食道がんのステージ分類と5年生存率

このページでは食道がんのステージ分類と5年生存率について説明します。
専門家にインタビューしたより詳しい記事は以下からご覧ください。

 

食道がんの化学療法。ステージ別にみる化学療法の流れ

食道がんに適応される化学放射線療法。その特徴とは

食道がんのステージ分類

食道がんのステージ分類には、国際的に使われているTNM分類がよく用いられています。

Ⅰ期

下記いずれかの場合が、食道がんのⅠ期です。

  • がんが食道の粘膜内にとどまっており、第1群リンパ節のみに転移している
  • がんが粘膜下層までにとどまっており、リンパ節転移していない

リンパ節は、食道に近いほうから第1群~第4群というグループに分けられており、Ⅰ期のリンパ節転移は、もっとも食道に近い第1群のみにみられます。

治療は手術が基本で、病巣と一緒にリンパ節も切除します(リンパ節郭清)。

Ⅱ期

下記いずれかの状態がⅡ期になります。

  • がんが粘膜内にとどまっており、第2群リンパ節に転移している
  • がんが粘膜下層までにとどまっており、第1群リンパ節に転移している
  • がんが粘膜下層までにとどまっており、第2群リンパ節に転移している
  • がんが固有筋層までにとどまっており、リンパ節転移していない
  • がんが固有筋層までにとどまっており、第1群リンパ節に転移している

まだ、がんが食道から明らかに飛び出してはいない状態です。

治療は手術が基本で、必要に応じて化学療法や放射線療法なども併用されます。

Ⅲ期

Ⅲ期は、下記いずれかの段階です。

  • がんが食道の粘膜~外膜までに広がっており、第3郡リンパ節に転移している
  • がんが固有筋層までにとどまっており、第2群リンパ節に転移している
  • がんが食道外膜に広がっており、第1~2群リンパ節に転移している
  • がんが食道をはみ出して周りの組織に浸潤しているが、リンパ節転移はみられない

がんが食道の外に明らかにはみ出していたり、食道から離れたリンパ節に転移したりしているものの、遠隔転移はみられない状態になります。

手術ができる場合は手術を行ないますが、がんが周りの組織に広がっている場合は難しいと判断されることもあります。

Ⅳ期

Ⅳ期のステージ分類

Ⅳ期

ⅣA期

腫瘍の広がりに関わらず、第4群リンパ節にまで転移している

がんが食道周囲の組織にまで広がっており、かつ第1~第4群リンパ節に転移している

ⅣB期

遠隔転移がみられる

がんが遠隔臓器や第4群リンパ節、また胸膜・腹膜などに転移している場合は、すべてⅣ期になります。手術は難しいため、化学療法や放射線療法などが治療の中心です。

食道がんの5年生存率

がんの種類

ステージ1

5年実測生存率(%)2

5年相対生存率(%)3

食道

I

IV

不明

75.9

45.6

23.7

10.6

35.4

37.9

85.5

51.5

26.5

11.7

40.9

42.3

公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計'15」全国がん(成人病)センター協議会加盟施設における5年生存率(2004~2007年診断例)より引用 

食道がんの5年生存率は、全がん(全種類のがん)の平均よりもすべてのステージで下回っているので、平均よりは予後(今後の見通し)が悪いがんであるということがいえます。

食道がんは胃がんや大腸がんなど、他の消化器系のがんの中でも予後が悪いがんのひとつです。なぜなら、食道は他の臓器と違って、漿膜(しょうまく:外側の薄い膜)がないため、他の臓器に浸潤(広がる)しやすいためです。

1ステージ: がんの進行度合という意味です。

25年実測生存率(%): がんの治療を始めた人の中で5年後に生存している人の割合という意味です。

35年相対生存率(%): がんの人とがんではない性別と年齢が同じ人の5年後の生存率を比べた割合という意味です。

食道がんのステージに応じた治療法

食道がんの予後はその他のがんと比較して悪い傾向がありますが、それぞれのステージと病状に応じた適切な治療を行うことで、より良好な治療効果を得られるよう、さまざまな治療法が検討されます。

日本食道学会発行の「食道癌診断・治療ガイドライン」によれば、食道がんは、一般にステージに応じて以下の治療法が選択されます。

ステージ0

内視鏡的治療法

ステージⅠ・Ⅱ・Ⅲ

  • 術前化学療法→外科治療→術後化学療法
  • 外科療法→術後化学療法
  • 化学放射線療法/放射線療法→サルベージ療法

ステージⅢ(T4)・Ⅳa

化学放射線療法/放射線療法→サルベージ療法

ステージⅣb

化学放射線療法/放射線療法/化学療法→サルベージ療法

(出典:独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター)

上記のT4とは、がんのTNM分類におけるがんの深さを示すものです。また、サルベージ療法とはがん治療を行ったにもかかわらず効果が現れなかった場合に追加で行う治療のことです。サルベージ療法では主に内視鏡治療や手術による切除が行われます。食道がんが再発する場合は肝臓、肺などの遠隔臓器やリンパ節への転移が多く、さらに骨転移もしばしば見られます。

再発部位によっては首のリンパ節が腫れたり声のかすれが生じたりしてきます。胸部や腹部への転移であれば、胸や腹部が重く痛み始めることもあります。なお、再発時の治療は、外科療法ではなく放射線療法や化学療法が中心に行われるようになります。

なお、治療後(手術後)は1週間後に検査を行い、創部(吻合部)に問題がないことを確認した後、水分から摂取できるようになります。内視鏡的治療後はこれより比較的早めに摂取開始となります。いずれも水分より開始し、徐々に流動食、普通食と食上げしてしていくことが通常です。

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