甲状腺がん手術後(治療後)の注意点

甲状腺がんの治療では、甲状腺を全部又は一部摘出するケースが多いため、甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンの分泌量がまったくなくなったり、減少したりするケースがしばしばあります。

甲状腺ホルモンは、身体の新陳代謝を司り、人間の生命維持になくてはならないホルモンなので、甲状腺を摘出した場合には、甲状腺ホルモンを体外から補充する必要があります。

そのため、手術後に甲状腺ホルモン剤を生涯服用する必要があります。

甲状腺がんの手術に伴う後遺症

甲状腺がんの治療後の後遺症は、ホルモンの分泌以外にも、甲状腺周辺の神経や組織を切除したことにより、声がにくくなる、手指がしびれる、食物が飲み込みにくくなるなどの症状が現れることがあります。

ただしこれらの後遺症は、手術後数か月程度で改善していくケースが多いです。

甲状腺機能低下

甲状腺は、甲状腺の全体の半分ないし3分の1程度が残っていれば正常に維持されますが、全摘出を行った場合や、甲状腺を温存しても橋本病の体質のあるは、甲状腺の機能が低下する場合があり、甲状腺ホルモン剤の服用が必要になります。

甲状腺ホルモン剤は1日1回、生涯必要となり、きちんと必要量服用していれば甲状腺がある状態と同じ体を維持できます。

しかし、このホルモン剤をきちんと服用していない場合は甲状腺機能低下を招き、新陳代謝が悪くなり、疲れやすさや体のむくみなど体調不良を起こします。

副甲状腺機能低下

副甲状腺は通常は甲状腺の裏側に上下左右1つずつ、計4個あり、体内のカルシウムを調節する役割のあるホルモンを分泌しています。

甲状腺全摘出術などで副甲状腺が全て失われると、副甲状腺ホルモンが不足してしまうため血液中のカルシウム濃度が低下し、手足がしびれるなどの症状がでます。

その場合は、カルシウム製剤とその吸収を促進するビタミンD剤を服用する必要があります。

反回神経麻痺による声質変化

反回神経は声帯を開閉させるための動きをつかさどる神経で、甲状腺の後ろを甲状腺に隣接して走っているため、甲状腺がんの腫瘍の発育に巻き込まれることがあり、切断を余儀なくされることがあります。

切断しない場合でも、神経は非常にデリケートなため、甲状腺手術の際にダメージを受け、麻痺してしまう場合もあります。

左右ある反回神経のうち、一方の神経が麻痺してしまうと声帯の動きが不十分になるため、声がれるなどの影響がでてしまいます。

手術の際はできるだけがんと神経をメスで剥離し、神経を残すため努力が行われます

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