直腸がんのステージ分類と5年生存率

直腸がんのステージ分類

直腸がんのステージ分類の中でも、国際的に用いられているTNM分類によるステージについてご紹介します。

Ⅰ期

リンパ節や遠隔臓器に転移がなく、がんが腸壁の粘膜下層から固有筋層までにとどまっている段階です。手術で完治できる可能性が高く、5年生存率も100%近い数値になっています。

特に、がんが粘膜下層までにとどまっているごく浅い状態であれば、開腹せずに腫瘍を切除できる内視鏡治療の対象になります。また直腸がんの場合、内視鏡を使わず、直接肛門から中を見ながら切除できることもあります。

Ⅱ期

Ⅱ期は、リンパ節転移はないものの、がんが固有筋層よりも外側に広がった段階です。開腹手術または腹腔鏡手術による治療が中心で、必要に応じて術後化学療法が行なわれます。

Ⅲ期

Ⅲ期は、直腸のまわりのリンパ節に転移が見られる段階です。治療は手術による病巣の切除と、リンパ節郭清が基本となります。

直腸がんはやや再発率が高いため、再発防止の目的で化学療法や放射線療法などもよく併用されます。

Ⅳ期

肺や肝臓などの遠隔臓器に転移している場合は、すべてⅣ期にあたります。通常、遠隔転移したがんは手術ができない場合が多いのですが、大腸がんは原発巣・転移巣のどちらも切除できると判断された際には、手術の対象になることもあります。そうでない場合は、緩和ケアや対症療法、化学療法などが行なわれます。

直腸がんの5年生存率

※ 公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計'15」全国がん(成人病)センター協議会加盟施設における5年生存率(2004~2007年診断例)より引用

直腸がんの5年生存率は、全がん(全種類のがん)の平均よりも上回っているので、平均よりも治療しやすいがんだということがいえます。

特に5年生存率がステージIでは90%程度、Ⅱでも80%程度あるので、早期の段階で発見できれば治療により完治させることが可能ながんです。がんがまだ粘膜にとどまっているステージ0では、ほぼ100%治ります。

直腸がんで採用される主な手術療法

直腸がんはステージⅢまでは予後が比較的良好であり、早期に治療を開始するほど完治が望める病気です。直腸がんはすべてのステージにおいて有効な治療法は外科療法であり、以下の手術がステージや病状に応じて選択されます。

ポリープ切除

直腸がんは、ポリープと呼ばれる局所的な隆起から発生するものが多く見られます。

そのため、ポリープが見つかった場合は切除する手術が行われますが、近年では内視鏡関連技術が進歩してきたことから、内視鏡を活用した切除がしばしば行われるようになりました。内視鏡による手術には主に以下の方法があります。

コールドポリペクミー

鉗子またはループ状の器具にてポリープを切除する方法です。

ポリペクトミー

ループ形状の電気メスに高周波電流を流し、熱でポリープを焼ききる方法です。

ホットバイオプシー

鉗子でポリープを挟み込み、高周波電流を流して焼き切ります。小さいポリープに適する方法です。

粘膜切除術(EMR)

粘膜の下に液体を入れ、浮き上がったポリープを焼き切る方法です。ポリープの形状が平坦で他の方法では掴みにくい場合や、大きいポリープに適する方法です。

粘膜下層剥離術(ESD)

専用メスでポリープ周辺組織に切り込みを入れて広範囲の切除が行えます。比較的新しい方法です。

がん病巣の切除

がん組織とその周辺組織を切除します。がんの進行状況によっては直腸と腹壁の中間組織を切除することや、またリンパ節も切除することがあります。

骨盤内臓全摘術

進行した直腸がんに対して行われます。がんが湿潤した周辺臓器をすべて除去します。

肛門括約筋温存術

直腸がんの手術で肛門や肛門括約筋を切除すると、人工肛門(ストーマ)を増設する必要があり、患者のQOL(生活の質)が下がるため、できるだけ機能を残す肛門括約筋温存術を行います。

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