すい臓がんの余命

すい臓がんは予後の厳しいがんといわれることが多いです。すい臓は小さく、また体の奥のほうにあるため、がんが発生しても症状が出にくいことなどが関係しています。

すい臓がんは発見された時点でかなり進行していることが多く、受診したときにはすでに余命わずか、というケースも少なくありません。しかし、なかにはステージ4で発見されても長く生存している人もいます。すい臓がんの余命について、詳しく解説していきます。

すい臓がんの5年生存率

数あるがんの中でも、すい臓がんの生存率はきわめて厳しい数値となっています。以下は、ステージごとの5年生存率です。

すい臓がんのステージ別5年生存率

「がんの統計'17」全国がんセンター協議会加盟施設における5年生存率(2007〜2009年診断例)より

この表を見てもわかるように、すい臓がんの5年生存率は、もっとも早期のⅠ期であっても40%台と、非常に低い数値です。

すい臓がんの余命が厳しい理由とは

すい臓がんの生存率が低い理由は、主に以下のような点にあります。

早期発見が難しい

上記の表の通り、すい臓がんの症例数がもっとも多いのはⅣ期となっています。つまり、Ⅳ期になって初めてすい臓がんが発見された人が多いということです。すい臓は胃の後ろ側に隠れるように位置しているため、がんができても症状が現れにくく、また検査でも見えくいことが原因として挙げられます。

最近は腹部超音波検査の精度が上がり、この検査だけでもすい臓の異常を発見できるケースが増えていますが、消化管のガスや内臓脂肪などに隠れて見えないことも少なくありません。

進行が速い

すい臓は20cmほどの小さな臓器のため、がんができるとあっというまにすい臓をはみ出して、他の部位に広がっていきます。また、すい臓の周りには多くの血管やリンパ管が通っているため、これらを通してがんが遠くの部位に転移しやすいという特徴もあります。

特に、肝臓とは門脈という太い血管でつながっているため、高確率で肝転移が起こります。

手術が難しい

すい臓がんの手術は大がかりになりやすいため、難易度が高いという特徴があります。たとえば、膵頭十二指腸切除術という手術では、すい臓の膵頭部に加えて、十二指腸や胆管、胆のうなども一緒に切除し、その後に残ったすい臓と胆管をつなぎ合わせる処置を行ないます。

がんの手術の中でも侵襲が大きく、合併症も起こりやすい手術です。

すい臓がんの実際の余命は人それぞれ

このように、すい臓がんは早期発見が難しいうえに、進行が速いため、見つかったときにはすでに末期というケースも多くみられます。しかし、実際の余命は人それぞれです。医療は日進月歩で進んでいるため、治療成績は少しずつですが向上しているといわれます。

たとえば、すい臓がんを血液検査だけで早期発見するための技術をさまざまな研究所が開発しており、近い将来に実用化が期待されています。さらに、新たな抗がん剤もどんどん開発されていますし、免疫療法という新しいアプローチも注目を集めています。

依然、見通しの厳しいがんであることは確かですが、現在もっとも克服に力が入れられているがんの一つですので、数年後には生存率がさらに上がると期待されています。

すい臓がんを少しでも早く発見するためには

すい臓がんは全体的に予後が悪いとはいっても、やはりⅠ期で発見できた場合が、もっとも生存率は高くなります。そのため、いかにして早期発見につなげられるかが重要なポイントです。

血液を利用した簡単で精度の高い検査法の実用化が期待されていますが、現時点で確実に受けられる検査としては、腹部超音波検査や腹部CT検査があります。

いずれも人間ドックなどで受けられますので、40歳を過ぎたらぜひ年に一度、体の総点検として受けることをおすすめします。また最近は、MRIを使ったMRCP(MR胆管膵管造影)という検査も行われており、すい臓がんの早期発見に大きく役立てられています。MRCPと腹部超音波検査などを組み合わせたコースを用意する人間ドックもあるので、より確実に調べたい方はぜひ利用してみてください。

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