乳がんのステージ分類と5年生存率

乳がんのステージ分類

乳がんの広がりを検査して総合的に評価し、がんが見つかったときの進行度を分類したものをステージ分類(病期分類)といいます。

ステージ分類は乳房内のしこりの大きさ(T)、リンパ節転移の程度(N)、他の臓器への遠隔転移の有無(M)によって構成されています。そのためTNM分類とも呼ばれます。

UICC(国際対がん連合)によるTNM分類のほか、日本では日本乳癌学会の乳癌取り扱い規約によるTNM分類がよく用いられます。

乳癌のTNM分類

※ 乳癌取り扱い規約 第17版 日本乳癌学会編

 

乳がんの5年生存率

以下は、全国がん(成人病)センター協議会(全がん協)加盟施設における5年生存率(2004~2007年診断例)および10年相対生存率(1999-2002初回入院治療症例)より引用したものです。ここで5年生存率と10年生存率では症例の年度や施設や数が違うため単純に比較できないことに注意してください。

データは女性の乳がんのみです。ステージ0はありません。

※ 公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計'15」全国がん(成人病)センター協議会加盟施設における5年生存率(2004~2007年診断例)および10年相対生存率(1999-2002初回入院治療症例) 引用

乳がんは他の部位のがんに比較すると5年生存率が高く、予後のいがんとえます。

早期発見もしやすい部位ですので、検診や自己触診などで早い段階で発見し、適切な治療を受けることが大切です。

一方で乳がんは早い時点で全身へがん細胞が広がりやすいこともわかっています。

また進行は非常にゆっくりであることが多く、手術後510年の晩期に再発する人がいることも知られています。そのため、最初の治療から10年間は再発防止の治療を行ったりしながら、定期的に経過をみていくことが多いです。

どうしても5年生存率や10年生存率は結果が発表されるのに少しタイムラグが生じます。乳がんの治療方法は年々進歩しています。主治医とよく相談してその時点で一番い方法を決めていくことが大切です。

ステージ別の乳がん治療

乳がん治療の基本は手術でがん細胞を取り除くことです。ステージ分類以外の情報も加味して総合的な判断になりますが、一般的にステージ0、I、IIは手術が最初の治療になります。(早期がんは先進治療の対象になることもあります。)

手術の方法は主に乳房全摘と部分切除になります。しこりが小さいほうが部分切除可能な場合が多いですが、しこりを作らず乳管内に広がっているため全摘が必要になることもあります。

ステージI以上は手術ののちに再発防止のために薬物療法を追加することが多いです。これを術後薬物療法といいます。ステージIII(まれにII)でも基本は手術をおこないますが、総合的に判断して先に薬物療法を行い、腫瘍が小さくなった後に手術をすることもあります。これを術前薬物療法といいます。

ステージIVは薬物療法や放射線治療が中心になります。生活の質を上げるために手術を行うこともあります。

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