身近にある発がん性化学物質の特徴

がんの原因の一つに、私たちの身近にある「発がん性化学物質」があります。

文明の進歩によって、もともと地球上にはなかったさまざまな化学物質が生み出されましたが、そのなかには明らかな発がん性が確認されているものが複数あるのです。

有害な化学物質が含まれるものとしては、タバコの煙や、車の排気ガス、工場からの煙、建築に使われてきたアスベスト(石綿)などが挙げられます。

また、日常的に口にする食品のなかにも、実は発がん性のある添加物が使われていることがありますので、注意したいところです。

私たちの身近にはどんな発がん性物質があるのか、また、どうしてそれががんを引き起こすのかについてご紹介していきましょう。

タバコは発がん性物質のひとつ

発がん性のある物質といえば、だれもが思いつくのがタバコです。タバコは肺がんのみならず、あらゆるがんのリスクを上げることが分かっています。

タバコの煙には、約5,300種類の化学物質が含まれるのですが、そのうち70種類には明らかな発がん性が確認されているといわれます。「アセトアルデヒド」や「ベンゾピレン」などが代表的です。

これらの有害物質は、主流煙だけではなく副流煙にも含まれますので、喫煙している人はもちろん、周りにいる人も受動喫煙によって体内に取り込むリスクがあります。

実際、家族にタバコを吸っている人がいる家庭の肺がん罹患率は、そうでない家庭の約2倍になるというデータもあるほどです。

 

 

車から出る排気ガスにも発がん性がある

発がん性物質を含む煙といえば、タバコだけではなく、工場からの煙や、車の排気ガスなどもあります。これらのなかにも、やはり「ベンゼン」や「ダイオキシン」などの発がん性物質が入っているのです。

特によく知られているのは、ディーゼル車から出る排気ガスで、多くの発がん性物質が含まれることがわかっています。そのため近年では、大都市圏を中心にディーゼル車の規制が進みました。

また、車両自体も、有害な物質が極力出ないようにする構造に変わってきたため、国内のディーゼル車の排気ガス問題は大きく改善されているといわれています。

職場にひそむ発がん性物質

化学物質を扱う工場など、特定の職場に存在する発がん性物質もあります。

特に有名なのは「アスベスト」です。

アスベスト(石綿)は断熱性や保温性に優れた鉱物で、昔から建築物やブレーキパッドなどによく使用されてきましたが、国内外で発がん性が指摘されたため、日本でも規制されるようになりました。

しかし、新たに使われることはなくなったものの、今後、昔の建物が解体される際に大量のアスベストがまき散らされる可能性があり、作業員や周辺住民への影響が心配されています。

他にも、染め物工場や印刷工場など、化学物質に日常的に触れる職場において、従業員に特定のがんが多発するという現象が起こることがあります。

国内では2012年に、大阪の印刷工場で働いていた人たちに胆管がんが集団発生したことがあり、この場合は印刷業務に使われていた「ジクロロプロパン」が原因物質として疑われました。

加工食品に含まれる食品添加物

身近な発がん性物質としては、口から入る食品に含まれたものもあります。食品の発がん性物質は、主に「食品添加物」に含まれています。

発がん性が疑われている代表的な添加物には、ハムやベーコンなどの加工肉に使われる硝酸塩などがあります。

2015年10月に、国際がん研究機関(IARC)が「ハムやソーセージなどの加工肉を1日50g以上摂取すると、大腸がんのリスクが約18%上がる」という見解を発表し、世界中で話題になりましたが、これも加工の段階で使われている添加物の影響が大きいのではないか、との見方があります。

いずれにせよ、「特定の食べ物に偏らず、バランスよく食べる」ことが一番大切です。

化学物質ががんを引き起こすしくみ

このように、私たちの身近にはさまざまな発がん性物質があります。次に、鼻から、もしくは口から入った発がん性物質が実際どのようにがんを引き起こすのかについて、タバコを例にご紹介しましょう。

(1)発がん性物質が気管支の細胞に取り込まれる

タバコの煙には、「ベンゾピレン」をはじめとする数十種類もの有害物質が含まれます。

喫煙者もしくは受動喫煙者がこの煙を吸い込むと、気管支や肺の細胞に有害物質が取り込まれていきます。

(2)発がん性物質が、細胞の核のなかを浮遊する

細胞内に取り込まれた発がん性物質は、細胞の核のなかをふわふわと浮遊します。

核には、A・T・G・Cという4つの塩基が組み合わさってできた、らせん状の2本鎖(DNA)がありますが、通常はこのなかに外部からの物質が入り込むことはできません。

(3)細胞分裂のタイミングで、発がん性物質がDNAに入り込む

普段きっちりと結ばれている、DNAの2本鎖がゆるむ瞬間があります。それが細胞分裂の時です。細胞分裂では、1個の細胞が2個に分裂します。そこでDNAの2本鎖はいったんほどけ、1本ずつになってそれぞれ分かれていきます。

そして端っこから順番に、もう1本の鎖を構成する塩基(A・T・G・C)が結びついていき、2本鎖が2つ完成して細胞分裂が完了するのですが、いったんほどけたときに、核のなかをさまよっていた有害物質がまぎれこんで、正常な塩基と間違って結びついてしまうことがあるのです。

通常、塩基は「GとC」「AとT」がペアになって結びつきますが、たとえば「Gと有害物質」が結びつくと正常な細胞分裂が邪魔されてしまいます。

さらに、そんな間違った遺伝情報を持った細胞が新たに分裂することで、どんどん異常な細胞が増えていくのです。

これが、がんという病気の発生のしくみになります。

私たちの体には、間違った遺伝情報を持った細胞が誕生しても、それを修復・排除するメカニズムが備わっています。

しかし、ストレスや疲労などで体の免疫力が落ちていたり、生まれつきがんを抑制する遺伝子に異常があったりすると、がん細胞の増殖に歯止めをかけることができず、そのまま増殖して腫瘍を形成してしまうのです。

このように、身近にある発がん性物質が引き金となって、がんになる可能性は十分にあります。

文明がこれだけ進化した今、発がん性物質にまったく触れない生活をすることは困難ですが、タバコをやめたり、食品添加物を極力避けたりすることは可能です。

予防できるところは、ぜひ予防するように心がけていきましょう。

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