胃がん手術後(治療後)の注意点

胃がんの手術後に、もっとも注意したいのが再発です。

早期胃がんの場合は、血管やリンパ管が多数存在する固有筋層にまでがんが浸潤していないため転移することが少なく、再発の可能性は低いのですが、それ以上に浸潤した進行胃がんの場合は、手術後の再発には特に注意する必要があります。

再発すると抗がん剤や放射線への耐性ができてしまい、以前と同じ治療では効果が出ないことが多いです。

胃がんの場合は手術後1〜2年以内に再発するケースが多いため、術後3年以内は特に注意が必要となり、手術後も定期的な検診や診断を受けることになります。

胃がん手術後に起こりやすい後遺症

胃を全摘または一部切除すると、以前よりは確実に胃の消化吸収能力は低下します。

手術後に体力が回復するまでは、特にさまざまな後遺症が現れやすくなります。

胃がんの後遺症として多いのが、おなら・腹鳴・便秘・下痢・吐き気など消化機能が低下したことによる症状です。また、疲れやすくなった・痩せたというような全身症状もみられます。

もちろん個人差はありますが、ほぼすべての胃がん手術後の患者さんで何らかの後遺症がみられます。

代表的な後遺症、ダンピング症候群

胃がん手術後の代表的な後遺症が、ダンピング症候群と呼ばれるものです。胃がなくなり、または小さくなり、食物が小腸に急激に流れ込むことで起こります。

ダンピング症候群には、食事中または食後すぐに起こる早期ダンピング症候群と、食後2~3時間経ってから起こる晩期ダンピング症候群があります。

早期ダンピング症候群

食事中または食後すぐに、動機・血圧低下・貧血・めまい・脱力感・冷汗・腹部膨満感・腹痛・おなかが鳴るなどの症状が起こります。また、消化不良のため下痢をします。

小腸に食物が急激に流れ込むと、全身の血液が小腸に集まります。そのため、体の各部の血液が不足し、このような全身症状が現れます。

予防法としては、1日の食事を5~6回に少量ずつ分け、ゆっくりと時間をかけて食事をとること、甘いものや脂っこいものを避けること、食後は安静にすること、などが挙げられます。

晩期ダンピング症候群

食後2~3時間経ってから、低血糖症状・全身倦怠感・脱力感などの症状が起こります。ひどい場合は失神することもあります。これらは、いずれも低血糖による症状です。

食後には血糖値が上がりますが、血糖値を下げるために膵臓から大量のインスリンが分泌されることで、逆に低血糖の状態となってしまうのです。

予防法としては、食事をしてから2時間後に飴やビスケットなど糖分を含む食べ物をとることが挙げられます。

ダンピング症候群の症状には個人差があり、毎食後ダンピング症候群に苦しむ方もいれば、全く症状が出ない方もいます。しかし体が慣れるにしたがって、症状は改善される傾向にあります。

胃がん治療後の食生活は、少しずつ、ゆっくりが基本

胃がんでは、胃の一部もしくはすべてを手術で摘出することが一般的であるため、治療後は食生活に気をつける必要があります。

内視鏡治療を行えた場合は、胃の機能は基本的に変わらないため、食事の制限なども特にありません。

しかし胃を一部でも摘出した場合は、食べ物を入れられるスペースが狭くなるため、1度の食事量は術前よりも少なくなります。

ダンピング症候群を防ぐためにも、術後の食事は、少量ずつ、ゆっくりと取ることが基本です。

特に手術から間もないころは、食材を細かくしたり柔らかく煮込んだりするなどして、消化に負担をかけないようにします。間食を増やすなどして、1日の食事を小分けにすることも効果的です。

また胃の入り口(噴門部)を切除した場合、胃液や胆汁などが食道に逆流してくる逆流性食道炎にかかりやすくなります。

これを防ぐためには、なるべく脂っこい食事を控えるとともに、食後すぐ横になることを避けるなどの工夫が大切です。

他にもいくつかの注意事項があるため、医師や看護師のアドバイスにしたがい、無理のない生活を送るようにします。

もちろん術後の経過観察や、再発・転移の早期発見のために、決められたスケジュールでフォローアップ検診を受けることも大切です。

  • メディカルノート
本サービスにおける情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、必ず適切な医療機関を受診して下さい。
本サービス上の情報や利用に関して発生した損害等に関して、弊社は一切の責任を負いかねます。