胃がんの種類と分類

胃がんの分類

胃の粘膜の構造は内側から、粘膜層 → 粘膜筋板 → 粘膜下層 → 固有筋層 → 漿膜(しょうまく)下層 → 漿膜となっています。

胃がんは通常、胃の一番表面の粘膜にがんが発生しますが、放っておくと粘膜 → 粘膜筋板→ 粘膜下層といったように、深く浸潤していきます。

このうち、がんの進行が粘膜下層までで留まっているものを早期胃がん、それ以上深くに浸潤しているものを進行胃がんと呼びます。

早期胃がんと進行胃がんは、さらに下記のように分類されます。

早期胃がんは、次の5つの型に分類されます。

Ⅰ型(隆起型)、II型‐a(表面隆起型)、II型‐b(表面平坦型)、II型‐c(表面陥凹型)、III型(陥凹型)です。陥凹は「かんおう」と読みます。

I型は表面に隆起した形、III型は潰瘍を伴いその辺縁にがんがあるものです。

進行胃がんは、次の4つの型に分類されます。

分類型

特徴

1型(限局隆起型)

がんが粘膜上に隆起している。比較的治療しやすい。

2型(限局潰瘍型)

進行胃がんのうち、約25%を占める。正常な粘膜との境目がはっきりとしており、潰瘍をつくる。肝臓に転移しやすい。

3型(浸潤潰瘍型)

進行胃がんのうち、約40%を占める。粘膜との境目がはっきりせず浸潤している。

4型(びまん浸潤型)

粘膜表面にはあまり変化はないが、粘膜内に深く浸潤している。スキルス胃がんとも呼ばれ悪性度が高い。

スキルス胃がんについて

進行胃がんのなかでも4型に分類されるものはスキルス胃がんと呼ばれます。

スキルス胃がんは他の胃がんと同じように粘膜に発生しますが、粘膜表面に異常がほとんどみられないにもかかわらず、実はがんが粘膜内に深く浸潤しているという悪性度の高いがんです。症状もほとんど現れません。

またスキルス胃がんは、がん細胞が活発で、血液やリンパの流れにのり転移しやすいという特徴があります。そのため発見されたときには手遅れになっているというケースもあります。

胃がんは中高年に多いがんですが、スキルス胃がんは20代、30代の若年層に多いという特徴があります。

胃がんの組織型分類

胃がんの分類には、もうひとつ組織型分類というものがあります。

胃がんの細胞を顕微鏡で調べ、組織がどのような構造になっているかによって分けるもので、これをもとに、がんの顔つきがよい・悪い、といったりします。

胃がんの組織型分類には、一般型と特殊型があります。一般型は、胃がんの大部分を占める腺がんのことで、さらに、乳頭腺がんや管状腺がん・低分化腺がん・印環細胞がん・粘液がんなどに分かれます。

なかでも、低分化腺がんと印環細胞がんは、元の正常な細胞の特徴をあまり残しておらず(分化度が低い)、もっとも悪性度が高く進行の速いタイプです。多くは胃が硬くなる硬がんとなり、スキルス胃がんとして発見されます。

逆に、元の細胞の特徴を比較的多く残しているのが、管状腺がんや乳頭腺がんです。

特に管状腺がんは進行がゆっくりで、予後のよいタイプです。ただし乳頭腺がんは、管状腺がんよりも増殖が速いため、早期発見が大切です。

一方、特殊型はびまん性といって、がん細胞がまばらに成長するタイプのもので、正常な組織との境界がはっきりしないという特徴を持ちます。

カルチノイド腫瘍や内分泌細胞がん・腺扁平上皮がん・扁平上皮がんなどに分かれ、いずれもリンパ節に転移しやすく、悪性度は高いといえます。

ちなみに特殊型は若い世代の方が発症しやすいことが分かっています。

胃がんがみつかった際には、こうした組織型を調べ、それに応じた治療法を考えることになります。

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