の突出、意思とは無関係に眼球が動く「眼球振盪(しんとう)」などが起こることがあります。

水頭症

頭蓋骨がまだしっかりくっついていない2歳ごろまでは、脳腫瘍によって頭蓋内の圧力が上がると、頭蓋骨のつなぎ目が離れて頭が大きくなることがあります。

成長して頭蓋骨がくっつくようになると、圧の上昇によって頭痛や吐き気が生じますが、2歳ごろまでは頭が大きくなっても、特に症状は出ないことも少なくありません。

上記のほか、けいれんや左右どちらかの麻痺、聴力障害、嚥下障害など、脳腫瘍では患者さんによって実にさまざまな症状が起こり得ます。

悪性リンパ腫の症状

悪性リンパ腫は、「ホジキンリンパ腫」と「非ホジキンリンパ腫」の2つに大きく分けられ、日本では非ホジキンリンパ腫の罹患率が高い傾向にあります。

リンパ腫の発生する部位によっても症状が異なりますが、以下のような症状がよくみられます。

  • 痛みのないしこり
  • 発熱・寝汗
  • 体重減少
  • 皮膚のかゆみ
  • 呼吸困難・喘鳴(ゼーゼーした呼吸音)

悪性リンパ腫は、リンパが腫れる病気ですので、首、胸、脇の下、鼠蹊部などのリンパ節に、痛みをともなわないしこりができます。

その他、部位によって多種多様な症状が出ますので、上記のような症状が一つでも続く場合は、念のため受診することをおすすめします。

腎腫瘍の症状

小児の腎腫瘍には複数の種類がありますが、中でも「ウィルムス腫瘍」が全体の90%を占めます。

症状としては、以下のようなものがあります。

  • 腹部のしこり・腫れ・痛み
  • 血尿
  • 発熱
  • 高血圧
  • 高カルシウム血症(食欲減退・疲労感・吐き気や嘔吐など)

特に、腹部のしこり・腫れ・痛みは、小児腎腫瘍の代表的な症状です。見た目にも、お腹が膨らんで見えるようになります。

血尿は、顕微鏡で調べないと分からないことも多く、肉眼で発見できるとは限りません。

さらに、ウィルムス腫瘍が肺や肝臓に転移すると、がんこな咳や胸痛、呼吸困難、血痰、全身倦怠感などの症状がみられることがあります。

肝腫瘍の症状

小児にできる肝腫瘍の80%以上は、「肝芽腫」というもので3歳までに発症することが一般的です。

肝芽腫は肝臓の外に広がりにくいため、高い生存率が期待されます。

一方、思春期以降になると、大人の肝臓がんに似た「肝細胞がん」を発症することがあります。

肝腫瘍の代表的な症状は、以下の通りです。

  • 腹部の腫れや痛み
  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 胃痛
  • 吐き気、嘔吐
  • 黄疸(白目や皮膚、尿の色が濃くなる)
  • 思春期早発症(男児において、第二次性徴が早く始まる)

小児の肝腫瘍は、腹部の大きさで発見されるケースが多くみられます。

体型に対してあまりにお腹が膨らみすぎている場合は、注意が必要です。特に、腫瘍が破裂して出血すると危険ですので、早めに受診しましょう。

神経芽腫の症状

神経芽腫は、神経の細胞にできる腫瘍で、主に5歳以下の子どもに好発します。

発生部位としては、首や腹部(副腎)、胸部(交感神経幹)が多く、それぞれの部位に応じて症状も異なります。

ただし、いずれも初期症状は乏しく、食欲の低下や腹痛、なんとなく元気がないといった軽い症状しか現れないことが少なくありません。

やがて進行すると、首の場合は首のリンパの腫れ、お腹の場合は腹痛や腹部膨満感、排尿困難、胸部の場合は呼吸困難などの症状が出てきます。

また骨転移すると、骨の痛みが出るほか、ホルモンの分泌異常による高血圧や頻脈、長く続く下痢などがみられることもあります。 

転移してから発見されるケースが多いため、少しでも普段と違う様子がみられた場合は、早めに受診したほうが安心です。

網膜芽腫の症状

網膜芽腫は、目の網膜に発生する悪性腫瘍で、乳幼児に多く発症します。

特徴的な症状は、以下の通りです。

  • 視力の低下
  • 瞳孔の色が白や赤に見える
  • 斜視(左右の眼球の向きが合っていない)
  • まぶたの腫れ

ただし、まだ言葉の話せない乳幼児は、ものの見えにくさを訴えることができないため、発見が遅れがちです。

多くは、目の色や向きの異常、まぶたの腫れなどで家族が気づき、ほとんどが5歳までの間に診断を受けるといわれています。

骨肉腫の症状

骨肉腫は、骨に発生する悪性腫瘍です。小児の場合、中高生の時期に多く発症します。

骨肉腫の症状は、患部の痛みと腫れが代表的です。

好発部位の多くが、大腿骨や脛骨、膝関節などの下半身ですが、肩に近い上腕骨に発生することもあります。

その他、痛みをともなわない腫れや、ちょっとした刺激による骨折、関節のこわばりなどがみられることもあります。

いずれにしても、骨や関節の痛みが長引いたり、時間の経過とともに悪化したりする場合は、すみやかに受診することが大切です。

ユーイング肉腫の症状

ユーイング肉腫は、骨または軟部組織に発生する肉腫で、小児の骨腫瘍としては骨肉腫に次いで多いものです。骨肉腫と同じく、10代に好発します。

症状も骨肉腫と似ており、患部の痛みや腫れが代表的です。特に夜間に強くなり、人によっては発熱をともなうこともあります。

さらに腫瘤(コブ)に触れることもありますが、症状が痛みだけの場合ですと、よくある「成長痛」や、運動によるケガ・疲労などと間違えられることもあります。

特に、腫瘤に触れにくい骨盤や胸壁などの部位に発生した場合の発見は遅れがちです。

胚細胞腫瘍の症状

精子や卵子のもととなる「胚細胞」から発生する胚細胞腫瘍は、発生部位によって症状が異なりますが、いずれも初期症状は少ない傾向がみられます。

精巣の胚細胞腫瘍

陰嚢に、腫瘤(コブ)が発生します。ねじれをともなった場合は痛みますが、そうでない場合は特に痛みは感じません。

卵巣の胚細胞腫瘍

初期のころは症状が出にくく、あっても腹痛や便秘などの軽い症状がほとんどです。

やがて腫瘍が大きくなると、腹部の腫瘤として感知できるようになります。

女児で、特に体重が増えていないのに腹囲が大きくなった場合は注意が必要です。

縦隔の胚細胞腫瘍

縦隔とは、左右の肺の間に隔てられた部分で、ここに発生した腫瘍はかなり成長するまで症状が出にくい点が特徴です。

進行すると、胸痛や息切れ、ゼーゼーとした呼吸音が鳴る「喘鳴(ぜんめい)」などが現れます。

仙尾骨の胚細胞腫瘍

仙骨の前~尾骨の周りに発生する腫瘍で、特に女の子に多く発症します。

肛門のまわりに腫瘤が突き出るため、ほとんどは出生前もしくは出生直後に発見されます。

ただし、骨ではなく周囲に発生した場合、発見されないまま大きくなることもあり、やがて便秘や排尿障害などが出てくるようになります。

頭蓋内の胚細胞腫瘍

脳にできた胚細胞腫瘍は、発生部位により症状はさまざまですが、もっとも多くみられるのは、多飲多尿になる「尿崩症」です。

また、頭蓋内圧の上昇による頭痛やおう吐のほか、視覚障害や異常行動、片側の麻痺、ホルモンの分泌異常などが起こることもあります。

特に尿崩症は、60%以上の患者さんにみられるため、発見の手がかりとなります。

  • Facebook シェア 0
  • はてなブックマーク はてブ 0
  • LINE 送る
  • Google+ 共有 0
関連記事
キャンサーペアレンツ

ページの1番上へ戻る