抗がん剤の種類と分類

抗がん剤の種類

一口に抗がん剤といっても、薬の元となるものの違いや作用の違いによって、いくつかの種類に分類されます。

がん治療に使用されている抗がん剤は、大きく分けると従来型の細胞障害性抗悪性腫瘍薬と、近年新たに開発が進められている分子標的薬の2つに大別されます。

細胞障害性抗悪性腫瘍薬

細胞障害性抗悪性腫瘍薬とは、がん細胞の分裂(DNA合成)を阻害する抗がん剤です。どのようにDNA合成を阻害するかによって、いくつかの種類に分かれます。

アルキル化薬

アルキル化薬は、DNAの塩基にアルキル基という原子団を結合させることによって、正常なコピーができないようにする抗がん剤です。細胞周期に関わりなく効果を発揮します。

代謝拮抗薬

代謝拮抗薬は、DNAの合成に必要な塩基や葉酸に似た物質から作られた薬です。本物の塩基や葉酸と間違えて取り込ませることで、がん細胞の正常な分裂を阻害します。

どの物質に似せるかによって、ピリミジン拮抗薬・プリン拮抗薬・葉酸代謝拮抗薬の3種類に分かれます。

抗がん性抗生物質

抗がん性抗生物質は抗がん作用を持つ抗生物質です。がん細胞のDNAのなかに入り込んだり、DNA合成に必要な酵素を阻害したりすることで、正常なコピーができないようにします。

白金製剤

白金製剤は白金(プラチナ)から作られた抗がん剤です。DNAを構成するプリン塩基に結合することで、がん細胞の正常なコピーを阻害します。

微小管阻害薬

微小管阻害薬は細胞分裂の際に重要な役割を果たす微小管という組織を阻害する抗がん剤です。これによって、がん細胞は複製したDNAを新たな細胞に移すことができなくなります。

トポイソメラーゼ阻害薬

トポイソメラーゼ阻害薬はDNAの合成に関わるトポイソメラーゼという酵素を阻害する抗がん剤です。

DNAの情報をコピーする際には、トポイソメラーゼのはたらきによって2重らせん構造をいったんほどく必要があるのですが、それを薬で抑えることによってがん細胞における正常なDNAの複製を阻害します。

分子標的薬

分子標的薬は、近年、化学療法の主流になりつつある抗がん剤です。現在、新たに開発されている抗がん剤のほとんどが分子標的薬だといわれています。

長らく主流だった殺細胞性抗悪性腫瘍薬は、健康な細胞にまではたらきかけてしまうため、吐き気や骨髄抑制などの副作用が強い点がネックでした。

一方、分子標的薬はがん細胞が産生する特異な物質に狙いを定めた抗がん剤で、正常な細胞に与えるダメージを少なくすることができます。

ただし分子標的薬特有の副作用もあることから、今後安全性の高い薬が開発されていくことが期待されています。

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