小児がんの原因

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2017.1.1

がんの原因には、まだ不明な点が多く残っています。

特に小児がんの場合、大人と違って生活習慣の影響が少ないことから、正確な原因を探るのはより難しいのが現状です。

小児がんの種類にもよりますが、現在のところ考えられる原因としては、以下のようなものがあります。

  • 芽細胞の異常増殖(芽腫)
  • 特定の遺伝子の変異
  • 遺伝性疾患
  • 低体重もしくは過体重での出生
  • 人種

いずれにしても、子どものがんは生活習慣とはほぼ無関係ですし、親子で同じ病気を発症するケースも少ないため、原因について悩みすぎることはありません。

ただし、一部の小児がんでは、遺伝的な体質によってリスクが上がることが分かっていますので、該当する場合はあらかじめ遺伝カウンセリングを受けるという方法もあります。

小児白血病の原因

小児がんの中で、もっとも多くを占めるのが白血病です。

成人の白血病では、放射能の被ばくや、特定の化学物質、ウイルス感染などが原因となることがわかっています。

しかし子どもの場合、それらの影響を受けることはごくまれですので、環境的な要因は除外されます。

一方、最近の研究で明らかになってきたのが、先天的な遺伝子の異常です。

たとえば、1歳未満の乳幼児期の急性リンパ性白血病の多くは、胎児期に、特定の遺伝子(MLL遺伝子)の異常が起こっていることがわかっています。

一方、幼児期の急性リンパ性白血病では、胎児期の遺伝子変異だけではなく、出生後に第2の遺伝子異常が加わることで発症すると考えられています。

さらに、特定の遺伝性疾患を持つ子どもも、急性リンパ性白血病を発症しやすい傾向があります。

たとえば以下のような疾患です。

  • ダウン症候群
  • 神経線維腫症
  • Schwachman(シュバックマン)症候群
  • Bloom(ブルーム)症候群
  • 毛細血管拡張性運動失調症

いずれも先天的な疾患で、生後早い時期に発見されます。

その他、急性リンパ性白血病は「女児よりも男児のほうがわずかに多いこと」や、「出生時の体重が4,000グラム以上の子はわずかにリスクが上がること」、「統計上では、発展途上国よりも先進国の子どものほうが発症しやすいこと」などがわかっています。

しかし、いずれも原因はまだ解明されていません。

ちなみに、白血病は遺伝性疾患ではないため、親から子への遺伝はないと考えられています。

また、妊娠中の母親の飲酒や喫煙、送電線や家電による電磁波などの影響も否定されています。

「芽腫」の原因

小児がんには、神経芽腫や腎芽腫、網膜芽腫などの「芽腫」と名がつく病気がいくつかみられます。

これらの病気の主な原因は、芽細胞の異常化です。

胎児の体は、受精卵が次々に細胞分裂して出来上がっていきますが、その中で生まれる細胞は、それぞれ特定の組織や器官へと分化していきます。

たとえば、神経になる細胞は「神経芽細胞」、網膜になる細胞は「網膜芽細胞」といって、あらかじめ何になる細胞なのかが決まっており、それ以外になることはできません。

通常このような細胞は、胎児の体が形成されるまで(一部の細胞は生後数ヵ月まで)分裂し、その後は停止しますが、何らかの原因でずっと分裂を続けてしまうと、「芽腫」と呼ばれる病気になります。

その理由は今なお不明ですが、一部のがんにはいくつかのリスクファクターが指摘されています。

肝芽腫

「Beckwith-Wiedemann(ベックウィズ・ヴィーデマン)症候群」と、「家族性大腸腺腫症」という遺伝性疾患を持っている子どもは、肝芽腫のリスクが上がることがわかっています。

ただし、肝芽腫全体の中ではごく一部です。

また、出産時の体重が1,500グラム未満だった子どもは、標準体重で生まれた子どもに比べると、肝芽腫のリスクが有意に上がることもわかっています。

小児肝がんの診療ガイドラインでも、「出生体重1,500 g 未満、特に1,000 g 未満の超低出生体重児は、肝芽腫発生の高リスク群である」と結論づけられており、考えられる一因として「出生後の酸素投与」が指摘されています。

網膜芽腫(網膜細胞芽腫)

網膜芽腫の一因としては、「Rb遺伝子」という、がん抑制遺伝子の異常が関係していることがわかっています。

この体質が受け継がれた場合、親子ともに網膜芽腫を発症する可能性があります。

特に親が両眼性の網膜芽腫の場合は49%、片眼性の場合は5%で子どもに遺伝するとされています。

骨肉腫・ユーイング肉腫の原因

骨に発生する骨肉腫とユーイング肉腫の原因も、まだ不明な点が多いのですが、いずれも特定の遺伝子変異や、遺伝性疾患によってリスクが上がることがわかっています。

骨肉腫の原因

骨肉腫は、新しい骨をつくる「骨芽細胞」が、骨に成長する途中でがん化したものとみられています。

特に、網膜芽腫の一因でもある、がん抑制遺伝子の「Rb遺伝子」に変異があると、骨肉腫のリスクが上がることがわかっています。

さらに、先天的な遺伝性疾患である「リ・フラウメニ症候群」「Rothmund-Thomson(ロートムンド・トムソン)症候群」に罹患している子どもは、骨肉腫の発症リスクが高くなります。

ユーイング肉腫の原因

ユーイング肉腫も、特定の染色体異常が関係することがわかってきました。

骨や軟部組織に発生するユーイング肉腫のほか、「未分化外胚葉腫瘍(PNET)」や、胸壁に発生する「アスキン腫瘍」などにも同じ染色体異常がみられることから、これらをまとめて「ユーイング肉腫ファミリー腫瘍(ESFT)」と呼びます。

さらにアメリカでは、ユーイング肉腫の大部分が、東欧系の白人とヒスパニック系の子どもに発症していることから、人種によるリスクの違いもあるものとみられています。

ちなみにユーイング肉腫は、日本人や中国人には少ない病気です。

胚細胞腫瘍の原因

胚細胞腫瘍は、小児がんの中でも複雑な病気であり、いくつもの種類に分かれますが、胎児の精巣や卵巣のもととなる胚細胞(生殖細胞)から発生する腫瘍の総称です。

その半数以上が、精巣や卵巣(性腺)から発生しますが、ほかにも肺と肺の間の「縦隔」や、おしりの「仙尾部」、頭蓋内や首など、体の中心線に沿って発生することがあります。

このような「性腺外胚細胞腫瘍」は、胎児期に胚細胞が何らかの原因で、ほかの部位に迷い込んでしまったことが一因ではないかと考えられています。

また、生まれつき精巣が下りてこない「停留精巣」(男児)をはじめ、生殖器や中枢神経、脊椎などに異常をもつ子どもの発症リスクがやや高いという報告もありますが、まだまだ不明な点の多い病気です。

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