肝臓がんのステージ分類と5年生存率

肝臓がんのステージ分類

肝臓がんにはいくつかのステージ分類がありますが、ここでは国内でよく活用されている、日本肝癌研究会編の「臨床・病理 原発性肝癌取扱い規約」による分類をご紹介します。

Ⅰ期

腫瘍が1つのみで、大きさが2センチ以下であり、まだリンパ節や脈管(門脈や静脈、胆管など)に広がっていない段階です。

肝臓は、沈黙の臓器と呼ばれるほど症状が出にくいため、Ⅰ期では特に自覚症状のない場合も少なくありません。病巣が限局的であるため、肝臓の機能に問題がなければ、積極的な治療(肝切除)の対象になります。

Ⅱ期

腫瘍が1つのみ、大きさが2センチ以下、脈管に広がっていないという3つの項目のうち、2項目に合致する場合はⅡ期にあたります。リンパ節転移は見られません。

Ⅱ期も、手術が標準治療です。腫瘍のサイズが 3 センチ 以内ならば、肝切除もしくはラジオ波焼灼療法、3センチを超えるようであれば、肝切除のほかに肝動脈塞栓療法も選択肢として検討されます。

Ⅲ期

腫瘍が1つのみ、大きさが2センチ以下、脈管に広がっていないという3項目のうち、1項目のみに合致する場合がⅢ期です。リンパ節転移は見られません。基本的に、腫瘍が4個以上ある場合は手術ではなく、肝動脈塞栓療法や化学療法が標準治療となります。

Ⅳ期

Ⅳ期は上記の2段階に分かれます。肝臓がんでは、リンパ節もしくは遠隔臓器に転移している場合はすべてⅣ期になります。手術は難しいため、化学療法や対症療法などが治療の中心です。

いずれのステージにおいても、肝臓がんの場合は肝臓の機能がどれぐらい残っているかによって治療法が異なってきます。

肝臓がんの5年生存率

※ 公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計'15」全国がん(成人病)センター協議会加盟施設における5年生存率(2004~2007年診断例)より引用

ステージIでは5年生存率が50%程度ですが、ステージⅢになると約20%と大きく下がり、ステージⅣでは10%を切っています。

肝臓は、沈黙の臓器と呼ばれることもありますが、それは初期の頃はほとんど症状が出ず、ある程度進行してから発見されることが多いことも要因の一つだと思われます。

肝機能の障害度に応じて治療法が選択される

肝臓がんの予後は他のがんと比較しても決してよいとはいえません。治療の方法もステージのみならず肝臓機能の状態に応じてさまざまな方法が試みられます。

肝臓がんの治療は日本肝臓学会により発行された「科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン」にまとめられており、その内容によれば肝臓がんは次のような治療基準での治療法選択が推奨されています。

切除、局所療法(肝障害度Bで腫瘍が2cm以内のときに選択)

  • 肝障害度:A、B
  • 腫瘍数:1個
  • 腫瘍の大きさ:(基準なし)

切除、局所療法

  • 肝障害度:A、B
  • 腫瘍数:2、3個
  • 腫瘍の大きさ:3cm以内

切除、塞栓療法

  • 肝障害度:A、B
  • 腫瘍数:2、3個
  • 腫瘍の大きさ:3cm超

塞栓療法、動注療法

  • 肝障害度:A、B
  • 腫瘍数:4個以上
  • 腫瘍の大きさ:(基準なし)

肝移植(ただし患者さんの年齢が65歳以下に限る)

  • 肝障害度:C
  • 腫瘍数:1~3個
  • 腫瘍の大きさ:3cm以内(腫瘍が1の場合は大きさが5cm以内)

緩和ケア

  • 肝障害度:C
  • 腫瘍数:4個以上
  • 腫瘍の大きさ:(基準なし)

(出典:独立行政法人国立がん研究センターがん対策情報センター)

上記の肝障害度とはChild-Pugh分類と呼ばれ、肝機能障害の度合いの指標となり、

障害の軽度な順にA、B、Cに分けられています。

Child-Pugh分類は、腹水のあり/なしや、血清ビリルビン値(mg/dL)、血清アルブミン値(g/dL)、プロトロンビン活性値(%)、ICG-R15(%)などの検査値を総合的にみて判定されます。

(肝障害度は、日本肝癌研究会『原発性肝癌取扱い規約』でまとめられた分類になります)

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