肺がんの種類と分類

肺がんはできたがんを顕微鏡で見たときの細胞の形によって、小細胞がん・腺がん・扁平上皮がん・大細胞がんの4種類に分けられます。

小細胞がんは、進行は早いですが抗がん剤や放射線が効きやすいという特徴があります。それ以外の腺がん・扁平上皮がん・大細胞がんは、進行は比較的緩やかなのですが、抗がん剤や放射線がそれほど効果的ではないという特徴があります。

これらの特徴から、肺がんは小細胞がんとそれ以外の3種類を合わせた非小細胞がんと分類されることもあります。

肺がんの種類とその特徴

小細胞がん

小細胞がんは他の種類に比べ一つひとつの細胞が小さいがんです。がんの成長が非常に早く、少しでも発見が遅れると転移している可能性が高くなるがんです。しかし、抗がん剤や放射線は効きやすいという特徴があります。

肺の入り口付近にできることが多く、肺がん全体の約15~20%を占めます。喫煙との関係性が高く、比較的男性に多くみられます。

腺がん

肺がんのなかではもっとも発生頻度が高く、肺がんの半数以上を占めます。男性の肺がんの約40%、女性の肺がんの約70%が腺がんです。

たばこを吸わない人にできる肺がんの多くは腺がんです。肺の奥の方にできることが多いという特徴があります。

扁平上皮がん

扁平上皮がんは、男性の肺がんの約35%、女性の肺がんの16%を占めています。原因の多くが喫煙です。肺の入り口付近にできることが多いですが、肺の奥の方にできることもあります。

肺の入り口付近にできた腫瘍が小さいごく早期の段階では、X線写真に写りにくく発見が難しいという特徴があります。

大細胞がん

他の種類とはっきりとした違いはありませんが、がん細胞が大きなものを大細胞がんといいます。

非小細胞がんのなかではがんの成長が早いという特徴があります。発生頻度は4種類の肺がんのなかではもっとも少ないです。

肺がんには多くの種類のがん細胞が存在し性質もさまざま

肺以外の臓器に発生したがんの多くは、1つの種類のがん細胞がその大部分を占めます。大腸がん乳がん胃がんなどはそのほとんどが腺がんで、子宮頸がん食道がんなどは扁平上皮がんがその大部分を占めています。

肺がんは上記のように腺がん、扁平上皮がん、小細胞がん、大細胞がんの4種類に大別されます。また、それ以外にも腺扁平上皮がん、カルチノイド、腺様膿胞がん、粘表皮がんといった種類も少数ですが存在します。

原発性か転移性か

肺からはじまった肺がんを原発性肺がん、他の臓器からがん細胞が血流にのって転移してできた肺がんを転移性肺がんと呼びます。

乳がんや大腸がんなど他の臓器からはじまった転移性肺がんは、原発性肺がんとは違って発生した臓器のがんの性質を持っていますので原発性肺がんとは治療法が異なってきます。

種類によって好発部位が違う

扁平上皮がんと小細胞がんは肺の入り口(肺門部)の太い気管支に発症しやすいという性質があります。特に小細胞がんは早い時期に転移をはじめる厄介なタイプです。

見つけにくい場所に発生しやすく進行が早いため、発見時には進行がんだったということも多くあります。小細胞がんは他の種類に比べて抗がん剤と放射線が効きやすいため、抗がん剤を中心に放射線治療を組み合わせる治療法がすすめられます。

腺がんと大細胞がんは肺の奥のほう(肺野部)に発症しやすいという性質があります。大細胞がんは肺がん全体の1割程度ですが、増殖のスピードが速いのが特徴です。大細胞がんのなかには、小細胞がんと同じくらい悪性度の高いものもあります。

肺がんの半数以上を占める腺がんも、がんの増殖、組織への浸潤スピードがとても速いものから、数年たっても少ししか大きくならないものまであってバラエティに富んでいます。

種類と特徴が早期発見を難しくする

左右の肺の中心部は、空気の通り道である太い気管、大きな動脈や静脈、心臓や食道などが集まっており、これらの大切な臓器は、肺も含めて肋骨で守られた空間に入っています。

肺がん検診は年に1回、胸部X線を撮影して行うのが一般的ですが、胸部X線写真には気管や心臓などが邪魔をして死角が生まれるため、肺の入り口近くに発生しやすい扁平上皮がんや小細胞がんは、その死角によって見落されることがあります。

また、肺の奥のほうにできやすい腺がん、大細胞がんは比較的発見しやすいのですが、肋骨や血管の陰に隠れていると発見が遅れる場合もあります。

死角が生まれにくい胸部CTと喀痰細胞診検査を取り入れた検診は早期発見に効果をあげています。重喫煙歴のある方や喫煙者のそばに長くいた方にはこれらの検診を受けられることをおすすめします。

肺がんの種類とその性質によって治療の方法は変わります。医師は、まずがんの種類をはっきりさせたうえで、発生部位と進行の状態、患者さんの年齢や状態などさまざまな条件を考慮して治療方針を決定していきます。

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