卵巣がんの予後と5年生存率~医学的な病状の見通し~

卵巣がんは、ステージI期の早期の段階で発見できれば、5年生存率は良好な結果となるのですが、初期症状が非常に乏しく、患者さんの多くがステージII期以上の進行がんの状態で発見されるため、治療成績は必ずしもよくありません。

また、卵巣がんは初回治療により治癒が見込まれることがあるものの、治療を行った患者さんの約半数が数年のうちに再発するといわれています。再発すると、以前の治療よりも難しくなる傾向があります。

卵巣がんはがんのなかでも再発率の高いがんであるため、治療後の再発予防も非常に重要となります。

卵巣がんの5年生存率

※ 公益財団法人 がん研究振興財団「がんの統計'15」全国がん(成人病)センター協議会加盟施設における5年生存率(2004~2007年診断例)より引用

1点注意したいのが、5年生存率は、病気が治った人ではなく、治療から5年後に生きている人の割合を示しています。そのため、再発していたとしても生きていればカウントされます。

卵巣がんは再発率が高いため、上記指標はあくまでも目安としてご参考ください。ちなみに、再発した場合は予後が不良となります。

日々進歩を続ける卵巣がんの医療技術

卵巣がんの治療は、その他のがんの治療と同様に標準医療で進められますが、治療成績をより向上させるために、卵巣がん治療の研究が日々進められています。

そして、新たな治療の有用性を確認する臨床試験が現在継続して行われています。

卵巣がんを対象にした臨床試験は、2018年4月時点の直近で公開されたものとして、下記の名称の試験があります。

JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)

  • 上皮性卵巣がんの妊孕性温存治療の対象拡大のための非ランダム化検証的試験(JCOG1203)
  • Ⅲ期/Ⅳ期卵巣がん、卵管がん、腹膜がんに対する手術先行治療 vs. 化学療法先行治療のランダム化比較試験(JCOG0602):現在登録終了

JGOG(婦人科悪性腫瘍研究機構)

  • ステージング手術が行われた上皮性卵巣がんⅠ期における補助化学療法の必要性に関するランダム化第Ⅲ相比較試験(JGOG3020)

GOTIC(北関東婦人科がん臨床試験コンソーシアム)

  • 上皮性卵巣がん・卵管がん・腹膜原発がんに対するPaclitaxel毎週点滴静注+Carboplatin 3週毎点滴静注投与Paclitaxel毎週点滴静注+Carboplatin 3週毎腹腔内投与のランダム化第Ⅱ/Ⅲ相試験(GOTIC001/JGOG3019)

上記の他にも卵巣がんを対象にした多様な臨床試験が行われており、今後はそれらの研究成果によるがん治療の予後改善が期待されます。

  • メディカルノート
本サービスにおける情報の提供は、診断・治療行為ではありません。診断・治療を必要とする方は、必ず適切な医療機関を受診して下さい。
本サービス上の情報や利用に関して発生した損害等に関して、弊社は一切の責任を負いかねます。