がんの血液検査とは

がん検診といえば、X線や内視鏡などを使った画像検査が中心です。

たとえば、胃がんならバリウムを使ったX線検査や胃カメラ、肺がんなら胸部X線撮影、乳がんならマンモグラフィなどが代表的です。いずれの検査画像を使ってがんの有無を診断します。

しかし画像検査ではごく早期のがんは発見しにくく、体の中心部にある臓器は調べにくいこともあります。

それならば、血液検査でがんを発見することはできないのかと思う人も多いかもしれません。ここでは、腫瘍マーカーをはじめとするがんの血液検査についてご説明します。

血液でがんのリスクを判定する「腫瘍マーカー」とは

実際、がんにも血液検査はあります。その代表的が、腫瘍マーカーです。

腫瘍マーカーとは、がん細胞がつくる特殊な物質(タンパク質)のことで、がん細胞が増えてくると血中の濃度が高くなります。これを調べることで、がんかどうかや進行具合、治療の効果などを予測することが可能です。

どんな物質が血中に増えるのかは、がんの種類によっても異なります。また、それぞれの腫瘍マーカーに基準値が設けられており、検査の結果、数値が基準値を超えていた場合にがんの可能性を疑います。

ただし、腫瘍マーカーは必ずしも精度が高いとはいえません。早期のがんでは陽性にならないことも多く、がんではないのに陽性を示すこともあります。

そのため、腫瘍マーカーだけではがんの診断はできないのが現状です。

主に人間ドックや健康診断などで、画像検査と併せた総合的な判定に利用されます。

腫瘍マーカーの種類と、対応するがんの一覧

腫瘍マーカーは、現在数十種類がみつかっています。特に代表的なものをご紹介しましょう。

上記のほかにも、腫瘍マーカーは数多く存在します。

表が示す通り、一つの腫瘍マーカーに複数のがんが反応することも少なくありません。また、がん以外の良性疾患でも数値が上昇することがあります。

そのため、ある腫瘍マーカーの数値が基準値より高くても、それだけでがんを診断することは不可能です。

比較的、精度の高い腫瘍マーカーとは

がんのスクリーニング検査としては、判断が難しい腫瘍マーカーですが、そのなかでもがん検診に広く役立てられているのが、前立腺がんの「PSA」です。

PSAは「前立腺特異抗原」という名が付いているとおり、基本的には前立腺の異常によって数値が上がる腫瘍マーカーで、効率的に前立腺がんのリスク判定ができます。

前立腺炎や前立腺肥大症などの良性疾患でも数値は上がりますが、この検査をすることで、ある程度のふるいわけ(スクリーニング)は可能です。

また、2007年に承認された「p53抗体」という腫瘍マーカーも、感度が高いことで注目を集めています。

複数のがんで数値が上がりますが、早期がんであっても3割以上の陽性率を誇るため、他の腫瘍マーカーや画像検査と合わせることで、質の高い診断と治療が可能になると期待されています。

現状、腫瘍マーカーのみのがん検診は一般的ではなくやはり、画像検査が中心となっています。

国内外で研究が進む、がんの血液検査

今のところ、がんのスクリーニング検査として活用するには熟慮が必要な腫瘍マーカーですが、「何とか血液検査だけでがんを早期発見できないか」という挑戦は昔から続いており、国内外でさまざまな研究が行なわれています。

特に膵臓がんは、体の中心部にあるため画像検査が難しいうえ、症状もでにくく進行も速いことから、新たなスクリーニング検査の研究が急ピッチで進められています。

例えば、2015年に国立がん研究センターの研究グループは、アポリポプロテインA2(apoA2)」と呼ばれるタンパク質のアイソフォームの血中濃度が、早期の膵臓がんや膵臓がんのリスクとなる病期の患者さんにおいて、有意に低くなることを発見しました。

また、血液中のマイクロRNAという特殊なRNA(リボ核酸)を複数調べることで、膵臓がんをはじめとするさまざまながんを早期に診断する研究が進んでいます。

現在(2018年時点)のところ確実に早期発見できるものはまだみつかってはいませんが、多くの研究チームが新たなマーカーをみつけていますので、近い将来にはより精度の高い血液検査ができる可能性は十分にあります。

また2015年には、神戸の「マイテック」という小さな町工場が、大学病院との提携で画期的な検査法を発明しました。

たった一滴の血液を乗せるだけで、がんの有無や種類などを判別できるバイオチップ・プロテオⓇという製品です。

今後、もしも多くの人に有効性が確認されれば、将来的には保険適用になる可能性もあり、大きな期待が寄せられています。

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