食道がんの予後と5年生存率~医学的な病状の見通し~

食道がんの予後

食道がんは胃がん大腸がんなど、他の消化器系のがんの中でも治療後(手術後)の予後が悪いがんとされています。

なぜなら食道は他の臓器と違って、漿膜(しょうまく:外側の丈夫な膜)がないため、他の臓器に浸潤(広がる)しやすいためです。

また、食道周辺には身体の中心を通る大きな血管やリンパ節、肺・心臓・胃などの臓器が隣接しているため、近くの臓器だけでなく、脳や副腎など遠くの臓器にも転移しやすいという特徴があります。

食道がんの5年生存率

※ 公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計'17」全国がん(成人病)センター協議会加盟施設における5年生存率(2007~2009年診断例)より引用

食道がんはがんがまだ粘膜内に留まっているステージ0期の段階で治療を開始すれば、完治も期待できます。しかし食道がんは症状が乏しいため、がんが進行した状態で発見されることが多のです。

手術後起きやすい障害や後遺症

食道はさまざまな重要な器官に囲まれているので、手術はとても困難です。そのため手術の影響で予後に障害や後遺症が起こりやすくなります。

肺合併症

手術によって肺にいく神経や動脈まわりのリンパ節を取り去ることで、手術後の痛みなどで咳をして痰を出すことが困難になり、肺炎をおこすことがあります。

また術後すぐは唾液や食べ物を飲み込むことが多少困難になるため、それらが気管に誤飲してしまうことでも肺炎が起こることがあります。

反回神経麻痺

声帯に行く反回神経沿いのリンパ節を手術で取り去ることで、術後反回神経麻痺が起こることがあります。

声がかすれたり、はっきりと話すことができなくなったりすることもあります。半年ほどは様子を見て、それでも回復しない場合は耳鼻科的な処置が必要になることがあります。

縫合不全

手術で食道を取り去った後に、持ち上げた胃を頸、胸の上で縫い合わせたところから唾液や食べ物が漏れることをいいます。しばらくの間絶食する必要があります。しばらくすると縫合部分が馴染みます。

その他

食道を手術で取り去ったあとに胃を持ち上げて縫合した部分が狭くなる吻合部狭窄や、食べ物や消化液の口元への逆流、手術の影響で癒着した腸内部で消化物の通りが悪くなる癒着性腸閉塞などが起こる場合があります。

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